うふふ・・・。

あっ、こんな暗いところで、いったい何をしようっていうんですか?



いえね、ちょっとビックリさせようかと(笑)
スミマセン、すぐこういう遊びに走ってしまいます☆



さて、本題本題。


リンダハワード著 「二度殺せるなら」
ネタバレOKのお部屋です。


私にとってはリンダ作品のベスト3に入るこの
「二度殺せるなら」
一番の魅力はラブロマンスとして見た場合に、なぜ二人が
お互いに惹かれあうか、が丁寧に描かれていること。


マークは最初警察官の目で、殺人被害者の家族としてカレンを見るのですけど、
冷たそうな印象の裏にある、カレンの脆さ、感じやすさと愛情深さを察知する。
決して幸せでなかったであろう彼女の、深刻そうな茶色の大きな瞳に、笑みを見たい。
守ってやりたいという庇護欲が、マークの愛情の出発点になっています。


カレンは最初に仕事その他で疲れきった身体で聞いた、留守電から流れる
マークのものういバリトンに心惹かれます。
父の遺体を引き取りにいった警察署で会ったマークは、
ものごとに動じない鋭さと、煌きを含んだ瞳の刑事なんですね。


虚勢を張ることに慣れ、自分の精神力の強靭さを信じているカレンと、
その心の奥底にあるホントの姿を見抜いて、彼女を守ろうとするマーク。

父を埋葬する雨の墓地で、泣くのをこらえ震えながら立つカレンの後ろに
マークがそっと立ち、黙って雨風が直接あたらないように気遣う場面。
二人が初めて結ばれるニューオーリンズの夜の場面は
まるで映画を見るように、けだるいブルースや雨の匂いまでが迫ってくるようで。


ゆったりとものうい南部なまり(もちろん英語ですね)を話し
フレンチクレオールの優雅な物腰を身につけているマークは、
男らしい愛情に満ち、使命感の強いこれまたホントにいい男なんです☆


複雑な家庭で母を支え、母を捨てていった父を理解することなく
永久に失った悲しみ。そんな感情を表に出すこともできなかったカレンが
初めて感覚の海に溺れ、マークの腕の中でなにもかも忘れていく
熱くて長いベッドシーンは、単なるセックスではなく真に官能的なものとして
描かれています。時間の感覚もなくすほどの眩暈感が最高でしたね〜。


デクスターを殺した男、CIAのリック・マディーナも謀略の罠に落ちて殺され、
その息子ジョン・マディーナとカレンは最終的に同じ、父殺しの真の仇を
追い詰めていきます。
ラスト近くでマークが撃たれ、カレンが看護婦らしい気丈なところを見せて
ジョンを驚嘆させるくだりも好きです。


そして、この脇役として登場して、最後にオイシイところをさらっていく男こそ、
「青い瞳の狼」というリンダハワードの別作品で、これまたたまらない
魅力を発揮するジョン・マディーナ、大好きなヒーローなのです。


というわけで、
次回のピックアップは「青い瞳の狼」をご紹介させていただきます♪






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