現代文明はどこへ行くのか

1 現代文明の急速な発展

地球外知的生命体(宇宙人)の存在の可能性を考える 

.SATURN(土星)
Sixth Planet From the Sun
Mean distance from the Sun: 1,427 million kilometers
Mean orbital velocity: 9.64 kilometers per second
Length of saturnian year: 29.45 Earth-years
Length of saturnian day: 0.43 Earth-day
Diameter: 120,000 kilometers
Mass: 95 Earth-masses
Number of known satellites: 18

(2008年)

木下眞二

初めのページに戻る

 

 前のページで述べたように、古代人類では、学習行動、知的行動によって得られた成果をa, 次の世代に伝達される率をdとすると、n世代後に、これらの総合された文化Cは、次のように表わすことができる。

C = Σadn = a1d1n1 + a2d2n2 + a3d3n3 + - - - -

 その後、人類は、言葉と文字(による伝達率)の獲得によって、知的文明体としてのヒトの文明が、伝承されて行くことになる。

C = ΣADn

.

産業革命後の現代文明

 ルネサンス時代の、活版印刷術、羅針盤、火薬の発明に始まって、18世紀以後の産業革命による工場制機械工業に続く発展は、文明の大きさを飛躍的に大きくして行く。

印刷技術の進歩は、ほとんど、D=1とすることになる。また、の大きさも数も、飛躍的に大きくなって、蓄積されて行く。

 従って、は,次のように表わすことができる。

C = ΣA = A1 + A2 + A3 + - - - -

.

現代文明における科学の飛躍的発展

 現代文明の発展は、とくに、19紀以後の科学の飛躍的発展に起因しているものと考える。

 農学、工学、医学の発展が、今日の現代文明を創って来ている。
.

農学の発展

 品種改良、農地改良、農耕器具導入などの科学的技術によって、さらに、オーストラリアなどの大規模農業の結果、農業が飛躍的に改良された。

それ以前の時代では、天候変動による飢饉が、しばしば起こり、時には、何百万人という人が餓死したこともあった。

私の母校、北海道大学でも、1876(明治9)年、"Boys Be Ambitious!"のクラーク博士が アメリカからやって来て、札幌農学校が創られ、北海道だけでなく、日本の科学的農業改革が始まっている。
.

工学の発展

 工場制機械工業の導入に始まった産業革命てよって、現代文明は飛躍的に発展して行く。繊維・紡績機の改良による大量生産。製鉄技術の改良、製鉄業、木炭の使用から、石炭から作られたコークスの使用、その後、鉄鋼も作られるようになる。工業機械や鉄道のために、さらに、鉄が必要になって行く。移動手段の発達による交通革命:蒸気船、蒸気機関車、鉄道網が整備される。

大量殺傷兵器の開発

 一方、産業革命による工場制機械工業は、大量生産により物価が下がり,労働者階級ができ、都市化が促進され、社会主義が起こる。

 また、産業革命により極度に発展した資本主義は、独占資本を生み出した。「市場」の拡大のため、植民地の重要性が増して行く。こうして、帝國主義が生まれ,世界分割をめぐる二度の世界大戦を引き起こす原因となった。

 これに伴なって、ロケット弾、戦闘機、軍艦などの兵器が、急速に進歩して来る。この結果、世界各地で、何百万もの人が死亡した。さらに、大量虐殺兵器の核兵器が開発されることになったのである。

広島と長崎に原子爆弾が落とされ、多くの人が犠牲になって、第二次大戦が終わる。しかし、その後は、核兵器の存在が、大戦の再発を抑制しているように思われる。

石油の大量使用

 このような飛躍的に発展して行く工業の動力源として、石炭に変わって、石油の大量消費の時代がやって来た。電力、自動車、航空機、暖房など、現代生活を支えている手段の多くのものが,石油に依存していることになっている。

.

医学の発展

 20世紀から今世紀にかけて、医学も急速に発展しつつある。X線写真(発明者:レントゲン:第1回の1901年ノーベル物理学賞受賞)や、心電図(アイントホーフェン:1924年ノーベル医学賞)などの、診断技術の進歩に始まって、治療法の急速な進歩が起きている。

 とくに、第二次世界大戦後は、ペニシリンを初めとして、ストレプトマイシンなどの抗生物質が開発された。

 19世紀頃までは、何年かに1回、世界中で大流行して、何百万人もの人が死亡した、ペストなどの疫病が、これらによって克服されることになった。また、戦前の日本では、毎年10万人以上もの死亡者を生じた、最大の死亡原因である肺結核が、ほとんど無くなるほどに、克服されたのである。

 その後、診断、治療とも、多くの医学的進歩があり、さらに、最近では、胚性幹細胞、ES細胞により、総ての臓器を再生する可能性が生じてきている。

.

情報技術(IT)の発展

 以上の農学、工学、医学の発展から、さらに、20世紀末から、コンピュータを用いての情報技術(IT)が飛躍的に発展を続けている。ITは、農学、工学、医学の各分野の発展に関与してきている。

 しかし,それだけではなく、IT自体が21世紀の文明発展の主役になり、人工知能を持ったロボットの出現などが、今後の現代文明に、大きな役割を果たして行くと思われる。

 このことについては、また、次の章でも、取り上げてみたい。

.

 ここまで述べてきたように、現代文明における農学、工学、医学の発展は、第2次大戦以後、さらに発展を続け、現在に至っている。

 この結果、19世紀以前の時代の人類に、繰り返し発生していた、飢饉による多数の死亡、疫病による多数の死亡、局地戦争による多数の死亡は、第2次大戦以後の現在は、ほとんど克服されて来ており、世界の人類は、19世紀以前に比べて、著しく、幸福な状態になっていると考えられる。

現代文明はどこへ行くのか

 しかしである。現時点までは、科学の発展による、現代文明が人類の状態を、向上して来たように思われるが、この現代文明の発展は、今後、人類を、多くの点で、逆に、危機的状態に追いやる可能性が大きくなってきているのである。

 このままでは、この危機的状態は、今世紀末には、回復不能の状態に陥る可能性が少なくないと考える。

 次のページで、これらの可能性について考えてみたい。

次のページ:「文明は発展から抑制へ 量から質へ」へ

.

 

.もどる  メール通信