(単数の)魚の絵は、日本の本では、ほとんど頭が左に向いている。
これに対して、欧米の本では、右に向いているものが多い。
どうしてなのか。 以下に述べた、私の推論に対して、多くの方々から、ご意見と古今東西の資料を寄せられた。未だ資料が整理できない状態である。
ここには、このテーマの出発点となった、温泉に入った後の家族雑談などをメモしたものだけを述べてみます。
とくに、「右の文化と左の文化」(中国・日本おもしろ考)などの著書を出されている、武田科学振興財団理事長・内林政夫さん;
世界の切手の収集家である、北海道大学名誉教授の児玉譲次さん;
スウェーデン留学が長い福祉建築学教授の小川信子さん;
魚の権威・北海道大学名誉教授の羽田野六男さんからは、貴重なご意見と資料をいただいております。
ここで、ちょっと、クイズを出してみたいと思います。
古来の日本画では、単数の場合、魚だけでなく、人も馬も鳥も、ほとんど決まって左向きです。しかし、わずかですが、例外があります。
次の絵のうち、どれが例外の右向きでしょうか。そして、どうして右向きに描かなければならないのでしょうか。
(1) ひらめ かれい
(2) 弓を引く女性 木刀を構える男性
(3) 川を上る船頭 川を下る船頭
(答は、次の文の終りに上げておきました)






クイズの答
(1) かれい

上の絵は、このページ初めに載せた魚の絵が入っている、北海道大学名誉教授・羽田野六男さん監修の「お魚まるごと健康手帳」の本の表紙です。
たくさんの魚が描かれています。ほとんど全部、頭が左に向いています。
しかし、左の方に居る一匹(一尾?)だけが、例外的に右に向いています。
かれいです。


理由は、かれいを、他の魚といっしょに、頭を左向きに描くと、ひっくり返って、腹の方が前に出て、(両目とも)目が後ろに行ってしまうからです。
ひらめの絵も、目が左右対称でありませんが、上に示すように、左向きに描くことができます。
(2) 弓を引く女性

この絵は、大津市在住の日本画家・加藤孝和さんの作品です。
京都三十三間堂で弓を射る女性の絵です。右手で弓を引いているので、左向きに描くと、顔が見えなくなってしまいます。かれいの場合と同様です。
なお、日本古来の武道である弓道では、「左利き」は認めらていません。加藤孝和さんは、また、心電図学者でもあり、私の研究分野での同僚でもあります。
(3) 川を上る船頭
本文で述べたように、日本画では、川も右上から左下に向かって流れます。
その川を上って行く船は、右上の方向に向かって行くことになります。
したがって、その船を漕ぐ船頭の顔も右に向くことになります。
川を下る船では、その反対方向で、通常の日本画と同様に、左に顔が向くことになります。
このように、日本の図柄では、右上から左下に向かって流れるのが普通です。
斜め縞模様ネクタイの図柄も、日本人の締めるものは、ほとんど全部、右上から左下に流れるのものでした。
ところが、最近、「変人」の小泉さんが総理になって、(相手から見て)左上から右下に流れる「逆縞」模様のネクタイをするようになってから、この「逆縞」ネクタイが多くなってきているようです。
日本の文化が国際化するにつれ、日本人の「左向き文化」も欧米化してきて、「右向き化」してきているように感じます。
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