お菓子の家

 

菓子ばっか食うな、と喚く片割れを呆れつつ眺める。

彼は懲りる事が無い。

ピーターとリーマスは、首をすくめながら怒れる友人の姿を眺める。

自分たちを心配する友人に少しの困惑と感謝を持ちつつ、彼らの御菓子好きだって変わる事は無い。

 

 

 

まあ、明らかに度を越してるのはリーマスだけど。

リーマスがお菓子を好きなのは、お菓子に肉が入っていないから、だ。

リーマスの食が細くなりがちなのは、自分の中にいる獣への抵抗だ。

食べることは、動物が生きようとすれば避け様の無い行為だ。

それすら彼は許さない。

彼にとって、自分の生きる力をそぐことは、獣の生命を削ることと同義だ。

ありとあらゆる手段で彼は獣に抵抗する。

 

強い感情は獣の力を強くするから、リーマスは感情を押さえる。

彼は、自分を許さない世界の全てを許すのに、自分の中の獣を許さない。

たとえ彼の親友たちが獣を許しても、彼だけは許さない。

 

 

 

そうして世界中の最後の一人が彼を許すまで、彼は獣を許さない。

 

 

 

 

つぶやき
子狼観察日記(動物園の日誌みたいだ…)



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