ふかふかのお布団

何だかそれだけで幸せじゃない?










ふかふか










「ん〜♪ ふかふか〜♪」

 今日はお天気が良かったから、干しておいた布団がふかふかなんだよね〜♪


 ベットに横になって心底幸せそうに布団に頬擦りをしている快斗を横目で見ながらも、相変らず椅子に腰掛けたままの新一の意識は手の中にある推理小説にあって。
 それが面白くなくて、快斗は一人盛大にむくれる。


「新一♪ こっちおいでよ〜♪」
「後でな」
「し〜んいち♪」
「………」
「新ちゃ〜ん♪」
「………」


 必死の呼びかけも推理小説には勝てなくて。
 仕方なく快斗は布団の上に転がったまま、新一の端正な横顔を眺める。


「新一ってばほんとに美人さんvv」

 肌なんか新雪みたいに真っ白だし、唇は紅を引いたみたいに綺麗な赤だし。
 何より一番大好きな瞳は綺麗な綺麗な蒼色で、静かな水面みたいでずっと見ていたら吸い込まれそうv

「………頼むからやめてくれ…///」


 自分の素直な感想を口に出していたら、真っ赤になってしまった新一に快斗は首を傾げる。


「何で? ほんとの事なんだよ?」

 綺麗なものを綺麗って褒めてるだけなのに。

「恥ずかしいんだよ…///」

 大体男にそんなに綺麗、綺麗って連呼するもんじゃねえだろ。

「恥ずかしがる事ないのにv」

 だって綺麗なんだからしょうがないでしょ?


 更に真っ赤になって俯いてしまった新一の意識はもう推理小説から離れていて。
 その事が解ったから快斗はベットから降りて新一の所まで行くと、手の中の推理小説に栞を挟んで閉じてしまう。


「ねえ新一。一緒お昼寝しよ?」

 お昼寝にはちょっと遅い時間だけど、お布団がふかふかだから♪


 そう言って真っ赤になってしまっている新一を椅子から抱き上げる。


「は、離せってば!///」
「い〜や♪」


 新一を抱いたまま、ぽふっとベットに倒れこんだ。


「ね? ふかふかでしょ?」
「ん…確かに」


 布団に頬ずりをする快斗の真似をして新一も布団に頬ずりをしてみる。
 ふかふかの布団からは太陽の暖かい香りがしてくる様で新一も思わず頬が緩む。


「何かこうしてると幸せvv」
「ん…解らなくねえかも」


 太陽でふかふかになった布団で、暖かい体温に包まれて。
 何だか酷く眠くなってくる。


「ねえ新一?」
「………んっ…」


 既にとろんとしてしまっている新一に快斗は目を細めると、すっかり閉じてしまった瞼にそっと口付けた。

 ふかふかのお布団は気持ちいし、どうやら安眠効果もあったみたいだし…


「やっぱりふかふかって良いよねvv」









END.


桜月様のサイト開設記念に贈りつけたブツ。
かなり迷惑な贈り物ですι(爆)
自分、繰り返しの題名好きなのかも…。


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