2005年10月20日(木)マチネ・ソワレ

                クレイジー・フォー・ユー 


         

                            広島郵便貯金ホール 1階 S席 1列29番
                                                 3列25番                                            



                        当日のキャスト



   ボビー 加藤敬二  ポリー 樋口麻美  ランク・ホーキンス 牧野公昭  
   アイリーン 八重沢真美  ベラ・ザングラー 広瀬明雄  エベレット 武見龍磨 
   ボビーの母 斉藤昭子  テス 有永美奈子  ユージーン 田中廣臣  
   パトリシア 加藤聖恵  ムース 川辺将大  サム 岩城雄太  ミンゴ 畠山典之

   ビリー 石野喜一  カスタス 坂本剛  ジュニア 平田郁夫  ピート 中山大豪
   ジミー 和泉沢旭  ワイアット 関与志雄  ハリー 村中弘和  
   パッツィー 池末絵己子  シーラ 姚詠芝  ミッツィー  柴田桃子  
   スージー  眞弓ヴァネッサ  ルイーズ 大石眞由  ベッツィー 市川友貴
   マギー 伊東恵  ベラ ソン・インミ  エレイン 荒木美保

四季ファンになって2年、見たいと願いながら今まで機会がなかった作品のひとつが、
この 「クレイジー・フォー・ユー」 です。
リピーターのお客様の中では再演希望がもっとも多い作品とのことですが、5年前の
福岡シティ劇場上演時はホントにお客様が少なかったので、ロビーパフォーマンスと
イベントの嵐だったとか。
ホワイエでキャストの皆さんが売店の売り子になったり、一緒の記念写真撮影もOKと、今では
考えられないようなファンサービスですね〜。それでも半分くらいしかお客様が入らない日も
結構あって、リピーターは気を揉みっぱなしだったと聞きました。


しかし一度でも見れば、誰でも絶対にハマると噂のこの演目、今年の夏から
静岡、仙台、広島の3都市公演が始まりました。
その後、11月からは全国公演、06年春の東京公演も決定していますが、残念ながら
今回の公演は福岡には来ないので、四季ファンのお友達と一緒に、秋の広島日帰り遠征と
あいなりました。


今回は、マチネとソワレを合わせた観劇日記になっております。
長いうえに横道にそれまくっておりますが、なにとぞお許し下さいませ。



ところで広島遠征は、一昨年の 「キャッツ」 観劇以来。なんだか久しぶりで嬉しいな〜。
お昼前に新幹線が到着したので、定番のお好み焼きでお昼ご飯にしてから
広島郵便貯金会館へ移動です。
平日マチネのせいでしょうか、入口に並んでいるお客様の年代層が高いのにびっくり。
50代〜70代とおぼしきご婦人が多かったので、なにか団体観劇が入っていたのかな?


マチネは最前列での観劇。ダンスも間近で見れそうだし、とっても楽しみ♪




第1幕


NYザングラー劇場

ザングラー劇場では千秋楽を迎えて明日から休暇・・というところから舞台は始まります。
劇場主であるザングラーに、ダンスの振付師としての才能を売り込もうとするボビー。
踊り子達とは仲良しだけど、ザングラーからは厄介者扱い。ダンスの夢は捨てられないけど、
銀行の重役である母親には弱い・・・という状況がユーモラスかつ滑らかに伝えられる
冒頭は、スムーズで良いですね。


加藤さんといえば、私には昨年観た 「コーラスライン」 ザックの厳しい印象が強かったので、
若々しくてちょっと3枚目が入ったボビーの好青年ぶりが珍しくも不思議な感じ。
優しそうな笑顔にセリフの声も軽やかで、なかなか素敵ではありませんか。


ソワレでやっと気づいたのですが、ザングラーには 「ザングラー語」 とでも言うべき、
マネしやすい口癖がある設定になっているみたいですね。
常に「い」→「え」に発音するので、「いいかな?」は「ええかな?」 「ご期待」が「ごきたえ」に
なってます。
みんなが 「テス」 って呼ぶのに、ザングラーだけ 「テッスィ」 と言うのも、愛称というよりは
彼のナマリゆえなのでしょうか。
これ、もともとの英語のセリフでは、どんな風に区別されているのかなあ☆



デッドロックの大通り
Bidin' My Time

それまでの東部の都会的でスピーディな音楽から、のーんびりした西部の雰囲気に
変わるシーン。
ガラガラヘビが道に落ちているのを、どうして男性のひとりが拾うのか最初は
よくわからなかったのですが、あとで聞いたらあれはビリーのペットという設定だそうです。
可哀想にペットが車に轢かれたのね。
しかし、あんなにゆっくり走ってる車から逃げられないなんて、ヘビのんびりしすぎかも☆


チェックのパンツにベスト姿でポリーが登場。
樋口さんのセリフ、えらく男前だな〜(笑)。宝塚の男役みたいな発声なのですけど、
そこまで低い声にこだわらなくても、男まさりの雰囲気は樋口さんなら充分出そう。



ランクの酒場
Could You Use Me?

全体を通して、コミカルシーンはジョーク好きのアメリカっぽくて面白いですね。
ボビーが力持ちのポリーに持ち上げられる場面、樋口さんの 「はいはーい」
「あ、よいしょっと」 の掛け声には大笑い。


カウンターを滑らせる酒瓶が取れないボビーはもちろん、ポリーのマネをして一気に
飲んだお酒 (あれはテキーラとか、ラム酒かな) に身体が小刻みに震えたり、
声がひっくり返ったり。演技をする加藤さんも楽しそうだし、お客様も大喜びです。


ここで初めてナマで樋口さんの歌声を聞きましたが、セリフとはずいぶん違う印象の
歌声だなあと思いました。
音程も確かだしクセはあるけど綺麗な声で、意志的な女の子役にはあっているかも。



デッドロックの大通り
Shall We Dance?

このナンバーの振付は、感情とダンスが絡み合っていて面白いですね。
以前インタビュー記事で、加藤さんがここのダンスが一番好きだと仰っていましたが、
なるほどって感じです。
最初は渋々だったのが、ダンスを教えられるうちに盛り上がり、甘い気分に酔っていく
ポリーの気持ちがよーくわかりますわ。
ダンスに関してはプロを目指しているボビーのこと。ムーディなダンスをなによりも
雄弁な口説き文句にして、彼女の気持ちをとらえていくって感じでしょうか。


しかし、甘い雰囲気から一転、ボビーの正体がばれてポリーを怒らせてしまいます。
樋口ポリーのドスのきいた 「ぶっ殺す!」、L字にした手つきが妙に可笑しいんですけど、
これは先輩ポリーの濱田さんや保坂さんもやっていらしたのかな。



Girls Enter to Nevada

ザングラー・フォーリーズの踊り子10人が、デッドロックに到着して歌います。
この作品は、トニー賞の衣装デザイン部門でも賞を取ったそうで、それぞれデザインの
違うクラシカルな衣装や小物を見るだけでも楽しい♪


ところで、この 「ザングラー・フォーリーズ」 は、ブロードウェイでレビューの父といわれた
実在の大興行師フローレンス・ジーグフェルド氏の 「ジーグフェルド・フォーリーズ」 を
もじったものなのですよね、やっぱり。


まったくの余談ですがジーグフェルド・フォーリーズの踊り子は、
美意識の高いジーグフェルド氏の意向により、ダンスの技術はもちろんスタイルも完璧、
容姿端麗で物腰に気品があり、横顔も美しいことが採用の条件とされたとか。
(いくらアメリカとはいえ、1900年代の最初で平均身長180センチってスゴイわ〜☆)


つまりブロードウェイの中でも、選りすぐりの美女ダンサーたちなわけで、
そりゃあデッドロックの男達も腰をぬかすよね(笑)


偽ザングラーが、エベレットの手にキスをするジョークは、ストーリー的には
なくても全然差し支えないエピソードだけど、こういうところが脚本の面白さなのですね。
武見エベレットは戸惑っていたけれど、過去の俳優さんでは嬉しそうにキスされた手を
撫でる(笑)というバージョンもあったそうです。



劇場の舞台裏

池末パッツイーが、男達にダンスのレッスンをしています。
パッツィーは歌っていないときは、舞台の上で笑っているか口を開けてて(笑)、
池末さんの演技がほんわかと愛くるしくて良かったですね〜。



Slap That Bass

ボビーが頭を抱えるくらいダンスが苦手なムースが、ベースで才能を発揮しちゃう
爽快感があって楽しい場面です。
照明もジャズにピッタリだし、誰もが驚くのがロープを使った大人っぽいダンスの振付では
ないでしょうか。
パッツィだけは、ロープで男性を引き回しているというギャグもついてお得感たっぷり☆
踊れなかった男性陣が、だんだんとうまく踊れるという流れもうまい。
だれかが嬉しそうに 「おい、やべぇよ〜♪」 っていう声が聞こえました。



Embraceable You

ポリーが、ボビーの変装だとは知らず偽ザングラーに愛を告白するナンバー。
ダメダメ・・と逃げ回っているけれど、好きな女性からあんなに迫られたら
逃げきれませんよね〜。 
予想外の事態に困惑しながらも、腕の中に飛び込んでくるポリーを手放すには
あまりに甘美で(笑)。

ボビーがこんなはずじゃあなかったのにと思いつつも、ついついエスコートしてしまう
ダンスが優雅で素敵でした。
特に 「そんなはずはないんじゃが」 のあとだったかな。誘惑に負けてポリーを抱きしめて
踊るダンスと、「もう、どうなってもかまうもんか」 って感じで、ボビーにもどっちゃったキスが
切なくて可笑しくて。



Tonight's the Night

初日を迎えた楽屋裏。男性と女性の楽屋が同時進行するのが、楽しくも忙しいです。
ソワレの席はセンターブロックの中でも下手寄りだったせいもあって、女性の楽屋を中心に
見ることになりました。
棚の上にはバニティケースが並び、鏡には沢山のピンナップが飾られています。
フォーリーズの女の子たちはお化粧や着替えはもちろん、家族からの手紙を嬉しそうに
読んでいたり、衣装の裾を見てもらったり。

男性の楽屋の方はダンスのお稽古をしたり、ケンカになったり、楽屋を見に行こうとしたら
誰か止めたけどやっぱりちょっと興味あったり(笑)ホントにぎやかです。


今回は初見ゆえ、男性陣と踊り子の名前と顔を覚えきれなかったのですが、毎回、
会話の内容が違ったりするそうで、次回が楽しみ(って、すでにリピーター)。
女性の楽屋を男性が通るたびに女の子たちがキャーキャー言うのが、また可愛い☆
この演目は、このキャーキャー具合も音楽の一部なのですね♪



ところで、このシーンでエベレットとランクの会話、細かいセリフは覚えていないのですが、
金で買収しようとするランクに対して

「その金でカジノでもやったら?」 と断るエベレットに
「ばからしい。ネバダまでバクチをしに来るヤツがいるもんか」 てな感じで
ランクが笑い飛ばすところがありますね。


舞台を見ているときは聞き流していたのですけど、あとで資料を見て、デッドロックが
ネバダ州の砂漠に囲まれた町、ラスベガスをモデルにしていると知って
「なーるほど☆」 となりました。


アメリカ人のお客様なら、ネバダ州とカジノというだけで絶対ピンとくるはず。
世界中から人が集まるラスベガスの現状は誰でも知っているでしょうし、このランクの
セリフには 「あはは、あんなこと言ってるよ」 って感じで、どっと笑いがおこるんだろうなあ。


これって日本語に置きかえるなら
「千葉の埋め立て地にできた遊園地なんて、誰がわざわざ行くもんか」 って感じでしょうか。
(もちろん東京ディズニーランドの盛況は全国の方がご存じの通りですね♪)



デッドロックの大通り
I Got Rhythm

ご存じ「アイ・ガット・リズム」。
ダンスシーンの露出度が高いので、女性の脚線美を堪能できるのも楽しいところ。
池末パッツィがぽっちゃり型なので、有永テスのプロポーションの良さが引き立ちます。
有永さんと池末さん、どちらも最近入団されたそうで初めて拝見しましたが、性格的にも
きりっとした知性と、おっとりした可愛らしさが対照的に表現される良いコンビだったと思います。




第2幕


ランクの酒場
Real American Folk Song

サム、ミンゴ、ムースの3人が英語で歌うナンバー。
「本当のアメリカのフォークソングはラグタイム」なんですね、へぇー(笑)。
カントリー&ウエスタンはもちろんラグタイムも大好きな私には、裏声で聞かせる
楽天的で、どこか甘さと懐かしさのあるメロディには癒されます〜。


また脱線しますけど、かの 「ミスター・ドーナツ」 もオープン当初は、こういう
「古き良きアメリカ」 という世界観のお店でしたよね〜。
いつもオールディーズが流れ、店内に回転木馬がある、レトロなドーナツショップを
覚えている人は少なくなっちゃったんだろうなあ・・と、つい懐古趣味を発揮してスミマセン。


余談ついでに白状すれば、「オペラ座の怪人」 は別として、個人的にはヨーロッパよりも
アメリカ文化が好きです。なんというか、底の浅いところが良くて(笑)。


料理も音楽も、素朴で大味だけど自由の香りがして(巨大なマッシュポテトとか、
同じものをどっかり食べる。なーんて味覚に関しては笑っちゃうくらいアバウトだし。)
広大な大地が育てた、いつもどこかに残るおおらかさ。
都会や欧州に対するコンプレックスが混在する中から生まれてくるパワーは、古い踏襲に
しばられないアイディアに満ちているような気がします。


だからこそジャズが生まれ、新しい音楽やショービジネスが誕生したのかもしれません。
この作品の作曲家ジョージ・ガーシュインが活躍したのは、1930年代後半までですが、
大不況まっただ中にあって、この明るさと上品さは、決して古びないお日さまのよう。


「クレイジー・フォー・ユー」 が1992年にNYで初演された頃、ロンドン発のミュージカルが
席巻していたブロードウェイでは、いかにもアメリカらしいミュージカルの成功に、
さぞ沸き返ったことでしょうね。
日本初演は翌年の93年だそうですから、劇団四季はいち早くこの舞台の魅力に
気がついていたということかな。
東宝ミュージカルのようなオーディション形式でなく、劇団システムでじっくり研鑽と練習を
積む中から生まれてくるダンスは、こういう演目でこそ、その魅力をいかんなく
発揮できるんだろうなあとつくづく思いました。




閑話休題。



ネクタイ姿を見せる畠山ミンゴがなかなかハンサムさんで、良い目の保養です。
畠山さんは以前、オペラ座のアンサンブルに入っていらしたので、いずれはラウル役に
抜擢かな?と思っていたのですけど、なかなかそんな雰囲気でもないのかしら。
アイリーンがつまらなそうな顔のまま、2階の部屋の前で爪を磨いているんですけど、
時々、みんなと一緒にリズムを取るのがツボでした☆


とうとうガマンしきれなくなったボビーが、ポリーに
「ぼくがベラ・ザングラーなんだ」 と告白していると、本物のザングラーが現れます。


ここでポリーがザングラーに2回キスするのですけど、広瀬さんの演技が濃ーい!
1回目のキスは不意打ちって感じだけど、2回目は両手がふさがっているにも
かかわらず、ザングラーってば、深いキスをじっくり味わい楽しんでいる雰囲気(笑)。
たぶんこれ、ほんのちょっとした顔の角度にコツがあるんだと思うわ〜。
さっそくメモしておかねば(爆)。
ボビーが「あわわわわ」とジタバタするのがまた笑えました。



What Causes That?

二人のザングラーがベロベロに酔っぱらう見せ場。
鏡に写るような動作で笑いを誘うという手法は昔からあるものだけど、わかりやすい
ギャグで子供さんも大ウケしておりました。
酔ってウダウダする様子や、お酒を飲む前に椅子で 「ズリ」 ってだらけるタイミングまで
合わせているところがスゴイです☆


アイリーンとボビーの会話も、もうひとつの見せ場かな。
カツラキャッチ、マチネは成功したけどソワレでは八重沢さんが取り落とし、下から
男性が(誰だったかよくわかりませんが)すかさず放り投げ返していました。
ちゃーんと待機して下さっているんだなあ。
演技とセリフとカツラキャッチが短い時間で立て込んでいるので、これは毎回観る方も
やる方も緊張の場面ですね〜。



Naughty Baby

急に頭で看板を割るわ、噛みつくようなキスをするわでショーゲキ的に始まった
ランクとアイリーンのラブソング(?)。
今フラレたばかりなのに、もう次の男にモーションをかけているアイリーンだけど、
八重沢さんが演じると、イヤミがなくて好きです♪
アイリーンがランクの頭をばしっとひっぱたくところや、四つんばいのランクの上に座って
歌う場面で、大きな笑い声が起こっていました。


ところで、プログラムの歌詞対訳を見ると、
「ブライン・モーではクラスで一番だった」というアイリーンのセリフが出てきます。
どういう意味なんだろうと思って調べたら、ブライン・モーはフィラデルフィアの近くに
実在する町の名前だそうで。



劇場のミーティング
Stiff Upper Lip

ミーティングでフォーダー夫妻から始まる応援歌。この場面で、ボビーとポリーが
テーブルの上で、「どうだい!」 「まだまだ!」 「勝った!」 と踊るタップの競争が
ありますけど、2人しかいないのにタップの音が多い?と不思議に思っていたら、
一緒に観劇したお友達に教えてもらいました。
テーブルの周りに集まっているダンサーや男たちが、手に指ぬきみたいな金具を
はめていて、それでテーブルを叩いているんだそうです。
そういわれれば、このシーン、二人ともタップ用の金具付きの靴ではありませんでした。
なるほどね〜☆



They Can't Take That Away from Me

ボビーのソロで、一番グッときたのが、このナンバー。


想い人は去っても、愛したという事実は去らない。


ふられた悲しみや相手を責める気持ちではなく、恋した日々をいとおしむボビー。
情感と優しさにあふれるメロディがなんとも言えません。
別れの歌なのに、ボビーが優しさのこもった瞳で見つめるから、よけいに切なくて。



But Not for Me

「行かないで」 のひと言が言えないまま、大きな目に涙を一杯にためた
樋口ポリーの歌声が響きます。


そして、この場面で示されるザングラーとテスの恋の行方。
「すべては君のためだ」 というザングラーに、「・・あなたらしくない。」 と答えるテス。

普通なら 「ありがとう、ベラ!」 となって、熱烈キスシーンになだれ込みそうなのに、
安易なラブシーンにしない演出が粋で良かったですね〜。
相手がボスだからといって、簡単に媚びたりしないテスの凛とした美しさ。
ザングラーがメロメロになるのもわかるなあ。


そんな彼女だからこそ、微笑みを与えられただけで、それまで威厳を保っていた
ザングラーは一人になったとたん、小さなガッツポーズ☆ うふふ。可愛すぎです♪ 



NYザングラー劇場前
Nice Work If You Can Get It

ニューヨークに戻ったボビーは、どこかに魂を置き忘れたまま。
でも、ザングラーのことを聞いてデッドロックに戻る決心をします。


ここでのソロ・ダンスが、やっぱり加藤さんの一番の見せ場でしょうか。
余計な靴音が全くせず、しなやかな跳躍と回転。
ダンサーとしての魅力は圧倒的なものがあります。
お年のことを言ってはイケナイけど、これで40代半ば。確か高井さんと同い年ですよね。
疲れもたまってるであろう舞台の終盤でのこのパワフルなソロ・ダンスは
やっぱりブラヴァだと思うわ〜。



デッドロック再び

ラスト近くで、もうひと組カップルが生まれて、これでこの舞台に出てくる男女は
すべて恋をしてしまったのかな?「ボーイミーツガール」に年齢は関係ないってことですね。
しかし、武見エベレットのソロにはちょっとドキドキしましたわ〜。
別の日に観劇した友達は、武見ユージーンで観たそうで
「武見さんがすがすがしいほど音を外されてました。」 という報告メールに
密かにウケていたのですが、この日もさわやかに・・。って感じかしら☆



すれ違いそうな二人が最後には無事に再会して、歌い踊ります。
ラストはハッピーエンドにふさわしい、甘い夢のような舞台。



カーテンコールではお客様もスタンディングで、精一杯の拍手をおくりました。
マチネでは最前列中央で立ち上がった私とお友達、ホントに至近距離だったので
目の前の加藤さんが、ちょっと驚いたように笑って下さった笑顔が印象的でした。




さて今回の観劇を振り返れば、予想以上の大満足♪


アメリカ音楽好き、ハッピーエンド好きの私には全く堪えられない楽しい演目でした。
今回のレポも、キャストの感想というよりも脚本と音楽、構成、時代背景など
作品自体にハマった感じになっております。
その証拠に広島から帰ってからは、ガーシュインが活躍したブロードウェイ初期を
扱った映画や本がマイブームになってしまったほど。


この2週間ほどあとに、博多座 「モーツァルト!」 を観に行って、ウィーンミュージカルが
アメリカでは、日本のような人気を得られない理由もなんとなく感じられたりして、
(ただし一部の日本版には、宝塚と小池氏という特殊要素も存在しますが☆)
色々な点でミュージカルへの興味を深めてくれた演目でした。


もちろん加藤ボビーの軽やかな3枚目ぶりや、広瀬ザングラーのシブイ色気(笑)、
気が強いけど心根は優しい樋口ポリーの魅力に出会えたことも大きな収穫でしたわ。



ただ、万感の想いを込めた最後のポリーのセリフは、かつてボビーが誘いかけた
歌詞と同じように、英語のままが最高だと思うなあ。



このラストシーンをご存じならば、
どうぞ試しに口ずさんでみて下さいませ。 
くちびるを転がっていくこの言葉、その語感の甘さがきっとわかるはず。



「Shall We Dance? Bobby・・」






               長ーいレポにおつき合い下さって、ありがとうございました(^^)
               しかしまた、追っかけ演目が増えて私の人生はどうなるんでしょ(笑)







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