連載 第127回
第404回 パイプオルガン定期演奏会 〜合唱とオルガン〜
第405回 パイプオルガン定期演奏会 〜合唱とフランス・オルガン音楽〜
・〜合唱絡みで、久しぶりに広島世界平和記念聖堂(幟町教会)のパイプオルガン演奏会を聴きに行きました。〜
(2008.05.10 up)
●久々の幟町教会パイプオルガン演奏会。 狙いは、広島中央合唱団の演奏です。
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第404回 パイプオルガン定期演奏会 〜合唱とオルガン〜
日時:2008年4月6日(日) 16:00〜17:00
場所:広島世界平和記念聖堂
オルガン:山口 沙織
合唱:広島中央合唱団(指揮:寺沢 希、独唱:小玉 妙、今田 陽次)
プログラム::
1.合唱 ロシア正教聖歌集
2.オルガン独奏 前奏曲とフーガ ロ短調 (J.S.バッハ作曲)
3.合唱 Cibabit eos (W.バード作曲)、Qui mando cat carnem meam(グレゴリオ聖歌)
4.オルガン独奏 天上の宴 (メシアン作曲)
5.合唱 O magnum mysterium(W.バード作曲)、O magnum mysterium(M.ローリゼン作曲)、Ave Maria(M.ローリゼン作曲)
6.オルガン独奏 英雄的小品 (セザール・フランク作曲)
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●早めに着いてみたら、聖堂の前の広場は枝垂れ桜が満開。 しばし、ベンチに一人腰掛けて花見をしました。
・広島中央合唱団合唱団は後の2階聖歌隊席での演奏。 1階客席で近づき過ぎると真下になって合唱の直接音が聴こえなくなるので、少し離れた席に陣取って後ろ向きに聴きました。
●合唱の最初は、「ロシア正教聖歌」3曲。 何とかスキー、何とかニノフといった、ロシアらしい作曲者名が並んでいます。
・どれも始めて聴く曲ですが、中央合唱団の演奏は、聖堂の響きともよくマッチした重厚な響きで、ロシアの合唱曲らしい雰囲気が良く表現されていました。 もう少しベースの低音が鳴ると言うこと無し。 小玉さんと今田さんのソロは、共に安定感と主張のある演奏でした。
●オルガン演奏を挿んだ次の合唱は、バードの”Cibabit eos”とグレゴリオ聖歌。
・”Cibabit eos”は今年の朝日合唱コンクールの課題曲(G1)です。 今回の演奏は、コンクールの楽譜と違って反復がありました。 ポリフォニーの比較的綺麗なハーモニーが続く曲ですが、内声パートの8分音符や付点の付いた細かいパッセージがつぶれてよく聞えませんでした。 聖堂が響きすぎるせいでしょうか。 グレゴリオ聖歌はそれらしく聴こえて良かったです。
●さらにオルガン演奏を挿んだ後の合唱は、新旧の”O magnum mysterium”と”Ave Maria”。
・特にローリゼンの曲は半音でぶつかる和音が多用してありそこが聴き所でしたが、どうもスッキリとした響きに聞こえませんでした。 曲の持つ和音と、合唱団の人数とパート内のピッチ、会場の残響の強さ、・・・、これらのバランスを取るのが難しいのでしょうか。 なお、この日の合唱は全て無伴奏でした。
●最後にもう一度オルガン独奏で終了。 オルガンについては良くわかりませんが、上手でした。 最後の方でミスタッチが有ったかもしれませんが、総じてキチッとした正確な演奏だったと思います。 でも、何かもう少し余裕というか温かみのある鷹揚な演奏でも良いのではないかという気がしました。
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●翌月も引き続いてパイプオルガン演奏会を聴きに行きました。 今回の狙いはノートルダム清心高等学校 合唱部の演奏。
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第405回 パイプオルガン定期演奏会 〜合唱とフランス・オルガン音楽〜
日時:2008年5月4日(日) 16:00〜17:00
場所:広島世界平和記念聖堂
オルガン:藤井 佑果
合唱:ノートルダム清心高等学校 合唱部(指揮:門野 光伸)
プログラム:
1.オルガン独奏 幻想曲 ハ長調Op.16 (セザール・フランク作曲)
2.合唱 Ave verum corpus、Ave Maria、Salve Regina、他全8曲
3.オルガン独奏 中世組曲 (J.ラングレ作曲)
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●5月連休真っ最中の5月4日です。 聴く方も大変ですが(何が大変?)、この日に駆り出された清心高校の合唱部員もかわいそうです。 そのためか、出演している合唱者は11人位しかいませんでした。 席は前回と同じく後方の聖歌隊席での演奏でした。 今回は、曲によってパイプオルガンとの共演がありました。
●合唱は、モーツァルトとフォーレの"Ave verum corpus"でスタート。 共にオルガン伴奏付きでしたが、聴きながら、モーツァルトもフォーレも難しい曲であることを改めて実感しました。 清心の合唱部をしても、モーツァルトは後半のハーモニーがしっくり来ないし、フォーレは特有の調性の移り変わりになかなか乗れませんでしたね。
・以降は、同じテキストを使った、グレオリオ聖歌と近代・現代作品との対比でした。 指揮の門野先生が各曲の間に丁寧な解説を入れられ、興味を持って演奏を聴くことができました。
・合唱団も後半になるほど調子が出てきたみたいです。 ソプラノの伸びが良かったと思います。 低音系も安定していました。 11人と少人数のため、演奏を聴く前はこの人数で大丈夫かなと内心心配しましたが、聖堂の響きに乗って十分豊かな演奏が繰り広げられました。 3月に行なわれた、広島県合唱連名のアンサンブルコンテストに出場したメンバーが中心になっていたそうで、その時と同じ曲(ボイェセン作曲”Gloria”?)も演奏していました。 残響に埋もれない、キレと伸びのあるスッキリとした演奏で上手かったです。
・前月の広島中央合唱団の演奏や、私も毎年参加しているクリスマスミサでの市民聖歌隊の演奏を考えてみると、あの聖歌隊席で大人数での合唱はどうなんでしょうか? クリスマスミサの聖歌隊の演奏、自分では聴いたことないのですが、実はゴチャゴチャで下からは何を歌っているのか判らないのではないかと心配になりました。
●前後のオルガン独奏、良くわかりませんが、お上手でした。 しかし、最後部分を盛り上げるためでしょうが、重低音部は周囲の造作がビビって雑音を発するほどの これでもかというほどのフォルテシモの連続でした。
・あそこまで強迫的にしなくても、理性の範囲で強弱を付ければ観客の方がそれなりに音楽を感じてくれる。 先月の中央合唱団のベースの低音のように想像力をかき立ててくれれば十分だと思いました。
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(!斬捨て御免!、!問答無用!)