究極の立体映写か(1)

沖縄の海岸から札幌の藻岩山へ

(2008年11月記載)

木下眞二

沖縄の海岸にて

 冬休み、沖縄恩納村(おんなそん)の海岸にあるホテルのテラスのレストランで、三つ星のオリオンビールを飲む。

スキューバダイビングを終わって舟から上がってきた、友人のAさんと、その後に、Bさんが、前方に見える海岸の砂浜の右から左に向かって歩いて来る。

私の前方まで来て立ち止まり、左右に並んで、こちらを見ている。

しかし、私の直ぐ前方の大きな街路樹の向こう側に、Aさんは隠れてしまって見にくい。

私が、その街路樹に近づくと、ますます樹が大きく見えて、Aさんがまったく見えなくなってしまう。

そこで、私が少し左側に移動すると、Aさんが見えてくる。
今度は、Aさんの右側に居るBさんが隠れてしまう。

もう少し、私が左側に移動すると、AさんもBさんも見えて、こちらに手を振っている。

それに応えて、私も手を振る。

そして、大声で、いろんなことを話しかけてみる。

しかしである。不思議なことに、私の話したことに、きちんと応えてくれないのである。私たち3人にとって、良く知っている話題なのに。
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夕方になって街灯が灯って

 夕方になって、真っ赤な太陽が西の水平線に沈み、テラスの向こうにある街路樹の横の街灯が明るく灯る。

その街灯のこちら側を通るCさんの影がこちら側に長く見える。
Cさんの移動とともに、影も移動する。
私も動くと、私の後ろの影も、街灯と私を結んだ延長上に移動して行く。

私は、Cさんに、手を振って、いろいろ話しかける。

先程のAさん、Bさんの場合と違って、きちんと会話が成立している。

Cさんも行ってしまって、独り、椅子に座ってビールを飲んでいるうちに、うとうと眠ってしまう。
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札幌の藻岩山にて

 しばらく眠ったと思われる頃、急に寒気がして来て目が覚める。

すると、周りは一面の白雪による銀世界。

遠くに見えるのは、私の故郷、札幌の冬景色。

ここは、札幌藻岩山頂上にあるレストランのテラス。

下の方のゲレンデでは、友人のDさんやEさんがスキーを楽しんでいるのが見える。

屋内の暖かいレストランに戻って、一つ星のサッポロビールを飲みなおす。
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夢ではないが現実でもない

 これらのことは夢ではない。

沖縄の海岸も、札幌藻岩山の風景も、夢ではない。

しかし、現実のことでもない。

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続く


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