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こちらは、リンダ・ハワード著 「Mr.パーフェクト」 ネタバレOKのページです。



この作品を読んで、私が一番好きだったのはいかにもアメリカっぽい
サムとジェインの描写でした。
特に警官であるサムの存在は、まさにアメリカ映画そのもの。
いつも忙しくて、主食はコーヒーにドーナツ。 暑がりなのに、スタミナ抜群で
その上、冷蔵庫の前でヌードを披露するサービスの良さ(笑)。


対するジェインも全然負けてなくて、おそれを知らないじゃじゃ馬なのが
実に痛快です。 
本来はジェニーンという名前になるはずだったと聞いて、サムが
「ジェインがいい。 そのほうが合ってる。 きみはジェニーンじゃない」という
セリフが出てきますが、
ホントにこのヒロインにはジェインという名前がピッタリ。


それに、加藤洋子さんの海外のハードボイルド小説みたいなそっけないほど
シンプルなセリフ回しが、この作品にはよく合ってたんじゃないかな。
ジェインの独白なんて、そこだけ読んだら男性のセリフみたいなところが
随所にありますよね。 



前半はサムとジェインのやりとりの面白さが魅力ですが、
個人的なお気に入りは、あまりのジェインの口の悪さに、サムが天井をあおぎ、
「こんな女が恋しかったのか?」って天井の漆喰相手に愚痴る場面と
ジェインの姉シェリーが来て、ジェインに巨大キュウリパック(?)をしてやる場面。


サムが最初キュウリの意味がわからず、まぶたに乗せると聞いて
「転がり落ちる」 って返す、子供みたいな反応も可笑しいんですけど、
「スライスを載せるの」 に、そりゃ見ものだ、の表情に変わる・・・
というくだりは、あきれている姉妹と目を輝かせてるサムが
ありありと浮かぶようで、もう大好きでした♪




さて後半、立て続けに起こる事件のさなかにたどりついたラブシーン。
驚いたのは、家の中で壁を背にして立ったまま・・・というシチュエーションですよ。
寝室まで待ちきれないという流れはわかるけど、
戸外じゃないんだし、せめてソファとかテーブルとか、もう少し水平なところが
あったんじゃないでしょうか(笑)。




えー殺人事件に関しては、残酷なシーンも多かったし
私はリンダにサスペンスとか謎解きの面白さはあまり求めないので、
結構そのへんは、さらっと読んでおりました。
そのせいか犯人の予想を全然してなかったので、ラストには
ほーなるほど、そういう伏線だったのね〜と素直に感心☆


でも一応ラブロマンスなんだし、ジェインの大切な友人をこんなに
殺したり、ひどい目にあわせなくても、良かったんじゃないかなあ☆
ジェインとサムのストーリーの先の生活を考えると、つい思ってしまいます。




色々とハードな事件の結末でしたが、最後に登場した父親と
ジェインの関わりは、ナイスだったのではないでしょうか。
彼女の不屈の精神とユーモアが誰ゆずりなのか、サムが思い知るという
ラストシーンは爽やかで良かったです。


父と娘の明るいブルーの目はきっと、永遠の夏空みたいなんでしょうね。







さてさて次回は、ようやく行方不明だった本も見つかったことだし、
再販されて、また人気が出たと聞く 「ダンカンの花嫁」 を
ピックアップする予定です。


こちらのヒーローの石頭もかなりのものですが、
とにかく魅力的なヒロインの手綱さばきが見事な作品でございます♪





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