オペラ座の怪人終演後のプチ・ホワイエ

いらっしゃいませ(^^)
こちらは、オペラ座の怪人終演後のおまけ、プチ・ホワイエでございます。



実は、今回初めてお会いした佐渡クリスの雰囲気、以前見た何かに似てる・・・と
観劇中ずっと思っていたのですが、家に帰ってから何だったか、やっと気がつきました。


それは、昔見た横溝正史原作の映画「女王蜂」(市川昆監督)のヒロイン。
この映画は「犬神家の一族」から始まって大ヒットした、角川書店による
名探偵・金田一耕助シリーズの一本ですね。
もう二十数年前の映画ですから、リアルタイムでご覧になった方はそう多くは
ないかもしれません。


私も子供だったので細かい部分はあいまいですが、伊豆の小島にある旧家が
舞台で、美しいヒロインの求婚者たちが死んで行く話だったのはハッキリと
憶えています。


で、この映画のヒロイン・智子を演じたのが中井貴恵さん(俳優の中井貴一さんは
この方の弟)。
金田一耕助役は石坂浩二さんでしたが、仲代達也さん、沖雅也さん、司葉子さんらの
豪華キャストで、かなり映画もヒットしたようです。


今回改めて調べてみて知ったのですが、角川書店が小説と映画のタイアップ戦略で
攻めていた当時、映画「女王蜂」のテーマソングは化粧品会社のキャンペーンとも
タイアップしたんですね。


その曲 「智子のテーマ・愛の女王蜂」 (このタイトルも凄いけど・笑)の作詞は
松本隆さん。 作曲は四季でもお馴染みの三木たかしさんでした。
でもホントの「へぇ〜」はこれからですよ。
実はこの曲を歌っていた歌手は、ミュージカル 「エリザベート」 でシシィの側近
シュバルツェンベルグ役だった塚田三喜夫さんだそうです。
知りませんでしたわ〜(☆☆)


と、小ネタよりも本題は佐渡クリスですねスミマセン。


映画タイトル「女王蜂」は、当然ヒロイン智子のこと。


映画を見て一番印象的だったのは、智子に求婚する男達が次々に事件に
巻き込まれて身を滅ぼしていくのに、ご本人は旧家のお嬢様らしく
美しい眉をひそめながらも、じっと立ちつくしていた姿でした。

で、今回初めてお会いした佐渡クリスは、私にとってはまさにこのイメージ。


レンタルビデオ屋さんで、もしこの映画のスチール写真があったらご覧下さいませ。
中井さんのお顔の印象も、たぶん近いモノがあろうかと思います。


横溝正史作品には昭和20年代を舞台にした旧家のお嬢様がよく登場しますが、
佐渡クリスの持つクラシックな気品とプライド、世間知らずな純粋さと芯の強さ、
たくましさのバランスは、このお嬢様たちとよく似ているのではないでしょうか。


純粋に「オペラ座の怪人」という演目のクリスティーヌ像としてどうかと言われると、
今までの先輩クリスとはかなり違うのですが、誤解を恐れずに言えば、
特に石丸ラウル、高井ファントムとのトライアングルにおける佐渡クリスは、
まさに「女王蜂」クリスとしての輝きがあると私は思うのです。


・・と、偉そうにスミマセン。


でも、それとは知らず男性たちを惹きつけ、狂わせてしまう。


クリスティーヌって、もともとそんな蜜を持った女性なのではないでしょうか。
ラウルはたまたま結婚に至ったけれど、彼女を心の底から手に入れ、独占することが
できたのか?というのはラウル自身の生涯の謎だったと思いますしね〜。



手練手管ではなく、存在そのものがファントムやラウルを惹きつけるクリスティーヌ。
甘美な歌声は限りなく美しく、なぜかわからないけれど、彼女と関わると
死をも恐れない気持ちになってしまう。


そんな、燃える火に飛び込む羽虫のような男たちを目の当たりにしても、
自分のせいだとは理解してないのか、ちょっと鬱陶しそうな眼差しで見たり、
いとわしく感じたりしてそうなクリスティーヌ。


佐渡クリスの持っている、ある種かたくなな雰囲気は、
こんな風に考えると個人的にはかなり納得というか、むしろ頑張って〜と
応援したくなるほどなのでございマス(笑)。



・・と、ほんの一口でしたが観劇後のデザート、お楽しみ頂けたでしょうか。
私ももう一度映画「女王蜂」を借りてきてみようかな。




 プチ・ホワイエにおつき合い下さって、ありがとうございました(^^)








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