正方形の横の長さは 縦より短く見える
両眼融像によって説明可能か
前回より続く
(2008年1月記載)
前回のページで、正方形の縦(垂直方向)が.横(水平方向)より、長く感じるのは、人間の2つの眼が、水平方向に並んでいるためかもしれないと述べました。 そのことを、具体的に、図を示して考察して見たいと思います。 融像と立体視 人間は2つの目を持っていますが、この2つの目はあたかも1つの目のように働いています(同時視)。 両眼視には融像と立体視があります。融像とは右目と左目それぞれの網膜に映った像を1つにまとめることで、立体視とは、ものを立体的に見る感覚で、これは右目と左目が離れていてそれぞれの目の網膜に映った像の位置が異なるためにおこります。 正方形の両眼視 縦が垂直で横が水平である正方形を、両方の目で見た場合について考えてみます。両方の目を結んだ線は、水平方向にあるものとします。両方の目の間隔の長さを、a とします。 この状態で、正方形を両眼視した時、縦方向と横方向とで、融像と立体視の関係が異なってくるものと考えられます。縦の長さは、立体視によって、実際と同じ長さに感じられるが、横の長さは、融像の影響で、それより、かなり短く感じられるように思われます。 このような両眼視の一つの例として、正方形の1辺の長さも aで、底辺の中心が両目の中央の、真っ直ぐ前にあり、その距離も a である場合について考えてみます。ここで、正方形の横と縦について、両方の目からの視角を、調べてみます。 次の図に示すように、左目の中心と底辺の両端を結ぶ線の角、つまり、視角は45度となります。右目からの視角も、同様に45度となります。
この状態で、両眼視による、視角45度の融像として見ると、次の図に示すように、底辺の長さは、実際の長さ a より、かなり短かく、長さ b の線分に見えるはずです。ただし、立体視によって、底辺と両目の中心とは、実際の距離(a)と同じに離れているように見えます。
一方、縦の方の長さは、このような融像の影響はなく、立体視によって、実際の長さ a として知覚されるものと考えられます。 この図の場合で、b の長さを計算してみると、0.8285aとなります。b:a は、およそ、5:6となり、横の長さが、融像現象のために、縦より、かなり短く感じられるものと考えられます。 正方形の一辺の長さが違う場合でも、両目を結ぶ線と正方形の距離が違う場合でも、正方形が左右または上下に移動した場合でも、正方形の縦が垂直方向にあり、横が水平方向にある限りにおいて、このような、融像と立体視の効果は同様に起こり、横の長さが、縦の長さより、かなり短く感じられるものと思われます。 以上、正方形の横の長さが、縦の長さより短く見える理由を、両眼視による融像現象によって説明してみました。
付記 正方形ではないが、「木下眞二のホームページ」に、載せてある、次の2つの写真を、参考に示します。
上の方の写真(赤い靴 親子の像)の縦の長さと、下の方の写真(夕暮れの搭と寺院)の横の長さは、どちらが長く見えるでしょうか。
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