エリザベート観劇・終演後のホワイエ

ようこそ♪
こちらは「エリザベート」観劇日記・終演後のホワイエです。
いましばらく、おつきあい頂ければ幸いです(^^)



実は今回「エリザベート」を最初に観たときに、思い出した映画がありました。
97年制作、ブラッド・ピッド主演の「ジョー・ブラックをよろしく」。
ブラピ人気盛んな頃の公開だったので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。


ご覧になっていない皆様のために、大まかなご紹介をば☆


物語の始まりは成功した実業家、ビル(アンソニー・ホプキンス)の部屋。
ビルは65才の誕生パーティを控えたある日、心臓の発作を起こして不思議な
声を聴きます。
それは 「死」からのお迎え予告。
ビルには医者をしている美しい娘スーザン(クレア・フォラーニ)がいて、彼女は
おりしもコーヒーショップで、この町に引っ越して来たばかりの気さくな青年
(ブラッド・ピット)と知り合ったばかりでした。

常日頃から、「生きることと恋の情熱」を娘に熱く語るビルを見ていた 「死」は
ふとした気まぐれから人間世界を体験したいと望み、青年の身体を奪って
乗りうつります。
スーツを着た青年の姿でビルの前に立ち、死出の旅をしばらく猶予する代わり
彼の家に住むことを宣言する 「死」。
この時、「死」が人間として名乗る仮の名前が 「ジョー・ブラック」 というわけ。
スーザンの方では、コーヒーショップで出会った男性とは別人だと気づかないまま、
ミステリアスな魅力に惹かれ、さらに深く彼を愛するようになります。
やがて 「死」もスーザンに恋してしまい、彼女を父親ともども 「あの世」に
連れて行こうと決心するが・・・というストーリー。


冒頭、普通の人間として登場した時とはがらりと雰囲気が変わって、もの静かで
神秘的な美貌の 「死」を演じるブラッド・ピットも冴えていましたし、彼が初めての
人間世界を楽しむ演出がなかなか面白かったですね〜。
「ローマの休日」 をもじるなら 「死神の休日」 でしょうか(笑)、なぜか 「死」が
ピーナツバターを大好きになって、子供みたいにスプーンをくわえて廊下を
ウロウロしたり、ネクタイがうまく結べなかったり。
ベッドのスプリングが珍しいらしくて(笑)座ったままぴょこぴょこ跳ねる様子も
可愛かったなあ。
周囲の人々がいぶかりながらも、ジョーのどことなく超然とした雰囲気に呑まれる
様子や、ラスト近くで彼の正体を理解するスーザンのせつない別れの演技など、
現実離れしたストーリーにもかかわらず観客を納得させる力がありました。


「死」が人間の形をとって現れ、生きている人間に恋をするというところが、
「エリザベート」との共通点ですね。
ま、トートは誰かに乗りうつっているわけではありませんが。


大切なのは、「死」が人間によせる想い、ルキーニ言うところの
「偉大なる愛 ウン・グランデ・アモーレ」かな。
ラストシーンで、ビルがジョーと一緒に美しい夜の花火を見つめながら語る言葉も、
胸にしみ入るようで、大好きでした。


冷たいだけの存在であった「死」も、愛を知ったことで変わります。
「死」は最後の最後に、クリスティーヌをラウルと共に行かせる
ファントムにも似ているかな。
いくら強く求めていても、自分のものにすることだけが愛の証ではないのだと
いうことを理解する 「死」。 
悠久の時の流れの中で、永遠の孤独を噛みしめるであろう 「死」。


舞台とはまた違う切なさと、しみじみとした情感があって泣けるのですよ、これが。
「エリザベート」がお好きな方なら、さらに楽しめるであろうこの映画、
ぜひ一度ご覧になることをおすすめいたしますわ。


・・あっと蛇足ですが、公開当時、唇をふるわせるブラッド・ピットの繊細な
表情が評判をさらった、スーザンとのラブシーンは必見です。
ぜひお楽しみになさってね♪





      というわけで、ホワイエにおつきあい下さって、
      ありがとうございました(^^)







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