オペラ座の怪人 ファイナルイベント
    リハーサル見学会

2004年2月24日(火)イベント記録

福岡シティ劇場

(オペラ座の怪人 高井治、クリスティーヌ 村田恵理子、ラウル子爵 内海雅智)


2月6日(金)、13日(金)、18日(水)、24日(火)の4回実施



今日はファイナルイベントの最終回。
個人的にはまさに、万難を排して参加したイベントでした。
3時前には劇場前に列ができていました。最終的に80人くらいの参加があったのでは
ないでしょうか。


今回は待ち時間も少なく、客席に入ったのは4時10分すぎ。私は最前列中央より少し
だけ上手に座りました。


入場するときはちょうどマスカレードの場面。音楽なし、手拍子だけでざっとした感じの
場あたりの最中。フォーメーションの確認があっていたようですね。


深見さんが「ヨコヤマ、そこのポーズはちょっと内側に入りすぎ」とか
大階段での立ち位置、「そこ人が重なってるからカンちゃん(林さんのこと)、ちょっと
右に寄って」というような指示が入ってました。
種子島さんは「タネコ」って呼ばれてるんですね☆


高井さんの姿は客席にも舞台の上にもありません。
聞いた話ですけど、18日のリハーサル見学会、マスカレードの場面では高井さん
抜きで、レッドデスは透明人間状態でお稽古だったそうです(沼尾さんが自分で
ネックレスをちぎるようにしたというのが想像すると、ちょっと面白いね。)


「じゃあ音入れて行きましょう」という深見さんの声で音楽を入れた本格的な
リハーサルが始まりました。


「マスカレード」の最初から。
村田さん、リハーサル見学でお会いするのは3ヶ月ぶり。
ストレートヘアになさったんですね。



そしてレッドデス登場のところ。    ん? 階段の上に人影が。


あれ、高井さんだぁ・・! 
ホントに突然、ファントムの如くの高井さん登場で、一瞬客席にも、はっと息をのむ
気配が感じられました。


スコアはないので手で持っているふりをして、階段をなんかごく普通にすたすた降り
てくる素顔にメガネ、いつものジャージ姿の高井さん。


「おどろいたかねー」 ええ、おどろきましたとも☆

しかしドラマティックな赤いライトに照らされる、ごく普通のジャージ姿が
珍しくもおもしろーい。



「歌え俺のたーめー」
奈落は落ちないので、高井さんがその場でしゃがんでらっしゃいました。
ファントムのリハーサルが見れると思わなかったので、ちょっとラッキーな気分。


リハーサルはそのまま西島マダムと内海ラウル二人の場面に。
「ただの人間ではないのです」あたりだったかな。途中で深見さんのストップが。


深見さんがマイクを使わず舞台の上で指示をされたので、よく聞こえないところも
結構あったのですが、立ち位置の確認が多かったみたいです。
西島さんにも「マスカレード」下手で体を斜めに伸び上がるようにする動作、両手を
広げすぎないようにとの指示がありました。


上手側、袖の近くでは、皆とちょっと離れて村田さんと内海さんが
なにやら楽しそうに立ち話。 

村田さんが自分の上着の肘のあたりを見せながら「ね、ここ見て、これがね〜」
みたいな感じでおしゃべり。
内海さんが笑顔で素直に「ふむふむ」とうなずいてるのが可愛い。



続いては、
クリスティーヌが「シィンク・オブ・ミー」を歌い終わって、幕が閉じるところから。
クリスの楽屋、ミラーの前まで。


深見さんのチェックはバレエダンサーの女の子達、幕が開いて逃げるところ、もっと
クモの子を散らすようにわっと逃げるように。

荒井メグには「クリスティーヌ・・」と声をかける1回目は、クリスを見ないで彼女の
行方を捜しているようなムードで、それからふと左を見て「あ、いたいた。」と
クリスティーヌを見つけた感じで2回目の声をかけるように。とのことでした。
荒井メグの「ロンデジャンブね」の言い方も注意されてたようです。
ふむ、なるほど。


さて場面はさらに前にもどって「ハンニバル」リハーサル。
種子島カルロッタの歌から、象に乗った石井ビアンジがポーズを決めるところまで。
深見さんは舞台に上がらず、マイクでの参加です。


おかしかったのは、やっぱり青木さん。この方、ホントにおちゃめさんですね〜。
本番ではオペラに興味のないフィルマンさんは、つまらなそうにしているはずなので
すが、「ハンニバル」のクライマックス、ステッキを指揮棒みたいに持って音楽に合
わせ、ノリノリ動作をしていらっしゃいました。


宝石箱を持って歩いてくる女性二人、横に歩いて行ってしまうので、Uの字を舞台の
上に書くように、もっとなめらかに早く下がるように、とのことでした。




さて、最後のご挨拶。

高井さん、内海さん、村田さん、平野さん、深見さんが中央通路に。


ご挨拶のトップバッターは村田さん。
「今日はありがとうございました。あと1ヶ月なので、お時間がありましたら
お友達やご家族もお誘い下さい」

で、マイクをバトンタッチしたら、高井さんのコメントが

「もう、充分誘っていただいたと思いますので」(笑)。

「12月から休みなしで自分の中でも一番長いので体が心配なのですが、村田さんが
充分にお休みを取ってこられたので、引っ張ってもらって頑張ります。
今はメガネしてますけど、使い捨てのコンタクトレンズを使ってます。
リハーサルで、はずれたことがあってその時は使い捨てじゃなかったので・・」

内海さん「こんにちは。デビューして2ヶ月くらいでしょうか。先輩の足をひっぱら
ないように頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします」だったかな。

平野さん「私は前回の福岡公演が劇団四季のデビューでした。
高井くんとは浜松市の音楽高校の同級生でして、忙しくて同窓会には
出られないけど、今は高井くんとたっぷり会っている毎日です」

ご一緒した方によると、この「高井くん」話の時、高井さんはちょっと口を
とがらせるように「もう〜そんな話をして・・」って感じの表情だったそうです。

暴露話みたいで、恥ずかしかったのかな。たしかに大人になってから、子供の頃とか
学生時代の話を人前でされるのって、イヤだったりしますよね〜☆


深見さんから平野さんは「ユタ」でまた福岡におじゃまするかもというフォローが
ありました。内海さんが福岡でラウルデビューできたので、その経過をみて
応援してくださってありがとうございましたというような話も。

それから初めての方、ということで深見さんが数人に感想を聞いて下さいました。



さて、どうなるかと思っていた質問コーナー、ちゃんとありました。

質問の順番はもしかしたら間違ってるかもしれませんけど、内容は当日ご一緒した方
とも、しっかり終了後におさらい確認したので(笑)、ほぼ間違いないと思います。


まず一発目の質問は、私とご一緒した方がさっと手をあげて。口火を切って下さった
勇気に感謝。ですわ(笑)。

「高井さんの手の美しさと手の表現が素晴らしいという評判ですが、日頃から手のお
手入れとか表現の研究はされているのですか」

この質問に深見さん楽しそうに笑ってらっしゃいました。

高井さん「子供の頃からピアノを習ったりとか打楽器をやっていたので、結構
指先には自信があるかな(笑)」「練習は?」「いえ、練習はしてませんけど」


私の隣に座っていた小学生の女の子も質問。

「村田さんならファントムとラウルのどちらを選びますか」・・その年にしては
シブイ質問だなあ☆

村田さん「一番むずかしい質問ですね、その時々でファントムと思うときもあるし、
ラウルと思うときもあります。」


もう一人、私がご一緒したお嬢さんも質問を。
「11月の公演で音響が10分くらいとぎれた時、全然感じさせないくらい凄くて
気がつかないくらいだったのですが、あのときはどんな気持ちで歌って
らっしゃったのでしょうか」

深くうなずいた深見さんから説明が。
「あれは音響機械の故障でした。四季は何があっても、芝居を切らないという
決まりがあります。よほどケガ人が出て、続けるのが不可能でない限りはですね」

深見さん、高井さんに「おさむちゃんアカペラで歌ってたけどどうだった?」
高井さんにマイクがまわりました。

「内心は『あぁー』と思いました。」皆の笑いも、やっぱりそうでしょうね〜的な反応。
「いつまで続くんだろう。戻ったときにほっとしちゃいけないし、そのままずっと続けるのが、精神的に大変でした。」

ここで深見さんが、過去に「コーラスライン」本番の途中で音楽がとぎれてひやっとしたという話をして下さいました。ほんの数秒の間にアドリブでしゃべろうかとか色々考えたそうです。
「でも音響さんを信じてアカペラでやりました。後ろのコーラスも乱れて大変でした。
音楽が戻ったときに皆がホーッとなりました。こんなことは生オケならありえないですね」

確かに大変なことだけど、こういうことがキッカケで、逆にファン度が高まる人もあ
りますからね〜。


「マントを脱ぐところ、二人のファントムはやり方が違いますね。高井さんはふわっ
と広げるのが綺麗で必ず見ています」

高井さん「綺麗に広げるのは苦労するところ、今でも時々失敗します。マントは置く
だけでなくて、あとで取らないといけないし、オールが引っかかって落ちた
こともあるので、置くときにも注意してます。」


「ラウルのヒゲは、ある人とない人がいますが、自由に選べるのですか」

深見さんから説明が。
「つけてみて、顔のバランスに合わない人もいるから。基本的にはつけますよ」

内海さん、恥ずかしそうに笑いながら
「・・・似合いませんでした・・。」
内海さんが発言するたびに、笑いがおきます。なんか和み系というか。
素の内海さんに会うとよけいファンが増えそうですね〜。


「演じていて、一番好きなシーンは?」

平野さん「クリスの楽屋。ファントムが現れる前の静けさを味わえるシーンなので」

内海さん「うーん全力でやってるんで。しいていえばマスカレード、それまでセン
ターで踊ったことがなかったので(笑)、ああ、やったんだなーみたいな。でも前後が
ふらふらの時は早く帰りたいです」

高井さん「特に好きなシーンはありませんね。最後幕がしまって音楽が流れるときが
一番ほっとするかな、あはは」って珍しくご自分で笑ってらっしゃってました。

村田さん「最後、ファントムに指輪を返しに行くところは残酷に見えるかもしれませんが、
私はファントムとクリスティーヌが精神的に結ばれる気がするので、好きです」

深見さん「ここが一番っていうのじゃなくてあそこも好き、ここも好きって感じ。
地下でキャンドルが上がってくる幻想的なところ、オークションからタイムスリップする
ところ、墓場でクリスティーヌが父親に助けを求めるところもなんともいえないし。
大詰めの3人の葛藤、2人を行かせるファントムの心理。
深くていい作品だなあと思います。」


「九州、福岡の感想を」

平野さん「博多に行くのは嬉しい。マンションが増えて飛行機から見る地形が変わり
ましたね。」

内海さん「初めて博多に来ました。デビューした場所なので、好きになりました。」

高井さん「自宅から一番遠いので(笑)」「京都のときは近いので結構帰りましたが
交通費がもったいないので、結構いましたからわりとなじんだ街かもしれません」

13週連投だからこそかもしれませんけど、ホントにお休みが欲しい、
おうちに帰りたいっていうのが正直な気持ちなんでしょうね。

高井さんてば、まるで伝書鳩なみの帰巣本能(爆)。

しかし考えてみれば大晦日も元旦も公演でしたし、
寒い冬に3ヶ月もご家族から引き離されて、結構つらかったのかもね〜。

村田さん「天気の良い日は自転車で来たり歩いてきたりするので、新しいお店を見つ
ける楽しみがあります」

深見さん「博多は7年前に来て、それ以来初めておじゃましました。
住んでいる場所から、以前は海が見えてたのに今は見えない。
ずいぶん変わったんだなと思います。」

「食べ物もおいしいし、人情も厚いし、また戻ってきたいと思っています。よかった
らまた劇場に足をお運び下さい」という深見さんのご挨拶でお開きになりました。
時計を見たら5時10分、丸々1時間もあったんですね。


ここで自然に、客席から感謝をこめて大きな拍手が。
千秋楽までにもうこんな風に直接お話しする機会は、たぶんありませんね。
残り少ない福岡公演を惜しむ気持ちと、これまでの熱演、リハーサル見学での丁寧な
コメントに感謝する気持ちは皆、同じだったのではないでしょうか。



今回もソワレ公演まで、ご一緒した皆さんと楽しくおしゃべりしました。
前回のリハーサル見学会よりも質問が充実していたし、(これは仕方ないですね。
前回は突然の質問コーナーでしたから)高井さんも回を追うごとにリラックスして
お話しされるようになり、とっても良かった、別料金払ってもいいよね。という感想に
同感です☆


私個人としては、ファイナルは4回のうち2回だけの参加でしたけど、主役3人だけ
じゃなく色々な俳優さんのご挨拶あり、質問コーナーあり。
11月は内海ラウルと長レイエの新登場、今月は荒井メグ、ほかにもダンサーさんの
初登場もあって、出演者の皆さんのたゆまぬ努力を覗くことができました。



千秋楽まであと4週間あまり。
ほろ苦くもありますけど、「オペラ座」への愛を
さらに深めてくれたイベントだったと思います。



 俳優の皆さん、スタッフの皆さん、ホントにありがとうございました。





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