今までここまで興味引かれたモノなんてなかった

今までここまで欲しいと思ったモノなんてなかった


何を犠牲にしても

何を餌にしてでも

手に入れたいと思った


暗号は凝りに凝った傑作

舞台は彼と初めて出逢った思い出の地


ここまで完璧に仕上げられた舞台で

名探偵、君はどうその役を演じる?

(04/11/11)






時々ふと思う

この幸せは実は全て夢なのではないかと


時々ふと思う

目が覚めたら全ては消え去っているのではないかと


時折意味もなく襲ってくる寂しさ

時折意味もなく零れ落ちる涙


それはきっと

それだけ君を愛しているという証

(04/11/12)






束縛とか嫉妬とか

きっと自分は一生そんな物に縁はないと思っていた

けれどそれが自分にも関係あるものだと知ったのはつい最近


真っ白な魔術師に上がる黄色い歓声

黒い奇術師は老若男女を問わず皆の人気者


でも、そんな彼も大好きだけど

時たま彼は俺だけのモノだと叫びたくなる


けれどそんな事は出来ないし、する権利もない

だって彼は皆に望まれている『魔法使い』なんだから


だけど…ほんの少しの時間だけでいいから

俺だけの『魔法使い』で居てくれないか?

(04/11/13)






束縛とか嫉妬とか

きっと自分は一生そんな物に縁はないと思っていた

けれどそれが自分にも関係あるものだと知ったのはつい最近


美貌の名探偵の推理に吐き出される感嘆の溜息

狡猾に犯人を追い詰める彼は世間に必要とされる優秀な名探偵


でも、そんな彼も大好きだけど

時たま彼は俺だけのモノだと叫びたくなる


けれどそんな事は出来ないし、する権利もない

だって彼は皆に望まれている『名探偵』なんだから


だけど…ほんの少しの時間だけでいいから

俺だけの『名探偵』で居てくれないか?

(04/11/14)






干渉し合わない関係が理想

踏み込まない事が密約


無意識下で交わされる会話

伝えなくても届く思い


お互いに大切なものがあり過ぎて

お互いに柵が多過ぎて


もう一人の意思では動けなくなってしまった


だから、せめて相手にとってだけは

足手纏いにならない様な自分でありたい

(04/11/15)






偽善者で薄情者で

他人になど興味はないのだと思っていた


他人には触れられたくない傷がある

それを『真実』という名を笠に暴き出す存在

『探偵』なんて言ったって

唯の一人の人間に過ぎないのに


軽蔑と嫌悪感の混じる瞳で君を見詰めた

けれど返って来たのは綺麗な綺麗な蒼


気付いたのは自分の浅はかさ

解ったのは君の悲しみ


壊れる寸前の硝子細工の様な君を

この命朽ちるまで守り続けたい

(04/11/16)






夢を見て飛び起きる

頬に伝う透明な液体


枯渇する事のない泪と

それとは対照的に乾いていく心


君という人が居なくなったこの世界は

急速に色を無くしていく


愛だとか夢だとか

幻だと思ったものが一番大切だったと気付いたのは

その大切だったものが無くなった瞬間

(04/11/17)






深夜の追いかけっこ


君を見る瞬間

心ざわめく時


触れてはならないと自分を戒める

立場が違うのだと自分に言い聞かせる


所詮は『怪盗』と『探偵』

相容れる存在である訳がない


愛していると、大切なのだと言う事は簡単

けれど護り抜く事は困難


だから秘密

『私』が『俺』である事は永遠に秘密…

(04/11/18)






出逢いが運命なら

俺達が出会う事が必然だったのだとしたら

俺達の別れもまた必然だった


交わらない未来

消え去らなければならない過去


切り捨てた筈の物を守る為に留まったのは君

全てを消し去る為に旅立ったのは俺


決して俺達の未来は変わる事はないけれど

それでも、想いはずっと変わらないから…

(04/11/19)






眠い目を擦りつつ

ついつい眠りに負けそうな身体に

コーヒーという名の不眠薬を投与して


待ち焦がれるのは他でもない白い怪盗

彼が現れるのは何時も真夜中過ぎ


俺を不眠症にしたくないなら

1分でも1秒でも早く来い

(04/11/20)




top詩再録第十段。
やっぱり間の十個フッ飛ばしたのは痛かったな;←詳しくは今日付けの日記参照。

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