──私立・鳳雛学園、高等部。

 その名の通り、将来素晴らしい大物になると期待される、特にすぐれた才能をもつ──神童と呼ばれる者達が集う学園。
 小中高の他にも大学・大学院まであり、学園敷地内には膨大な書庫を有する図書館や食堂・スポーツ施設の他にも、病院や銀行・遊楽施設なども点在し…ある種の都市のような状態になっている。
 学園に通う全ての学生は、最低限の衣食住の保証をされる好待遇。
 希望者には無償で寄宿舎を提供し、個人個人の状況に応じて奨学生制度も設けてある。

 小中高は基本的に10のクラスに分かれており、振り分けはアルファベットでA〜J。
 そのうちのA〜Iクラスまでは、学力・能力を均等に選別し割り当てられているのだが……最後のJクラスだけは、各々の学年で最も秀でた生徒だけが集められている。


 その生徒達を、通称『joker』と呼んでいる…




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  Other Joker 〜ROOM 2〜
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 某月某日。
 本日もとても穏やかな快晴に恵まれた日曜日…

「おはよぉさん♪ 今日は工藤もおるんやろ? 皆でどっか遊びに……」

 …朝早くとある部屋に訪れた青年は、ノックもせずにその部屋の扉を開け…声高々に満面の笑みで固まった(笑)。


 彼は、鳳雛学園・高等部2年J組に在籍している服部 平次。
 言わずと知れ…てないかもしれないが、少し前までは『西の高校生探偵』として関西では(それなりに)有名だった人物。
 高校1年の時に比べられていた『東の高校生探偵』に挑戦する為に上京し…ものの見事に場外ホームラン(笑)。
 自分と比べられるには余りにも上である相手に、彼は一瞬で敗北を認め、それ以来なにかと自分向上の為と言っては『東の高校生探偵』の傍をうろつく(…)ようになり…
 …今年、高校2年になると同時に此処、鳳雛学園に編入してきたのだ。

 入学よりも難しいと噂される編入試験も楽にクリアし、なんの問題もなく『joker』の一員となった彼曰く、

「優秀なやつの傍におったら、それだけで勉強になるやろ♪」

と、いう事らしい。

 当然の事ながら、その『東の高校生探偵』と言うのが、鳳雛学園が誇る最強の『joker』、工藤 新一であることは言うまでもない…。


 ──その彼に少し遅れて部屋を訪問した茶髪の青年。
 彼は服部 平次氏の凝固具合(笑)を不思議に思い、

「服部君? どうか……」

と、呟こうとし、同じように固まった(笑)。


 白馬 探。彼等と同じく高等部2年J組に在籍している、服部 平次氏の同室。
 彼は元々ロンドンでは名の知れた探偵で、高校進学の際に母国である日本に帰国。そして、この鳳雛学園に入学した。
 入学当時は普通クラスに在籍していた彼だったが、2年に進学する時にはその功績(?)が認知され『joker』の一員となった。
 父親が警察官僚であることもあり、何かと事件解決の手伝いをしている彼が、今もっとも力を入れているのが『怪盗キッド』。
 海外でもその名は知れ渡っており、シークレットナンバーまでついている世紀の大怪盗。
 マジックを使い人々を魅了し、義賊を思わせる振る舞いを続ける彼の真意を探ろうと、キッドに関するの情報は貪欲に調べ…同じマジックの使い手である自分と同じ『joker』の黒羽 快斗にも意見を聞いたりしている。

 …その快斗が自分の追っている『怪盗キッド』だとは露知らず(笑)。





 ──そして。
 何故その彼等が1人は満面の笑みで、もう1人は無表情で固まっているのかと言うと…


「るせぇ…」
「……ノックしろって、いつも言ってるだろ? 服部君?」

 1人は唸り声を上げ、もう1人は溜息混じりに常識を問う。

 当然ながら、2人はこの部屋・304号室の住人である。
 それは部屋を訪問した服部 平次氏もよぉく解っている事で、だからこそ、今この部屋を訪れているのだが…

「だれだ…?」
「んー? 服部と白馬。何処か遊びに行くみたいだけど?」
「………ねみぃ」

 未だに満面の笑みと無表情で固まっている彼等には全く気付かず、ただその騒々しさで誰かが来た事を悟った名探偵──新一は、寝惚けた頭で隣にいるルームメート──快斗へと問う。
 唯でさえ朝が弱い新一である。まして昨晩は…………まあ、色々あったので寝たのは夜明け前。←沈黙の長さで察してクダサイ(爆)
 そんな新一が了承する筈はないと思いつつも、快斗は来客者の訪問理由を正確に読み取り伝える。
 すると、予想に違わず新一は一言呟き、隣で横たわる快斗に寄り添う様…再びベッドの上で丸くなった。


 ……その2人の状態に問題があったらしい。


「………お前等…、少しは慌てたりせぇへんのか…?」
「今更デショ?」
「…………先生だったらどうするつもりですか;」
「その辺は抜かりないからご安心を♪」

 快斗の自信満々な発言に、野暮な質問をした2人は揃って、

「…せやな」
「そうですね…」

と、溜息を付いた…。


 現在の状況。

 訪問者1:服部 平次氏→部屋の扉を開けたまま脱力。
 訪問者2:白馬 探氏→服部 平次氏の後ろで頭を抱える。
 住人1:工藤 新一氏→自分のベッドにてご就寝。
 住人2:黒羽 快斗氏→工藤 新一氏のベッドに相席。←?


 …ちなみに。
 快斗は2人の気配を感じ、彼の訪問直前には目を覚ましていたのだった…。


「ともかく。新一はこの通りだし、遠慮しておくよ」
「りょーかい。ほな、また昼過ぎにでも声かけるわ。その頃なら起きてるやろ?」
「多分ね」
「…折角工藤君もお休みなんですから、少々息抜きも必要でしょう」
「──OK。悪いね」

 クラスメートが何を思って誘ってくれているのかを悟った快斗は、そう言って2人に手を振る。

 神童が集まるこの鳳雛学園でも更に秀でた『joker』の一員。
 …ましては彼等は新一と同じ『探偵』なのだ。

 そんな彼等が、『名探偵』と呼ばれている新一の心労を知らない訳がない。


 快斗の礼とは思えない礼に、2人は苦笑しつつも部屋を後にする。
 その際… 

「ああ、そうや黒羽?」

「…仲が良いのは結構ですが、余り工藤君に無理をさせないで下さいね?」

と、忠告を残し出て行く。


 その言葉に、パタン…と閉められた扉を唖然と見つめていた快斗は、数秒後にくすくすと楽しそうな笑みを零した…。






【桜月様後書き】
 後書きと書いて言い訳と読む。

…スミマセン。←冒頭からそれ?
こんなものを15000hit祝いに持ってくるオレは最低デス。
ええ、しっかり自覚してるのでどうかお手柔らかな(?)苦情をお願い致しまス(土下座)

──ともかく。久し振り(…)にROOMです!出したかった他の『joker』が出せて自己満足!←マテ。
元々このシリーズ(?)で、あの2人は当て馬じゃないだよ。これがまず珍しい(笑)
んでもって仲良しこよしデス(ぇ)。快新の図式(笑)も認知している上になんだか協力的です!

……次は学校編…生徒会長を登場させたいなぁ(妖笑)←いつだよ。



【薫月の幸せコメント(笑)】
んふ〜vv(妖笑)
頂いちゃいましたよROOMの続きv当て馬じゃない2人が新鮮で新鮮で♪(酷)
理解ありありな2人が何やらいい感じです☆
んでもって新一さんが可愛くってvv
パソ前でぐふぐふしてしまいましたわ♪
でも新婚さん(違)のお部屋はきちんとノックして入らなきゃいけませんよね♪うんうん。
雪花姉こんな素敵ブツをお祝いにくれてありがと〜v次回も待ってるわvv←だから強請るなってι

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