・青木 朗さん


林和男さん同様、福岡公演では全く交代しなかった支配人コンビ。
ホントにお疲れ様でした。
アンドレさんとは反対に、青木フィルマンは最初はむすっとしてますが、舞台の後半は
コミカル演技で可愛らしさをアピールしてらっしゃいます。
過去のオペラ座の観劇記録をあちこちで拝見していると、「イル・ムート」の時、
フィルマンさんはオペラに興味がないので、うとうと寝てるという話が出てきますが、
何度拝見してもこの場面で青木フィルマンは寝てなかったような気がします。
それどころかボックス席から身をのりだすようにして、我々観客の方を見て
いらっしゃったような☆


丸顔におひげのファニーフェイス。「プリマドンナ」の場面でカルロッタの表情をうかがったり、作り笑いするところなどが最高!子供みたいなヒマワリ笑顔がチャーミングでした。
「事故なんです〜ぐすん」のブリッ子ポーズ、マダムジリーがファントムの手紙を読む
場面、ビアンジのことでアンドレさんに「ほら、見ろよ」って感じでクスクス笑う青木
フィルマンの表情の豊かさに、暗い物語もかなり救われたのではないでしょうか。
何ヶ月も連続して舞台に立つと、好調不調の波が感じられるものだと思いますが、
青木さんはそういう意味では、コンスタントに心身の調子を整えて演じていらっしゃる
ような印象を受けました。


福岡「オペラ座の怪人」千秋楽の翌週には、「美女と野獣」のコッグスワース役で
登場、その後さらに3ヶ月連続登板されてちょっと驚きましたけど、ロングラン公演の
多い四季で、常にアベレージを高く保てるのも、プロとしての大切な資質なんですね。
それとイベントでのおちゃめぶり、ご本人のコミカルな「地」がよーく伝わりましたわ。







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役柄の見所&キャスト別感想 オペラ座の怪人編

ムッシュー・フィルマン

オペラ座の新しい支配人の一人。彼のフルネームは「リシャール・フィルマン」。
なかなか優雅な名前ですね。しかしオペラが好きで支配人になったのではなく、
儲かりそうだから引き受けた実業家らしい行動が随所に見られます。
過去には山本隆則さん、平林剛さん、青山明さん、佐川守正さん、村俊英さんといった
方々がこの役を演じていらっしゃるようです。プチソロも結構あるし、基本的に歌重視で
キャスティングされているのではないでしょうか。
しかし張りきって引き受けたものの、気苦労の絶えない支配人商売。
わがままなプリマ・ドンナをもちあげ、パトロンの子爵に気を使い、チケットの売れ行きに
気を揉み。そのうえ怪人騒動に巻き込まれ、あげくの果ては殺人事件ですからね〜。
考えてみれば、かなりお気の毒な立場なんですね☆
でも、舞台全体でいうと、支配人コンビはどちらかというとコミカル担当。 ときに明るく、
ときにはてんで方向違いに右往左往する(笑)俗人ぶりが見所ではないでしょうか。