2004年5月10日(月)イベント記録

     博多座公演 「サウンド・オブ・ミュージック」


         今井清隆トークショー



                                    ホテルオークラ福岡

福岡の劇場、博多座で5月2日から始まった「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台に
あわせて開催された、今井清隆さんのトークショーに参加しました。
私は10日マチネを観劇後、ちょっと時間を潰してから博多座のお隣にある
ホテルオークラ福岡へ。


到着したのは開始40分前。エスカレーターで上がって、さて会場へと思ったら
ちょうど、数メートル先からこちらへ歩いてくる黒いスーツの男性が。
「あら・・」たまたま関係者の方に先導されて、控室に向かう今井さんと
バッタリ。すれ違う時に、ご一緒したお嬢さんも私も立ち止まって会釈をしたの
ですが、緊張してらしたのか、今井さんはちょっと固い表情のまま、目礼して
歩いて行かれました。


会場は披露宴にもよく使われている「平安の間」。10人がけの白い丸テーブルが
12台くらいあったと思います。
席は自由にどうぞということだったので、舞台でいえば上手側前方のテーブルに
座りました。トークショーの舞台にはイスがふたつ。
「サウンド」のポスターがスタンドで立てられておりました。


集まったお客様は120名前後というところでしょうか。女性がほとんどなのは
当然ですけど、さすが歌舞伎公演や人情芝居が多い博多座。
年配のご婦人も多いです。ワンドリンク付きイベントなので、紅茶とクッキー、それから今井さんへの質問用紙が配られました。

予定通り、5時ちょうどからイベントスタート。
司会の方のご挨拶のあと、トークショーで相手役になる、地元福岡では人気の
パーソナリティ、中島浩二さんが登場。
ミュージックフェアの司会、恵俊彰さんをもうちょっと賑やかにした感じかな。
ごく普通のお兄ちゃんって感じの気さくな方です。


このイベントは10日マチネ観劇から参加した方と、イベントに先に参加してから
11日マチネを観る方がいらっしゃるので、どのくらいの割合なのか、
まず中島さんが確認されました。ほとんどが10日マチネ組なんですね。



いよいよ今井さん登場。
黒の三つ揃えのスーツに淡いピンクのネクタイ。ネクタイの結び目にシルバーの
アクセサリーをしていらっしゃるのが、なかなかお洒落な感じ。
立派な体格におひげ。トラップ大佐そのままの印象ですね。


今井さん、中央の段に上がって来られて
「こんにちは。今日はこのようにたくさんの方に集まって頂いて
ありがとうございます」とご挨拶。
そしたら、中島さんが笑いながら
「勝手にしゃべりだしましたね(笑)」
そういえばそうだ、まだちゃんと紹介されてないのに〜☆
「私が誘導しますので」と言われて今井さん、「あ、そうでした」と最初から
あせあせムード。


「舞台から比べたら、こんなの(笑)ちょちょいのちょいでしょ?」と
中島さんに言われて
「舞台と違って明るくて、皆さんの顔がはっきり見えるので
 ・・・恥ずかしい!

「恥ずかしい」って、今井さん☆
シャイとは聞いていたけど、これほどとは思いませんでしたわ。
でも、なんかちょっとカワイイかも。




さて、ここからトークショーの開始です。
帰宅してからすぐメモを作ったのですけど、話もかなりあちこち飛びまくったので
順番は実際と違ってるかもしれません。ご了承下さいませ。


まずは、中島さんも一緒に観劇なさった10日の舞台の話から。

「子供の頃見せられた映画は、よくわからなかったけど、今日見て感動しました。
戦争も背景にあって深い話だったんですね。」
「そうですね」
「ドはドーナツのドは違いましたね」(舞台ではドはドラムのドと歌うのです)
「そうですか」

最初のうちは、こんな感じ。出演者がそこで「そうですか」はないんじゃないの、
っていうやりとりもちらほら。


で、中島さんが「舞台の上で、歌詞を間違えたりしたことありますか?」
と尋ねたら、今井さん
「え・・・!」と絶句して、次の瞬間、お顔が真っ赤に。
あんなにすばやく真っ赤になる方も珍しいかも。
あれじゃあ、ウソはつけないな。浮気とかしても奥さんにバレバレですね。


セリフならごまかせるけど、歌だと音楽が先に行って空白になってしまいますから
困りますね、とおっしゃったけど、具体的なミスの話にはなりませんでした。
真っ赤になった今井さんをみて、中島さんが
「マネージャーさんから、『今日はクールビューティでお願いします』って
言われてるんで・・・」と念を押したのが反対におっかしい。
でも今井さん、クールビューティ、今日はもう無理かもです☆



トラップ大佐がパーティで、マリアと踊ってお互いに恋心を自覚するという
場面の話になりました。


中島さんが舞台の感動を伝えようと、身を乗り出して
「あそこは客席もシーンとして、ああ恋におちる瞬間、ここ!ここ!(笑)
って感じでしたね〜」
今井さん、そういわれて恥ずかしそうに大笑い。中島さんに
「あなた、おもしろい方ですね」ですって。
そういう人だからトークショーの相手役じゃないの?と思ったら、案の定
「仕事ですから(笑)。今井さんの歌と同じですよ」ってニコニコ返されてました。


結婚式の場面でちゃんと小さな声で「誓います」って二人がおっしゃってるのに
感心したという話も。


「結婚式のシーン、あれは神父さん、いや牧師さんですか」
今井さん、真っ赤になって「知らないんです」
あわてて「知らなくても、トラップ大佐だからいいんですよね。あの神父さんが
口を動かしてるのもちゃんと、言葉をおっしゃってるんでしょう?」
「ちゃんと言ってます」
「ちなみにどういう言葉を?」
「・・忘れました」(笑)
「今井さん、誓いますって言ってるのに〜」
「いや、聞いてるだけだから・・」
また顔が赤くなる今井さん。

もう、中島さんもツッコミ放題。これって天然?(爆)



でも、ちゃんと歌のお話もなさいましたよ。

音楽祭の中で亡命の決意を心に秘めて「エーデルワイス」を歌うときの
心境について祖国オーストリアを捨てるのに万感の思いを込めている場面。
歌詞の中にも「誇り高く生きよう」とあるように、気持ちが入ります、
とのことでした。 なるほど。



話題が変わって、ミュージカルの世界に入るきっかけを尋ねられた今井さん。
「ラマンチャの男」という舞台を学生時代に見て、
「夢に向かって戦わないのは一番の狂気だ」というようなセリフに
(かなり長いセリフだったので、覚えてません。スミマセン)
感銘を受けて、その舞台を見た翌年東宝の劇団に入りました、と説明。

「それで、今日まで来ました」で話が終わったので、中島さんも思わず
「早いですねー」(笑)
あはは、その間、25年近く全部飛ばしちゃったもんね☆


ミュージカルの舞台を初めて踏んだのが実は「サウンド・オブ・ミュージック」
だったそうです。
何の役ですか?と聞かれて
「ナチ親衛隊。音楽祭のとき舞台を走って通りすぎたり、パーティの時に
子供達に向かい「グッバーイ」と一言だけ歌うお客の役」とのことでした。
その当時は安奈淳さんがマリア、児玉清さんがトラップ大佐だったそうです。
今井さんはその頃、児玉さんの付き人もやってらしたとか。

「いつかはトラップ大佐をやりたいな、と思っていましたか?」
「当時23歳くらいでしたけど、その前にロルフをやりたいなと・・」
もう、場内大爆笑ですよ。
だって、ロルフはトラップ家の16歳の長女と淡い恋におちる、小柄な17歳の
電報配達少年なんですもの。いくら20歳代とはいえ、ありえなーい☆

想像して、思わず笑い出した私とご一緒したお嬢さんを
今井さんが小さく指差して「そこ、笑いすぎ。」ですって☆

で、結局ロルフはやってないそうです。
「キャラクター違うみたいで」と今井さんも頭をかきつつおっしゃってました(笑)


さて、大地マリアとのキスシーンの話。
こういう話は苦手そう。


「マリアを口説くところのセリフが凄いですね」
「そうでしたっけ」

今井さん、逃げられませんよ〜。

「言ってて恥ずかしいんです。『欲しいものは何でもあげよう。
どこでも連れて行こう』なんて、私生活で言ったらグーで殴られますよ(笑)」

いえいえ、嬉しいファンが山ほど♪


キスをする前のトラップ大佐のセリフ「大人になればキスさえも変わる」
について。


「稽古場でスタッフさんが見てる中で、(と言いつつ、さめた目線の
スタッフさんのマネ・笑)あのセリフを言ってキスするのがすごく恥ずかしいん
ですよ」
「なるほど。で、キスはどうなんですか」
「えっっ!」と赤くなるなる。
ホントにキスしてるのかと尋ねたかったみたいですけど、真っ赤になって答えず。
舞台を見る限りでは、完全に背を向けるアングルですし、マネだけみたいです。


あの程度で恥ずかしがるなんて、
われらが四季の佐野さんの熱烈キスを見習ってほしいわ〜(笑)


それから、舞台での失敗談の話題に。
「ここだけの話、こんな失敗をしたことがあるというのはありますか?」


「結構いつもしてますけど(おいおい☆)昔、僕がいた劇団で・・」
「フォーシーズンですね?」(笑)


ってわけで今井ガストンがベルを突き飛ばしたら、手がカツラに当たって、
女優さんのカツラが取れてしまった。モリースの日下さんがあわてて
かぶせたら、それが前後逆だったので、お下げのリボンが顔の前に
下がって、思わずフキ出してしまったという話をしてくださいました。

「お客さんはどうしたんですか」
「あちゃーって感じだったんじゃ」(笑)


さて、主演の大地さんについて。

「素晴らしいです。綺麗ですし、役者として全力で演技してるから、こちらも
中途半端なことをやれない。引き込まれちゃいますね。
感情表現が自由自在なんですね。今泣いてたのに、すぐ怒ったり。」 

やっぱりパっと泣いてください、は難しいですか?

「男はあまり泣かないでしょう。それに僕は涙より先にハナが出ちゃうんで(笑)
子供達が歌う時に涙がこぼれるんですけど、次がパーティの場面だし」

てわけで、舞台裏であわててハナを拭いてるそうです。
スッキリさせとかないと、セリフがずるずるしちゃうんで。とのことでした。
今井さん、正直〜☆



1時間ばかり過ぎたところで、フォトセッション。つまり写真撮影です。
テーブルごとに今井さんがまわって、記念撮影してくださるんですね。
たまたま立った場所が、私とご一緒したお嬢さんで今井さんを左右から
はさむ位置に。
男性はだいたい体温が高いですけど、とりわけ大きなぬいぐるみみたいに、
あったかさが伝わりました。ご本人、緊張でカッカしてらしたのかも。
撮影後、一人一人に握手してくださいました。
ちょっと想像と違って、柔らかい優しい感じの手だったかな。


写真撮影が終わると、
今度は、回収された質問用紙をもとに、質問コーナーです。
結構おもしろい質問も出ました。


で、一発目の質問がこれ。
「女性の好みを教えて下さい」 

「外見にはこだわらないけど、料理がうまい人が一番いいですね」
「どんな料理がお好きですか」
「嫌いなものはないんで」
「洋食とか和食とか・・」
「何でも食べますね。バランス良く、飽きないように出してくれる人がいいです。
あ、それからキレイ好きな人が。自分の部屋がぐちゃぐちゃなので、
キレイにしてくれる人がいいかな。」


はー、やっぱりガストンタイプなのね〜☆


思わず、ガストンの「小さな妻がオレの足をマッサージ。 
(子供が)6,7いるんだぜ」を思い出しました。
トラップ大佐も7人の子持ちだし、今井さんピッタリかもね。


宝塚の人の楽屋は綺麗でピンクピンクしてるという話になり、

「僕の楽屋は殺風景ですよ」
「そりゃそうでしょう。 ピンクピンクだったらコワイですよ(笑)」



さて次の質問



「ご自分の声にうっとりされることはありますか?」

ないです。自分の声をテープで聞くと、こんな声じゃないと思うのと同じ。



「ミュージカルに出会っていなければ、今頃何をしていましたか?」

これは即答。 「鳶(トビ)職」

今井さん、群馬のご実家はとび職の頭なんだそうです。一人息子なので、継ぐはず
だったのに、という話もしていらっしゃいました。



「普段はどんなファッションですか」

ジーパン、ジャージが多いです(笑)。中島さんも
「なんかジーンズのイメージじゃないですね、お顔立ちが洋風だから。」
と言ったら
「ハーフなんです。群馬と茨城の」と冗談をおっしゃった後、
真っ赤になってらっしゃいました。 冗談より、そっちのほうがおもしろい☆



「差し入れやプレゼントで嬉しいモノ困ったモノは?」

もらえるものは何もらっても嬉しいです。お花は嬉しいですね。

ここで、中島さん「下着類とかありませんか。こんな僕でもあるくらいですから」
「下着は勇気要りますね。それに好みがあるから、ブリーフかトランクスか(笑)」

えぇ〜、そんなこと言っちゃったら・・・

すかさず中島さんの追及「ちなみにどちらですか?一応聞いてみたい。」

ここあたりで今井さん「まずいかな〜」とマネージャーさんがいるらしい方向に
助けを求めつつ赤くなっていらっしゃいました。
答えはご想像にお任せしますということで。



「今回の役作りで気にしたことは?」

途中で、子供達のおかげで考え方が変わる。トラップ大佐が変わったことがわからないといけないので、最初はなるだけ軍隊式にやるようにしています。



「おヒゲは今後どうなるんですか?」

最近生えてる自分の顔に慣れてきましたけど、この先レミゼのコンサートで
下の方は剃って、「ミス・サイゴン」では全部剃ってしまうと思います。

ここで、付けヒゲだととれやすいので、大変だというような話がありました。


「取れかかったりする時に限ってお客さんが見ちゃう(笑)」んだそうです。



「縁起かつぎ、ゲンかつぎは?」

特にしてない。

と、ここまでは良かったんですが、今井さん、つい「某俳優さんは勝負パンツというか
赤いパンツをはいてるそうです」と口をすべらせて、

中島さんが「じゃあ、明日観劇される方はそこをぜひ・・・」
あわてて「やめて下さい!」って立ち上がっちゃいました(笑)



「オフの間は何を?」

体のメンテナンス。マッサージとか。肩がこってくると声が出なくなるので。

「ふだんは?」
「ボーっとしてます」

もし旅行にいくなら、南の島が良いとかそんな話題も出てましたっけ。



もう気がつけば、開始から1時間15分すぎ。

「さあ、今井さん!今からいよいよ・・・」
「えっ?」(ちょっと飛び上がるように驚く今井さん)

「一時間以上たってるのになんで、そう緊張モードなんですか。
 そろそろ慣れて下さいよ。
 歌はなんにしますか。」
「へ?」
「もう、信じられないですよ、舞台であれだけの声を出す方が へ?って。」
「じゃ練習」
「ちょっと待って下さい、練習は裏でやって下さい。」

ここのやりとり、私はもう大爆笑してましたけど、書いてみれば
ボケとツッコミで完全にコント状態です。今井さん中島さん最高♪


「あんまり見ないで下さい」と言いつつ、マイギターを弾きながら
「エーデルワイス」を聞かせてくださいました。

歌が終わって、ホッとしたところで、中島さんにやっとしながら
「この歌を聴いたら太川陽介さんみたいに
 『審査結果が出るまでアンコール』でしょう?」

舞台の太川さんは音楽祭の司会をやるトラップ大佐の親友。アンコールとして
もう一曲トラップファミリーに歌わせるシーンがあるんです。


「これに関しては打合せなしですけど」
「どうしようかな・・・」と言いつつ、覚悟を決めた今井さん

「では今年博多座にお邪魔しました中から」ということで歌いだしたのは
レミゼラブルのバルジャンナンバー「彼を帰して」

「失敗したらごめんなさいね」とおっしゃっていましたけど、
これがもう、オマケとは思えない絶品でした!


歌っているうちに、どんどん役に入り込んでいくのが、はっきりわかりました。
人前で話すのに、あれほど恥ずかしがっていたシャイな今井さんが、堂々として
情感あふれる今井バルジャンに変わったんですね。特に「死ぬなら私を死なせて」
あたりの声の伸びは、会場の空気の色を変えるほど。
胸が熱くなり、思わず涙する人も。
舞台さながらの素晴らしい歌声を披露してくださいました。


でも、最後「彼をかえしてうちへ〜」の終わり「へ〜〜〜」を長く長く
伸ばしながらラスト5秒前くらいから、どうも我に返ったみたいで、
まだ声を「へ〜〜〜」と出しながら、ちらっと横目で中島さんを見て、
恥ずかしそうに赤くなってきたのには、思わず笑ってしまいました。
今井さん可愛いすぎ☆



イベントの最後は、サイン入りパンフレットを賭けてじゃんけん大会。
「今井さんとじゃんけんしていただいて・・・」って中島さんが説明したら
「えっ!」て、またビックリする今井さん。
クスクス。そりゃ今井さんのサインなんだから、普通そうでしょうね〜。


勝ち残った5名の方に今井さんから直接プレゼント。
私は残念ながら、一回目のあいこで敗退でした。



最後に今井さんから
「舞台もまだ始まったばかり。どうぞまた、いらして下さい。
ミス・サイゴンも帝劇で4ヶ月ありますので時間があったら
足を運んで下さい。ありがとうございました。」
というご挨拶で、お開きとなりました。



しかし、おもしろかったですね〜。
高井さんも舞台と素顔のギャップに驚かされますけど、
また別な意味で、舞台とは全く違う顔をみせる方でした。
この方のファントム。やっぱり一回は見たかったなあ。
でもそれよりガストンがキャラクター的には、ハマリ役だったかも。


いいにつけ、悪いにつけ裏表のない、ピュアなお人柄と、やっぱり抜きん出た
歌の才能に触れることができ、大満足のイベントでした。



しかしこれだけのたっぷりトークはファンにはこたえられませんよね。
ここに書きとめたのは一部にすぎないと思うのですけど、こういうの有料でも
いい、四季でもやってくれたらいいのになあ☆

・・・でも某ファントム俳優さんなら、シャイさのあまり途中でレッドデスみたいに
煙とともに消えちゃうかもね(笑)







   
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