leaflet 連載 第103回

『広島観音高等学校音楽部OB合唱団 「第6回祈念コンサート」 ”守るべき事と変えるべき事”』


・今年も8月5日に”碑”を歌いました。
(2007.8.12 up)

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  広島県立広島観音高等学校音楽部OB合唱団 「第6回祈念コンサート」   
  2007年8月5日(日) 16時開演 広島県民文化センター ホール   
   ●広島二中校歌、広島観音高等学校校歌、サリマライズ   
   ●第1ステージ:混声合唱のための唱歌メドレー「ふるさとの四季」(編曲:源田俊一郎)   
   ●第2ステージ:   
   ・Ave Verum Corps (W.バード)、・Ave Maria (J.S.バッハ)、・Swing Low,Sweet Chariot (黒人霊歌)、・Nobody knows duh trouble I see (黒人霊歌)、・組曲「碑のねがい」(詩:半田亨雄 曲:蒔田尚昊)より(4.こもりうた、1.きみがみた夢)、・そのひとがうたうとき(詩:谷川俊太郎、曲:木下牧子)、・Jupiter(詩:吉本由美、曲:G.Holst)   
   ●第3ステージ:混声合唱のためのレクイエム「碑」 (詩:薄田純一郎 曲:森脇憲三 )   
   1.序章 2.点呼 3.爆発 4.川の中で 5.時間割 6.まさちゃん お母さんよ 7.船の中で 8.全滅 9.終章
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  ◆メインステージで歌い続けている”レクイエム「碑(いしぶみ)」”は、母校広島観音高等学校の前身である旧制広島二中の1年生300余名が奉仕活動中に爆心地に近い本川沿いで被爆した事実を題材とした鎮魂歌です。   
  ・広島原爆の日の前日、日曜日午後4時からの演奏会でしたが、遺族の方を初め多くの方に聴きに来ていただき、会場の広島県民文化センターホールも満員になりました。   
  ・今年で6回目の演奏会になりますが、ここに集うメンバーはこの「碑」を歌いたいという一心で参加しています。  東京など遠方から毎年わざわざ歌いに来るメンバーが何人もいます。   
  ・指揮をしてくださる益田遙先生は体調が思わしくない中 熱心に指導して下さっており、我々もその気持ちに応えるべく集中してきました。   
  ◆私は第2回目からの参加で、他のメンバーより1年遅れて参加し始めたこともあり、最初の年は音をとるのが精一杯で曲に感動する余裕も無いまま歌い終わったような記憶があります。   
  ・その後、回を重ねるにつれて演奏を味わう余裕が出てきましたが、そうなると逆に歌っている途中で胸がいっぱいになってきて上手く歌えなくなります。   
  ・今回は仕方なく、”ヤバイ”と思ったら途中で早めに歌うのを止めて気持ちが落ち着いたらまた歌い続ける、という事を繰り返しました。   
  ・年末のレコード大賞の授賞式じゃあるまいし(ちょっと意味が違いますが)、涙を流してしゃくりながら歌うわけにも行きません。   
  ◆ところで、お客様の反応はどうだったでしょうか。   
  ・遺族の方からは感謝の言葉を頂き、若い方からも心のこもった演奏で感動したといったコメントを頂いたようですが、中には“上手でスマートな演奏だったが、以前のような感動が薄れてきているような気がする。”といった趣旨のコメントも有ったようです。    
  ・歌い手側がマンネリ化している? 聴き手側の要求が高くなっている?   
  ◆先にも述べたように、決して歌う側の意識が低下しているとは思いませんが、回を重ねている割には技術の面で演奏が停滞しているかもしれません。  私のように最近の方が下手になっている人間もいますし、依然として同じ間違いを繰り返している箇所もいくつかあります。   
  ・更に言えば、最近は歌い手側が感情のおもむくままに歌い自己満足の世界に陥っていということでしょうか。  だとすれば、自分の演奏に溺れることなく、演じる側としてもっと冷静に完成度の高い音楽を目指すことが必要かもしれません。     
  ◆一方で、プロならば自らの感情を押し殺して冷静に指揮者の指示に従って音楽を構築しなければならないかもしれませんが、我々はアマチュアですから、まず自らが演奏を通じて感動し、その感動が聴いてくださるお客様に自然に伝わるというのが本当の姿のような気もします。
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  ◆いずれにしても、この観音高校音楽部OB合唱団、少しフォルテで歌いすぎです。  しかも、音楽を聴かせるというよりも、まだまだ声を聞かせることにエネルギーを使っているように思います。  もっと”pp”(弱音)を有効に使えば更に陰影のある印象深い演奏が出来るはずです、・・・ねえ、皆さん。   
  ・広島に生まれ育った人間として、母校の先輩の対する鎮魂歌を歌い続け、その記憶を後世に残してゆく事の重要性を感じています。   
  ・次回、請うご期待。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手