leaflet 連載 第132回

広島市役所合唱団 第17回定期演奏会

          〜 再結成25周年記念 〜

”忘年会のネクタイとか書いちゃわないですよね”!?
(2008.07.23 up)
  
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     広島市役所合唱団 第17回定期演奏会    
        〜再結成25周年記念〜   
       2008年7月21日(月・海の日) 14時開演   
       広島市西区民文化センターホール   
    (↓プログラムはこちら)
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  ◆広島県を代表する職場合唱団の定期演奏会を聴きに行きました。   
  ◆広島市役所合唱団は私の所属するマツダ合唱団と同様、職場の合唱団ですが、こちらは昨年、全日本合唱コンクール全国大会に出場した実力のある男声合唱団で、表題にもあるように戦前に発足した混声合唱団が休止し、S58年に男声合唱団として活動を再開して25周年に当たるそうです。   
  ・今回ステージに上がったのはちょうど20名。 男声合唱ですがいつのころからかテナーに女声が加わっています?   
  ・広島の合唱界は狭いというか、この広島市役所合唱団で私の知った方が数名歌っていらっしゃるので、楽しみにしていました。   
  ・学校が夏休みに入った、3連休の最終日のためか、客席の入りはまあまあでした。   
  ・因みに、プログラムに書いてある『2008年7月21日(月・海の日)』の(月・海の日)とは、この日が月曜日で、海の日の休日という意味です。決して”月と海の日”ではありません。   
  ◆第1ステージは宗教曲が2曲。    
  ・1曲目のBrumel作曲「エレミアの哀歌」は中間部の美しい曲でした。   
  ・2曲目のVictoria作曲「Tenebrae factae sunt」は本年度の全日本合唱コンクール課題曲(M1)です。 帰ってから合唱名曲シリーズを見てみると、セカンドテナーの音が結構高かったり途中で3部になったりとかなり難しそうでしたが、3週間後のコンクール県大会には全国大会出場の実力でもってきっちりと仕上げて来られることでしょう。   
  ◆第2ステージは、北原白秋の詩に多田武彦が曲を付けた組曲。 1969年初演だそうですが、緩急のある良い曲でした。   
  ・立ち位置は、1ステがベタと山台1段目を中心に使っていたのに対して、2ステ以降は全員山台の1段目と2段目に並んだ配置でしたが、後者の方が子音の明瞭さと母音の響きのバランスが取れていて良かったように思います。   
  ・第2曲目、M浦さんのテナーソロ、母性本能をくすぐる様な美しさがありましたね(私は男ですが)。   
  ・1ステに比べると格段に練習量が多いように見受けられましたが、それでもこの曲を20名で歌うのはちょっと厳しいかなという印象でした。各パート共、大きな声を出そうとちょっと無理をしているように感じられ、各パートのトーンの違いがはっきりと表に出て来ていました。 60〜100人くらいの余裕ある人数の演奏で聴いてみたいものです。   
  ◆休憩を挟んで第3ステージは、沖縄の歌。   
  ・ここで、やってくれました! 2週間前に広島メンネルコールの定演を聴きに行ったとき、お揃いの水色のネクタイを見てちょっと引いてしまいましたが、今回の市役所合唱団は「沖縄の歌」に因んで頭の横で結んだハチマキに驚かされてしまいました。 黒の揃いのTシャツに赤黄緑のカラフルな鉢巻きを頭の横で結んだおじさんたちが、全員譜面台を持ってぞろぞろとステージに登場してくる姿は、異様の一言。 琉球か奄美の民謡衣装でカラフルなハチマキを頭の横で結んで余りを垂らすあの姿は三沢あけみ?か誰かの懐かしい姿を連想したいところですが、隣で一緒に聴いてた友人は、サラリーマンが忘年会で酔っぱらってネクタイを頭に巻いている姿を連想したようです。   
  ・さすがに指揮の岡村先生は腰鉢巻きに変更してありました。 ピアニストの竹本さんがグレーのロングドレスだったのは、次の4ステとの兼ね合いもあるということで不問とします。   
  ・帰宅した後、前出の友人から、ご丁寧に、『HPに”忘年会のネクタイ”とか書いちゃわないですよね』というメールまで頂くと、もう書かない訳にはいきませんでした、・・・悪しからず。   
  ・衣装の話はさて置き、沖縄の歌の演奏そのものは、大変素晴らしかったです。 全6曲の内、5曲はあの松本憲治先生の委嘱編曲作品。 市役所合唱団の高い実力に合った編曲で、心地よく楽しめました。   
  ◆最終の第4ステージは、引き続き松本憲治作品集。   
  (因みに3ステと4ステの衣装の違いは、例のハチマキが有るか無いかだけでした)   
  ・全7曲中、特に2曲目に演奏した”祝福”(1996年委嘱作品)が良かったです。 男声組曲「おやすみスプーン」の終曲として松本先生が作曲されたものだそうですが、北村太郎の味わい深い詩に付けられた美しいメロディーがシンプルな無伴奏男声合唱曲の形に仕上げられていて、とても印象的でした。 私も男声合唱で歌ってみたい曲です。   
  ・前半3曲が終わったあと、紹介もされずに作曲者の松本先生にマイクが渡されて無理矢理ステージに上げさせられ、5分間ほどスピーチをされました。いつもの通りの松本節でした。   
  ・後半4曲ほど、ソプラノの松尾嘉珠子さんがソリストとして加わってドラマチックな美声を響かせておしまい。   
  
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  ◆本質的に演奏は上手だし指揮者も若くて格好良いのだけれど、演奏以外のところでちょっと気配りが足りない、ある意味男声合唱団らしいそっけない定期演奏会でした。   
  ・8/10のコンクール県大会職場の部、お手柔らかにお願いします。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手