leaflet 連載 第131回

広島メンネルコール 第38回定期演奏会


〜 水色のネクタイ 〜
(2008.07.08 up)
  
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  広島メンネルコール 第38回定期演奏会   
    日時:2008年7月6日(日) 13時30分開演   
    場所:アステールプラザ 大ホール (広島市中区加古町)
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  ◆開演30分前の開場時には入り口に長蛇の列。 当然、客席は最前列まで満席。  私は、「是非バスの近くで聴きたい」というチケットをまわしてもらった方の強い希望で、ベースト真正面の前から3列目に着席。  こんな見上げるようなかぶりつきで聴くのも久しぶりですが、なかなか迫力が有って良かったですね。  見上げながら聴くのが病み付きになるかもしれません。   
  ◆1ステ   
  ・普通、1ステはなかなかエンジンがかからないものですが、メンネルは1曲目「Great Day」からハイテンションの演奏でスタート。 団員60人中、20人がベースパートだそうで、充実した低音、格好良かったですね。  テナーソロもGoodです。   
  ・指揮は今年から正指揮者?となった三好紘司さん。 プログラムの指揮者プロフィールに書いてある通りのダイナミックな指揮でグイグイと団員を引っ張っていました。 譜面台も指揮台も使わず、ステージ上を精力的に動き回っていました。 30歳だそうです。 若い!  これでメンネルも安泰です。   
  ・最後の「Swing Down Chariot」が面白かった出すね。 バーバーショップらしい編曲&演奏に、思わず頬が緩んでしまいました。 バーバーショップの醍醐味、最後の「Tag」部分のセカンドテナーのロングトーンもそれらしい雰囲気が出ていて良かったですね。 もう少し張りがあれば最高。   
  ◆2ステ   
  ・概して、多田武彦の曲を聴くと、”どのパートが主旋律か分からず、美しいはずだけれど、ちょっとねじれた訳の判らないハーモニーの曲”と感じることが多くあります。 それに対して、今回の演奏は、輪郭がはっきりとして多田武彦のよさが良く出ていたように思います。 新しい指揮者三好さんの感性でしょうか。   
  ◆3ステ   
  ・益田遙先生の登場で、おなじみの「メンネルあの歌、この曲」です。  どの曲も”おじさん合唱団”らしい味のにじみ出た演奏でしたが、特に最後の「昴」の最初と最後に出てくるユニゾンが素晴らしく綺麗でした。 男声60人による抑制の効いた美しいユニゾンに驚きました。 恐るべし。   
  ・ただし、この3ステで絞めていた水色のネクタイは全く似合いませんでしたね。 白カッター、黒ズボンにこの水色のネクタイは浮く!ぼやける!中途半端! まだ真っ赤なネクタイの方がマシでしょう。 今回の演奏会のために新調したそうですが、今後もこの水色のネクタイを使い続けるのでしょうか?   
  ◆4ステ   
  ・4ステの演奏に先立ち、長年メンネルのソリストを務められたテナーの方がこの春先に逝去され、その悼辞の朗読と多田武彦の「雨」の演奏が有りました。 私も、30年余り前に崇徳グリー、広大グリー、メンネルコールで「男声合唱の夕べ」をやっていた頃から、この方が美しいテナーソロを歌い続けていらしたのを知っております。   
  ・最終第4ステージは男声合唱組曲「海の構図」でしたが、そうしたわけで、演奏する方も聴く方も気持ちの切り替えが十分でなかったようで、前半の印象がちょっと薄かったです。   
  ・しかし後半、”かもめ”、”神話の巨人”は素晴らしい感動が伝わってきました。 この組曲は、元々、中田喜直作曲の混声合唱組曲で、これを福永陽一郎が男声合唱用に編曲したものだそうです。 初めて聴きましたが、是非もう一度聴いてみたい曲です。   
  ◆アンコールも良かったです。 もちろん”ヤマト”も良かったですが、”白鳥”のボカリーズがよく声とピッチが揃っていて素敵でした。   
  ・全体を通じて素晴らしい演奏で、全盛期の崇徳グリーを聴いているような気になりました。 崇徳グリーのテンションの高さはそのままに、力みが取れて地に足の付いた堂々とした大人の演奏だったように思います。   
  ・元々ベースがしっかりしているし、昨年の演奏でトップテナーが素晴らしく良いことに驚きましたが、セカンドやバリトンも内声らしい落着いた声ながらしっかりとした主張をしていて、男声4部合唱としてのバランスのよさを感じました。   
  ◆一緒に聴いた方から、「そういえば以前フェミニンコールさんが賛助出演していましたよね」?、という話しが出ました。 今は昔、広島メンネルコールの演奏会に女声の入り込む余地は無いでしょう。   
  
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  ◆昨年、終演後にロビーでストームを何曲か演奏され、非常に楽しかった記憶があります。 今回も期待して待っていましたが結局歌われなかったようです。 残念ですが、今回は特別に自粛されたのでしょうね。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手