北の佐川の"音曲捕り物帖"

maria 連載 第十四回
"入学試験シーズン真っ只中での女子校の音楽会!"

入学試験シーズン真っ只中の1/25(日)広島市のある女子校の音楽会を聴きました。
(2004.02.01up)

・以前の連載(第九回)に、広島の某男子校の合唱祭の話題を出しましたが、今回は、同じく広島市にある中高一貫女子校の音楽会なるものを聴きに行きました。 こちらは、ここ数年、毎年のように聴きに行っている音楽会です。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

・その音楽会は、先週末、1/25(日)の午後、同校の講堂にて約4時間にわたって行われました。 私は遅れて行ったため、後半のみを聴きましたが、前出の男子校とは異なり、クラス対抗の合唱コンクールといったものではなく、中1から高3までの学年別合唱に、音楽系クラブの演奏、有志による独唱や独奏、さらに、OGによる”同窓会合唱団”(女声)や教職員による”学園混声合唱団”まで参加する華やかな音楽会です。
・特に気になった点についていくつか紹介します。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

・中2、中3や、高1、高2の合唱を早めの出番とし、新入生である中1を最後から2番目に、最終学年である高3を一番最後の演奏順として、客席に父兄を釘付けにすると言う演出で、客席は父兄で満席状態です。
・例年、中1は初々しい蚊の鳴くような声で苦しそうに歌っていますが、今年は比較的まともな演奏でした。先生の指導が良いのか、近年の新入生に恥じらいが無くなってきているのか気になるところです。
・一方、高3はと言うと、毎年ヘンデル作曲の”ハレルヤ・コーラス”を合唱するのが定番となっているようで、今年も”堂々!”と、トリを務めていました。 ・・・と、言いたいところですが、実はこの1/25という日は、センター試験の翌週末で、その自己採点結果に一喜一憂しながら、志望校の絞込み(見直し?)に頭を痛めている時期で、まじかに迫った2次試験のことを考えると”ハレルヤ〜♪”と、脳天気に歌っている場合ではないはずです。 しかしながら、全員暗譜で楚々として歌いきる様は、さすがというべきでしょうか。
・この時期、高3生は既に正規のカリキュラムは終えており、大学入試の相談・手続きや自習のために登校するわけで、考えようによっては、この音楽会、思い出に残る良い息抜きかもしれません。 また、学校にとっては、その後に控えている自らの中学入試のために、下見を兼ねた小学生やその父兄に学校の様子を紹介するアピールの場としての意味も持たせているようで、あえて、この時期に音楽会を開催しているのかもしれません。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

・一方、各音楽サークルの演奏はどれも興味深いものではありましたが、特に目を見張ったのは”筝曲部”の演奏でした。筝曲、すなわち、お琴の演奏です。
・赤い毛氈を敷き詰めたステージに、大小約二十面の琴をずらりと並べ、正座した全員の礼から始まって、時に激しく、時に艶やかに合奏し終えた後に、最後に再び全員の礼で静かに終わる様に感動しました。 他の演奏が皆穏やかなものが多かった中で、お琴の合奏は思いのほか迫力があり、端正なたたずまいとのコントラストも面白く、ファンになりそうです。
・かなり長い合奏曲でしたが、指揮者無しで、一糸乱れぬ演奏でした。 洋楽でも室内合奏団などでは指揮者無しで演奏する場合も多いため特別に不思議なことではないのかもしれませんが、弦をはじくことによって音を出す撥弦楽器である琴の合奏においては、身を乗り出して大きな弦を押さえながら合わせることは大変なことではないかと想像しました。
・振り返るに、我々合唱は、いかに恵まれていることでありましょうか。 真正面に指揮者を仰ぎながら手ぶらで歌うのに、どうしてこうも縦がそろわないのでしょうか!(横も揃いませんがね!!) 。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

・今回、女声合唱が中心の演奏会でした。 演奏がどれも上手であったというわけではありませんが、女声合唱の良さを再認識しました。 男声合唱のベースとは異なる穏やかな低音パートの響きに乗って、ビブラートの無い澄んだ高音パートがメロディーを奏でるのを聴くのは、まことに心地よいものです。 ピアノ伴奏との相性も良いと思います。 変な意味ではなくて、若い女声合唱の響きは清潔さと統一性が感じられて大好きです。
・ところで、この学校には軽音楽系のサークルは無いのでしょうか???

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手