逃げられない様に嵌められた手錠と足枷

窓もなく日も射さない部屋

お前以外の誰かと口を利く事も

お前以外の誰かの顔を見ることもない日々


この狂った楽園に縛り付けられてもうどれ位経つのか


逃げようと思えば逃げられる

けれど敢えてそれをしないのは


この状態が俺がお前に捕らわれているのと同時に

お前が俺に捕らわれている事になるから

(04/02/20)






真っ白な真っ白な咎人の衣装

それはまるで黄泉の国に向かう為の白装束の様で

闇に映えるあの白は

まるで自分を殺して欲しいと言っている様で

耐え切れず手を伸ばした


ずっとずっと欲しいと想っていた白い鳥は

まるで温もりを求める様に

まるで救いを求める様に

俺に堕ちて来た


だから秘密

俺があの衣装が

死に装束の様なあの真っ白な衣装が

赤色に染まる所を見た事は

だからそれから引き離した事は

彼には言えない俺だけの秘密

(04/02/23)






白い白い頬に手を添えて

蒼から零れ落ちた雫に唇を寄せる


慰めだとか

傷の舐め合いだとか


きっと他人から見たらそんな関係で

けれどそれでも俺は幸せだから


愛情なんて大げさな物は望まないから

だから今はただ抱き締めさせて?

(04/02/24)






審判者と罪人

貴方と私は相容れぬ者


どこかで交わる事も

どこかで重なり合う事も


本当はありえることのなかった事項


けれど貴方は闇を見て

闇を見たからこそ輝きを増して


だから一人暗く笑う


貴方が闇に捕らわれて良かったと

(04/02/25)






欲しいのは

愛とか恋とか

そんな生温い物じゃなくて


優しさとか愛しさとか

それらを超える嫉妬と執着


綺麗な物なんていらないから

欲しいのはお前の苦しみと痛み


だから少しでも分けて欲しいと思うのに

与えられるのは砂糖菓子の様な甘いものばかり


俺はお前が持つ痛みが欲しいのに…

(04/02/26)






貴方が望むなら

何だってかなえて差し上げますよ?

私は貴方が仰る通りの『魔法使い』ですから


ですからどうぞお望みのまま仰って下さい

貴方の為にする苦労ならそれは苦労ではなく

寧ろこれ以上ない程の極上の楽しみになるのですから


ですから仰って下さい

貴方の望むものは何ですか?

(04/02/28)






俺の望むものは唯一つ

けれど其れを叶えられるのはお前じゃない


オレガホシイノハオマエジャナイオマエ


だから叶えてくれるというなら

俺の望む物を与えてくれるというのなら


全てを終わらせ、そして…

早くその衣装を脱ぎ去って?

(04/02/29)






叶わぬ恋なのは百も承知

けれどこれは一生に『最初』で『最後』の恋

貴方に逢えただけで信じてもいなかった神に感謝さえする程に

信じてもいなかった運命を受け入れてしまった程に


目に映るのは、色鮮やかに変わった世界

その中でも一際鮮やかに輝くのは貴方の瞳


だから…叶わなくても良いから…

せめて見詰める事だけは許して下さい…

(04/03/01)






お前があの白い鳥を追ってるのは知ってる

あの白い幻を求めてるのも知ってる


アレハオレダケドオレジャナイ


本当の事を告げようと何度思ったかしれない

けれどお前が求めてるのは俺じゃない


俺があの白い鳥だと言えたら良かったのに…

(04/03/02)






甘い甘い桃の香り

三色のお餅に、彼に合わせて甘い甘いお酒


こんな行事は自分には無縁だと思っていたのに

まさかこんな風にお祝いして貰えるなんて

くすぐったいけれど酷く温かい


願った幸せを叶えてくれたのは

他でもない貴方達…

(04/03/03)




top詩再録第三段。
密かに(04/02/20)は自分的にお気に入りだったり(爆)

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