leaflet 連載 第136回

エリザベト シンガーズ 第12回 定期演奏会

          〜 愛のかたち 〜

”愛のかたちを理解するのはなかなか難しいようです”
(2008.10.15 up)
  
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     エリザベト シンガーズ  第12回 定期演奏会   
           〜愛のかたち〜   
      日時/2008年10月13日(月) 15時開演   
      会場/エリザベト音楽大学セシリアホール   
      指揮/本山秀毅    
        (↓プログラムはこちら)
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  ◆芸術の秋。 久しぶりに”プロ”の演奏を聴きに行きました。   
  ・チラシを眺めると、当日券は2500円也・・・。 途中でヤマハ広島店に寄って2000円の前売り券を購入してセシリアホールへ向かいました。    
  ・エリザベト シンガーズのメンバーは17名ほどで、広島で活躍されているエリザベト音大出身者を中心に構成されているようです。 男声に客員が多いのが少々気になります。(以前からですが・・・。)   
  ◆全体は4ステージ構成で、プログラムは上に貼り付けてある通りですが、前半は古い時代の曲、後半は20世紀の作曲家の曲でした。   
  ・最初に指揮者の本山先生がマイクを持って登場し、今回の演奏曲についての解説をされました。 要は、「愛のかたち」という括りで、通常では聴く事の出来ない幅広い時代の曲を集めてみた、ということのようです。   
  ◆1ステは、中央に座したリュートを取り囲むようにして歌う静かな演奏。 このセシリアホールにふさわしい、軟らかく上品な演奏でした。 ちょっとリュートの音量が足りないような気もしましたが、歌手の皆さんは聞こえていたのでしょうかね。   
  ◆2ステは、リュートの他に通奏低音としてチェロと小型パイプオルガンを従えての演奏。 オルガンの音はあまり聴こえませんでしたが、独唱の方は粒ぞろいのバランスの良い音質でした。 物語の内容によるものでしょうが、エバンゲリストの語尾の”t”の発音が、少々きつ過ぎたような気がします。   
  ◆10分間の休憩を挟んで、第3ステージは、バーバーの歌劇の一部。 ソプラノソロとピアノの付いた英語のテクストによる曲でした。 最初は女声アンサンブル、途中から混声アンサンブルでの演奏だったと思います。    
   最初の女声合唱は、狭い帯域に音が重なりすぎて、・・・。 特に高音声部がちょっと突出し過ぎるように感じました。 途中のアルトのパートソロはなかなか良かったです。 バーバーといえば、例の”アダージョ”しか知りませんでしたが、その予想を上回る複雑そうな音の重ねあわせで、素人の私には良く判りませんでした。   
  ◆最後の第4ステージは ソプラノソロ、テナーソロと、合唱には”アサンブルある”のメンバーを補強しての演奏。   
   作品は、オルフの”劇的演技”の抜粋だそうですが、いかにも”ある”さんの好きそうな、かなり変わった、とても難しい曲でした。 確かに、このメンバーだからこそ出来る、他ではなかなか聴く事の出来ない音楽なのだと思いました。   
   冒頭の、憎しみを表現したのであろう、合唱の圧倒的なフォルテシモはすごかったです。 苦しむテナーのソロも素晴らしい表現力でした。   
   しかし、あまりにも音楽の表現が強すぎて、この狭くてよく響くセシリアホールには収まりきらなかったような気がします。 特に冒頭部分は、音が大きすぎて、濁った暴力的な音が私の耳に飛込んで来ました。 大きなホールであればあれでよかったのかもしれませんが・・・。    
   私には音楽表現の節度を超えていたように思えましたが、それとも、あれが20世紀の作曲家オルフの音楽表現のひとつだったのでしょうか?   
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  ◆最初に、愛のかたちにも色々あるという解説を指揮者自身がされていましたが、どうも今回の演奏では、私には一部に理解できない”愛のかたち”があったようです。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手