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こちらはリンダ・ハワード 「石の都に眠れ」 ネタバレOKのお部屋です。



この作品の最大の魅力は、表にも書いたようにやっぱり、ベンの愛すべき
キャラクターでしょうか。ベンがヒーローらしからぬ3枚目的な立場になるところが、
珍しくも面白いところだと思います。


だってジリアンが水浴びする姿を、見たくて見たくてジタバタする場面などは、
まるでティーンエイジャーですよ。
タオルで身体を隠しながら服を着替えるのを、目がチカチカするほど凝視して
「おれがこんなに見たがっているのに、どうしてこっちを向かないんだ」 と
怒っているヒーローなんて、これまでいたでしょうか(笑)


ジリアンが過去に、ハンモックの上で他の男に抱かれたことがあると早トチリ、
一人でジェラシーに熱くなるベンと、それをちゃんと知っているジリアン、
なんていう場面もありましたっけ☆


テントの中で半裸のジリアンの背中にマッサージをしながら、「妙なまねはしない」
という自分の言葉に縛られて、欲望と戦うのに気が狂いそうなのに、
あどけない様子で眠ってしまうジリアンは天使か悪魔か(笑)。
テントを出て行くときに、ジリアンに向かって
「二度とあんな馬鹿げた約束はしない、この男たらし!」とまくし立てるベンには
大笑いしてしまいました。


だけど、リンダの小説が素晴らしいのは、肌のあう女性なら一時的な関係で
良いと思っていたベンの心情が、ジリアンに出会って少しずつ変わっていく過程が
きちんと描かれているところ。
自分がジリアンを求める気持ちには 「どこか痛切なところがあり」 彼女を
得られないことは、人生に翳をもたらす喪失感になるのではという、
生まれて初めての「不吉な予感」にふるえるベン。


その気持ちがジリアンに対する呼び名も 「かわいこちゃん」 から 
「大切なジリィ」 に変わっていく流れとしっくりとあっていて、やっぱり
リンダはうまいな〜と感心してしまいます。


ジリアンの方も、信頼と愛情を積もらせていくのですが、
髪の先からつま先まで、情熱を傾ける存在に惹きつけられ、求めていることを
全然隠そうとしないベンに抗える女性なんて、いないよね〜。



そしてついに、二人が結ばれるのは石の都からの帰途。
遺跡を発見した途端にケイツとドゥトラが本性を現して、
ベンとジリアンを殺そうと企てます。
兄リックも目の前で殺され、悪夢のような逃避行。

電気もつけられない真っ暗闇のテントの中で、二人が
夜明けが来るのも忘れるほど濃密な一夜を過ごす様子が、
切迫した二人の心情と、純粋な官能の世界に読者を浸らせてくれます。

だけど、ジャングルのスコールの中で、地面に立ったまま
ジリアンを抱くベンのパワーには、ヤノマミ族でなくてもビックリですよね〜☆


さすがはリンダの描くヒーロー、恐るべき足腰(笑)ってところでしょうか。






  さて、次回はハーレクイン本からご紹介しましょう。
  比較的最近、再販されて手に入れやすくなりました。

  タイトルがあまり良くないけど(笑)中身はなかなか素敵ですよ。
  ジリアン同様、ヒロインの魅力たっぷりなのが嬉しいところ。


      「ダンカンの花嫁」 をピックアップさせて頂きます♪




  ・・・・と書いてから約3週間。
  
  肝心の「ダンカンの花嫁」の本が、どうしても見つかりません〜(泣)

  情けない理由でまことに申し訳ない☆予定変更ってことになりますが、
  次回はマッケンジーシリーズから先に


      「愛は命がけ」 をご紹介します (^^A) 






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