オペラ座の怪人 リハーサル見学会

2006年6月16日(金)イベント記録

電通四季劇場「海」


(オペラ座の怪人 村 俊英    クリスティーヌ 西 珠美    ラウル子爵 佐野正幸)


     6月16日(金)、21日(水)、23日(金)、27日(火)の4回実施




東京公演では 「オペラ座の怪人 ミュージカルアカデミー」 と題したイベント企画が
6月から3ヶ月連続で始まりました。 
私が参加したのは、リハーサル見学会の初回です。 




霧雨の降る中、3時過ぎに会場に着いてみると並んでいたのは約30人。
あれ、意外に少ないな〜。 この日は最終的に、80人程度の参加だったようです。
4時少し前から受付開始。 入口でパスポート大のアカデミー手帳を頂きました。
で、一緒に 「体験コーナー参加希望用紙」 と書かれた細長い紙を渡されて、
参加希望者は氏名と見学会の席番を記入して、箱へ入れて下さいと言われたのですが、
ん〜これってどういう意味???


「何を体験するんですか?」 と聞くと、男性スタッフさんが 「秘密です(にっこり)」。
えーなんだかわからないのに応募するのはコワイわ〜ほらワタシ内気だしぃ。


・・と、白い目で見られそうなツッコミ待ちはさておき、万一ダンスに参加だったりしたら
本気で皆さんにご迷惑なので、応募は遠慮しよっかなあ。
(なにしろSMAPの木村拓哉さんがホスト役コントでやってたパラパラダンス、
ビデオに録って50回以上見たのに、同じように踊れなかったぶきっちょな私☆)


てわけで、きわめて合法的な理由により断念しましたが、実際には
歌や踊りの技能は求められず、誰でも応募できる内容でした。
(当たり前ですよねスミマセン。)




さて、4時過ぎになりました。 見学会開始です。


※見学時のメモを参考にしていますので、順序はだいたいあっていると思いますが、
  会話などはあくまで概要ということで、ご覧いただければと思います。



客席に案内されると、 「ドンファンの勝利」 冒頭シーンのリハーサル中。
私はサイド側に座ったのですが、数列前方に座ってるのは小林克人さんですね。
客席で皆さんの指導しているのは佐野正幸さん、深見正博さん、斉藤翔さん。
ピアノ1本での伴奏に、オケピでは林さんが指揮していらっしゃいました。


「殿さまは 今〜」 を全員で歌う場面について、深見さんからいくつか注意が。


・まず、この場面では 「どろーっとした感じ」 を出すこと。


・トレーを持つ人は揺らさないで、まっすぐ持ってくるように。

「揺らすと果物が落ちるのに、くっついて落ちないとリアリティないからね(笑)。」
ハイ、と返事をしながら顔を見合わせて笑っていたのはトレー担当の増田さんと、
あれは佐藤さんでしょうか?
増田さんが黒ブチで細ーいメガネをかけていらっしゃって、これがなかなか素敵でした。


・宿屋の亭主とカミさんは 「酒を飲めや飲めや」 と、あくどい商売をしてる雰囲気で。

深見さんの言葉で初めて知りました。
テーブルの下手側でお酒をついでいるのは、あの宿のおかみさんと亭主なんですね〜。
「レ・ミゼラブル」 のテナルディエ夫妻みたいな感じなのかな。
というか、あれが宿だというのも初耳でした。 ドンファンの家なんだと思ってたわ☆



中にゼッケンをつけた人が混じっているなあと思ったら、新人さんだったみたいです。
新人さんが歌い出しでフライングしてしまったので、佐野さんから
「今飛び出したのは誰?自覚ある?」 「ちゃんと指揮を見なきゃ」 と注意がありました。



次は 「ドンファンの勝利」 ピアノでのお稽古シーン。
昨年のリハ見学でもありましたけど、短い時間でイスやピアノをセッティングするのは
大変なんでしょうね〜。
レイエ役の深見さんも舞台に上がって参加されました。 
イスに座る半場さんは黄色いTシャツ。
お久しぶりの岩本さんは、濃いピンクのTシャツに黒のスパッツ姿でした。


そして、低ーい声が聞こえてやっとわかりました。 あれがマダム役の戸田さんですか☆
初めて見る戸田さんの素顔は、すらりと背が高い上に、ほっそりした綺麗なお嬢さん。
白のTシャツと下は黒のスパッツですが、あれはたぐりあげてるのかな。
スパッツの左右の長さが違ってるのがちょっと不思議。
クリス役の西さんの服装はクリーム色のTシャツに、よくダンサーさんが身につけている、
お稽古用の短い黒スカートに同じく黒のスパッツ。
髪を上の方でふたつに結んでいるのが、少女みたいなあどけなさです。



一回通してから、先ほど注意された新人さんが、ここでも集中チェック。
ピアノが鳴り出してみんなが駆け寄る場面、どうもピアンジの後方に立つ位置が
悪いようで、 「かぶっちゃってます」 とのこと。
顔にライトが当たるようにしつつ、前の人と重ならないように一瞬で把握して立つのは、
やっぱり訓練が必要なんでしょうね。



舞台上の深見さんから、佐野さんに 「どう?」 と尋ねたら、
カーラの 「・・いても、もちろん言えるわよ」 について、群衆のリアクションを
セリフ後だけじゃなくセリフ前から、もう少ししても良いと思う・・というようなことを 
おっしゃっていました。


ここ、私はよくわからない部分もあったのですけど、要するに
唐突な反応にならないように、ということではないでしょうか。



次の場面は、さらに遡って 「ハンニバル」。
カルロッタのソロが終わったあとから。
よく見ると、女性ダンサーさんはほとんどが短い巻スカートをしてらっしゃるんですね〜。


・・あれ?小林さん出番は・・? と思ったら、ちょうどご本人もハッと気がついた
様子で、あわてて客席から外を廻って、舞台袖に入って行かれました。
舞台に立つ小林さんは、グレーの長袖Tシャツに黒いジャージという服装だったかな。


1回終わったところで、宝石箱を持ってくる女性お二人、斉藤さんから
「位置がずれてるの、わかってる?」 と言われて 「え?」 と顔を見合わせる場面も。



それから、ムッシューレイエ 「違う違う」 の直後、ダンサーのリアクションが弱い。
見ているお客さんにとっては、あの 「違う違う」 で、やっと意味がわかる場面だから
と、佐野さんがおっしゃったのには大納得。


深見さんからもダンサーさん達の反応について、早くリハーサルを終わりたいのに
ピアンジさんのミスで中断するから 「いい加減にして!」 という気持ちがあるはず。
カーラ相手なら、そううんざりした顔はできないけれど、ピアンジならできる。
できる相手かできない相手か、人間関係の伏線も考えてリアクションしないと、
というお話がありました。


なるほど、プリマドンナへの遠慮と、彼女にくっついているピアンジさんへの気持ちは
微妙に違っているということなのですね。
それが、後半の 「ドンファンの勝利」 のピアノでのお稽古シーンでのガヤガヤぶりにも
結びついているというわけで。







ここで、いったん幕が閉まります。



あらためて深見さん、佐野さん、斉藤さんが客席に下りて来られました。


深見さんは黒ジャージの上下。 佐野さんは白のTシャツ姿。
このTシャツどこかで見たデザインだな〜と思ったら、W杯のスマイルマークですね。
斉藤さんは黒のノースリーブTシャツでした。


いつものようにリラックスムードの深見さんから、最初のご挨拶。
「こんにちは。・・(蚊の鳴くような返事がかえってきたので)・・おとなしいね(笑)。」


まず深見さんから、リハーサルの意味に続いて、それからカンパニー内での
役割分担と組織についてのお話がありました。
劇団四季では全国で公演をしてるので、公演ごとに公演委員長、ダンスキャプテン等
いくつも役割があるのですね。 
現在は佐野さんが公演委員長、斉藤さんがダンスキャプテンだそうです。


その他にも医務担当 (ロングラン中に体調が良くない時などに申し出ると、
お医者さんへ行く指示を与えたりするそうです) という係もあるとか。
ふーむ、高井さんも医務担当の方に相談したりしてるのかなあ?
ここで質問するわけにはいかないけど、どうしても先月の高井ファントム絶不調日の
ことが、頭をよぎってしまいます。



「何か聞きたいことがあります?」 って、深見さんが振って下さったのですが
「今日はこれから企画が・・」 と、佐野さんからきちんと段取り奉行(笑)。




新企画は、受付で応募した中から抽選して10名限定です。
3人が分担して、箱から紙を引きだしました。
佐野さん 「お名前を言ってもよろしいですか? 個人情報ですけど(笑)。」
結局、間違いないようにということで名前と席番で当選発表。
体験内容はマスカレードの階段に上がり、人形の間に立って至近距離から
俳優さんと同じ目線で見学する、というものでした。
ホントは10名じゃなくて、もっと乗せたいけど構造的にOKが出ないそうです。



幕があくと、お人形だけがセットされた大階段。  この情景も珍しいですね。
10名のお客様は、スリッパに履き替えてから階段に上がります。
近くの俳優さんと 「よろしくお願いします」 お互いにぺこり。 
うふふ、こういう場面ってなんだか微笑ましいな〜♪


「お人形さんにあまり触らないようにして下さいね(笑)。」 と深見さん。
「フリーの時間は、どうぞ交流してあげて下さい」
斉藤さんからは、俳優の皆さんに 「いつもより緊張すると思いますが、いつも通りに。」



「あー こりゃ素敵なパーティ♪」 から始まりましたマスカレード。
皆さん階段上で、にこやかに握手をしたり話をしたり。 ホントに立食パーティ状態(笑)
愛想のよい林さんや佐野さんも目立ちましたが、小林さんや岡さんがお客様の
女性の手にキスしてまわっていたのがツボでしたわ☆


ラストは全員が大階段に上がる直前で、音楽もストップ。
お客様はここで体験終了です。 




あっという間に時間がすぎて、もう4時45分。 


マスカレードについて、ちょっと俳優さんのチェックが入りました。
トライデントでしたっけ、水色の髪の扮装をするダンサーさんの立ち位置が、
舞台の端に近すぎるとか。
アンサンブルさんも少しずつ入れ替わるから、細かいチェックが大変そう。


それから声は聞こえなかったけど、深見さんが佐野さんに、クリスを大階段の方へ
導くタイミングをアドバイスしていたようです。
動作を見てただけですけど、せーので一緒に行くのではなくて、
ラウルが先に出て 「ほら、おいでよ!」 と連れて行くように、
と、そんなアドバイスだったみたい。 素顔の西さんの笑顔が印象的でした。




さて、本日のリハーサルはここまで。
客席の3人以外の俳優さんは全員退場して、少しだけ雑談タイムです。


深見さんが、階段に上がったスーツ姿の男性に感想をインタビュー。

「いかがでした?」 
「ハイ、ちょっと歌いたかったです(笑)」

あはは、楽しい方ですね。 この男性は観劇の後でまた仕事に戻ります、というお話も
していらっしゃいましたっけ。


他には、オペラ座の怪人は特にリピーターが多いという話になり。
今回の東京公演で一番観劇が多いお客様は、スタッフさんが調べたところでは、
116回だそうです。 深見さん 「よくお金が続くよね(笑)」



最後に
「これからも末永くオペラ座の怪人を応援して下さい。 本日はありがとうございました。」
というご挨拶で、リハーサル見学会は終了となりました。





いったん退場してからソワレまでの間、食事をご一緒した中のおひとりが、
体験コーナーに当選したラッキーなお嬢さん。 


「あの時、皆さんどんなお話をしてたんですか?」 とお尋ねしたら
「最初は 『おめでとうございます』 とか、(ニューイヤーパーティの)内容に添ったことを
言ってたけど、後半は 『舞台、何度も見に来てます』 とか、普通に俳優さんと
お話をしてる方もいらっしゃいました。」 と教えて下さいました。


ふむふむ。俳優の皆さんはいつもと勝手が違って緊張なさったでしょうけど、
お客様にとっては、一生の思い出になりそうな素敵な体験だったのですね♪




今日は新企画の初回だったせいか、質問コーナーはほとんどありませんでしたが、
その分たっぷりとリハーサルを見学することができて、個人的には大満足。
歌とダンスと演技、それぞれの分野で最高のものを見せるのは、ホントに
大変なことだと今回つくづく感じました。


登場人物が、舞台上で表面に出ている時間以外にどんな生活をしているのか。
たとえ群衆の一人であっても、連続した時間や感情を持っているということを
前提に演技を組み立てる。 
深見さんが 「順番が来たからセリフを言うのではダメ。それまでの感情を考えて。」
と、おっしゃっていたのは、そういうことなのかな?
もちろんこれはシロウト考えなのですけど、オペラ座だけじゃなく、今後色々な
舞台を観る時にも参考になりそうなヒントでした。




さて7月、8月とさらに続く、ミュージカルアカデミー。
次は、どんな新しい発見が待っているのでしょう。 
これぞイベントの醍醐味、わくわく気分で待ちたいと思います。



スタッフの皆さんと俳優の皆さん、
素敵なイベントをありがとうございました。








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