ガタン

 バタン

 パリン


 崩れ落ちていく音が心地良かった










落下と崩壊と信じるという事











「っ……」


 何が辛くて泣いているのか。
 何が悲しくて泣いているのか。

 もう分からなくなってしまって。

 それでも涙は止めどなく零れ落ちてくる。


 全て壊しきって。
 全て崩しきって。
 何もかも捨て去ってしまったら。


 人は幸せになれるのだろうか?






























 見たくもない光景を意図せず視界に入れてしまったのはつい二時間程前の事。


 今日の昼間、珍しく新一から快斗にメールをした。

 世間は浮かれ気分のGW。
 それに便乗して、偶には夕食にでも誘おうかと思った。
 いつもいつも、彼ばかりに誘わせてしまってほんの少しだけれど、申し訳ないと思っていたから。

 けれど返ってきた答えは、


 『ごめん。今日はこないだの仕事で受けられなかった分の補習で、明日は英語のテストがあるんだ。
  だから今日はホントに悪いんだけど、パスさせて。折角誘ってくれたのに本当にごめん。』


 そんな答えだった。


 それ以上深読みなどする訳がなかった。
 ソレは納得するだけの材料が組み込まれていたし、疑いもしなかった。


 あの光景を見るまでは。






























 書斎に籠もり、手当たり次第に物を投げて、落下させる。
 何もかも壊れてしまえばいいと思った。


「っ…そうならそうだってはっきり言えばいいじゃねえか……」


 母親が大切にしているアンティークも。
 父親が大切にしている万年筆も。
 自分が大切にしている本も。


 床に落ち、傷付いてくそれらを見ていると少しだけ心が晴れる気がする。


 きっと後で正気に返ったら後悔するのだろう。
 けれど、今はそうでもしなければ此処に居られない気がした。

 この世界に存在している為には全て壊しきってしまいたかった。






























「それなら最初からそう言えば良かったんだ……」


 心が壊れてしまわない代わりに、涙ばかりが零れ落ちていった。






























 彼からメールを貰って、それならば仕方が無いと本屋へと出かけた。
 その途中その光景を目撃した。
 いや、目撃してしまった。

 細くしなやかに均等にバランスのとれた身体つきの長い綺麗な髪をしたきりっとした美女。
 そしてその隣には―――まるで当然の様に彼が居た。

 しかも、補習帰りとは到底思えないような、私服姿。

 余りにもお似合いで。
 一瞬目を奪われてしまった。

 その二人が楽しげに話しをしながら歩いて行くのを新一は唯々見詰め続けることしか出来なかった。






























「何が補習だよ…」


 ふざけるな。
 そう叫んでやりたかった。

 けれど叫べる程の元気もなくて。
 けれど泣く事しか出来なくて。

 視界に入った物達を気付けば傷付けてしまっていた。


 他のモノが傷付く事でしか、自分の傷は癒せない気がした。






























 ―――ピーンポーン














 ―――ピーンポーン…






























 すっかり全て崩しきって。
 やっと少し気持ちが落ち着いた所で、耳障りなチャイムの音が響いた。


「誰だよ…こんな時間に……」


 視線を部屋の隅の古時計に向ければ、時刻は午後十時。
 普通の感覚の人間ならば人様のお宅を訪ねるには少々遅過ぎる時間だ。

 とてもじゃないが、出る気にはなれなくて。
 今は誰にも会いたくなくて。

 床の上に膝を抱えたまま暫く蹲っていれば、見知った気配を感じた。


「新一! 一体どうしたの!?」


 少し時間が掛かったのは新一を探していたからだろう。
 書斎の惨状を見て、新一の所へ駆け寄ろうとする声に、少しだけ浮上していた気分がまた悪くなった。


「新一? 大丈夫…? 一体何が…」
「煩い…」
「えっ……?」
「煩いって言ってんだろ!」


 もう何もかも嫌で、手近に落ちていた本を掴んで思いっきり快斗に向かって投げつけた。
 けれど、向こうも怪盗。
 反射的に見事に受け止めてくれた。

 それが余計にムカついた。


「ちょっ…新一! いきなり何す…」
「何しに来たんだよ。テスト前で大変なんじゃなかったのか?」
「いや…、あのね、新一に渡したいモノがあって…」
「いらない」
「新一…? ねえ、一体何が…」
「もうお前の顔なんか見たくない」


 何事もなかったように。
 何も自分が知らないと思って話しかけてくる快斗に嫌気が差して。

 胸をせり上がってる来るのは嫌悪。
 自分以外と一緒に居た彼に対する憎悪。


「ちょっと待って! 一体どうしたの?」


 こちらに近付いて来ようとした快斗に新一は手近にあったモノ達を片っ端から投げつける。

 母さんが大切にしていたアンティークの手鏡。
 父さんが一番大切にしていた万年筆。

 そして、最後に自分が大好きで大好きで堪らない四つの署名まで。


 けれど、それらはどれも快斗に当たる訳でもなく。
 かと言って、床に落下して嫌な音を立てるでもなく。

 こういう時は嫌味にしかならない奴の運動神経の良さの前に、快斗の腕の中へと全て納まってしまう。
 そして、蹲るようにして座っていた自分までも。
 その温かい腕の中に包み込まれてしまう。


「新一…。一体何があったの?」


 優しく優しく、労わる様な声。
 一瞬その声に全てを預けそうになって、慌てて我に返る。

 そうだ。
 いつだって彼は優しい。
 誰にだって……。


「触るな! 離せ!」
「ちょっ……新一、何す……っ……」


 夢中だった。
 ただ快斗の温もりを感じて居たくなくて。
 きっとこのまま抱き締められていたら全部赦してしまう。そう思ったから。

 だから手近に落ちていたモノを掴んで、咄嗟に快斗の腕に突き立てていた。
 それが何かも確認せずに。


「快……」


 漸く、快斗の腕が新一の身体から離されて。
 やっと視界が晴れた所で――――そのモノの正体に気付いてしまった。

 ただ単に手の届く距離に落ちていて。
 ただ単に掴み易くて。
 ただ単に軽く突いたつもりの筈だったのに。

 快斗の腕に刺さっていたのは―――綺麗な色の……細いナイフ。

 細く薄いソレは確かダーツのナイフで。
 父さんに一度見せてもらった事のあったモノ。


「快、斗……」


 自分が彼を差したのだという事と。
 彼の腕に赤が滲んでいる事と。

 一瞬何が起きたのか分からなくて。
 そして理解した瞬間に、どうしようもない恐怖が襲ってきた。


「快斗! 快斗!」


 刺したのは自分だと言うのに。
 彼の名を叫びながら、彼を抱き締めていた。


「新一…。大丈夫だよ、大したことないから」
「大したことないって…」


 確かに大して殺傷力のある刃物ではない。
 けれど、それでも―――。


「ごめん。俺……こんなつもり……」


 何を、と思う。
 こんな事言ったところで何も変わらない。
 何も……唯の言い訳にしかならないと自分が一番良く分かっているのに…。

 それでも冷静さを失った頭は。
 どうしようもなく痛む心は。

 訳も分からず言葉を発していた。


「分かってる。新一はただ、俺から逃げようとしただけだ…」


 ポタっという嫌な音が新一の耳に届いた。
 零れ落ちたのは残酷な程に毒々しい赤。

 目の前が真っ暗になる。


「新一!」


 意識が途切れる途中。
 快斗が必死で自分を呼ぶ声に少しだけ笑えた気がした。








































「んっ…」


 ゆるゆると意識が浮上して重い瞼を上げれば自分を覗き込んでいる優しい顔が一番最初に目に入った。


「新一。大丈夫?」
「ん……」


 そこで漸く、リビングのソファーの上で快斗に抱き締められているのだと分かった。


「ビックリしたよ。いきなり倒れるんだから…」
「悪い……」


 快斗の血を見た時、言い様もない自己嫌悪で気持ちが悪くなって。
 吐き気にも似た感情が、どろどろと身体中を侵食して。
 気付けば目の前が真っ黒になっていた。


「でも、気がついて良かった。どこか痛いとか、気持ち悪いとかない?」
「…ない……」
「そかそか。じゃあ、後で落ち着いたら哀ちゃんに一応見てもらおうね?」
「んっ…。快斗、こそ……怪我…」
「大丈夫。大して刺さっても居なかったから唯のかすり傷だよ」
「でも…」
「じゃあ、俺も明日一緒に哀ちゃんの所行って見てもらうから。それでいい?」
「ん…」


 いつも通りに接してくる快斗にこくんと小さくひとつ頷いて。
 ぎゅっと快斗に抱きつくと、その胸に顔を埋めて目を閉じた。


「新一…ねえ、一体何があったの?」


 優しく、それでも真剣に聞かれた言葉に最早隠しておく事は出来ずに、新一はそのままの状態で口を開いた。


「見たんだ。俺…」
「何を?」
「……お前が、今日…誰と居たのか」
「えっ…?」
「…お似合いだった」
「し、新一…それって……」
「あれだけ美人な人じゃ俺なんか勝ち目ねえよな…」


 我ながら情けないと思う。
 本当なら堂々としていればいい。
 自分が彼の恋人なのだと。

 でも、それだけの自信は新一にはなかった。


「……新一、それどこで見たの?」
「本屋の近く…」
「いつも行ってるとこ?」
「…んっ……」
「そっか…」


 よしよしと撫でてくれる快斗の手が温かくて。
 その温かさに泣けてきた。

 手放さなければいけないのは分かっているから。


「ねえ、新一」
「……?」
「信じて……くれる? 俺を」
「快斗…」


 珍しく、自信なさ気に紡がれた言葉に新一は顔を上げると、泣き濡れたままの瞳を快斗へと向ける。
 新一の泣き顔を見て、快斗は辛そうに顔を顰めた。


「『そうじゃない』『違うんだ』そういうのは簡単だ。
 でも…それを新一が信じてくれるかどうかは、俺はどうしようもない。ただ…俺は、信じて欲しいって言うしかないんだ」
「………」
「ねえ、新一。俺は、新一だけだよ? 新一が一番大切なんだ」


 真っ直ぐに新一へと向けられた視線は余りにも真摯で。
 真っ直ぐに新一へと向けられた視線は余りにも切なくて。

 新一は何も言うことが出来ずに、ただ快斗に強く抱きついた。


「新一。これだけは信じて。俺は―――新一だけを愛してる」


 抱き締められて耳元で紡がれた睦言にゆっくりと瞳を閉じる。

 温もりと。
 安らぎと。

 全て彼が教えてくれたモノ。


「……信じるよ」
「新一…」
「俺は、お前を信じる」


 言葉にしてしまえば、簡単だった。

 彼を見た時、殺してやろうかと思った。
 彼が来てくれた時、本当は嬉しかった。

 温もりと。
 苦しみと。

 安らぎと。
 憎しみと。

 そして―――愛しさ。

 考えられないぐらい、多くの感情を新一に教え込んだのは紛れも無くこの目の前の男だ。

 裏切られても。
 捨てられても。

 きっと、彼を嫌いになる事など出来ない。
 それ程に、新一にとって彼の存在は大きなモノになってしまっていた。

 それが恐怖であり。
 それが幸せなのだと思う。


「お前が…お前が信じろって言うなら……俺はお前を信じるよ」


 騙されたっていい。
 裏切られたっていい。

 信じて信じて信じ切って、裏切られるなら悪くない。
 この自分を抱き締めてくれているこの男ならば、それも悪くない。

 そんな風に思えるのが不思議だった。


「ありがとう…」


 おもいっきりぎゅっと抱き締められて。
 その腕の強さに苦しくはなったけれど、新一は快斗の腕の中、それでも微笑んでいた。

 傍に居てくれる。
 それだけで、こんなに幸せになれるから。


「……好きだよ、快斗」
「新、一……」

「愛してる」


 快斗の顔を見て言える程、まだ新一は素直にはなれなくて。
 快斗の胸に顔を埋めたまま、小さく小さく呟いた。



「明日もしお前が居なくなっても。明日もしお前の気持ちが俺から離れても。―――俺はずっとお前を愛してる……」






























「で、どういう訳なんだよ」
「えっ…?」
「だから、信じろっていう理由を聞かせろって言ってんだよ」


 抱き締めて。
 抱き締められて。

 泣いて泣いて、涙も乾ききった頃、新一はそう言って顔を上げた。

 勿論さっきまでの素直さも。
 さっきまでの可愛らしさも。
 微塵も感じさせない、いつもの顔で。


「あー…えっと……」
「…さっさと言え!」
「あの、さ…」
「何だよ…」
「あと、五分待ってくれないかな…?」
「……何だよ。あと五分言えない理由でもあるのかよ」
「あー……う、うん……」


 口篭ってしまった快斗を新一はじっと睨みつける。

 信じると言ってしまった手前、信じるしかないのだが。
 それでも疑ってしまう気持ちは消せなくて。

 自分が一番だと。
 愛していると言ってくれた口が、後五分後に何を紡ぐのか正直に言えば怖くて。

 ぎゅっと目を閉じて、再び快斗の胸に顔を埋めた。


「新一…?」
「あと、五分なんだろ?」
「う、うん…」
「だったら…このまま待っててやるよ」


 目を閉じて。
 暗闇の中、彼の体温と鼓動を感じる。

 とくん、とくん、と聞こえる音を暗闇の中で聴くのは酷く安心できた。










 ―――ボォーン…ボォーン……










「新一。顔、上げて?」


 古時計が丁度午前零時を指したのが、その音で分かった。
 快斗の言葉に新一が顔を上げれば、酷く柔らかく笑った顔がそこにはあった。


「お誕生日、おめでとう」
「えっ…」
「今日は5月4日。新一の大好きなホームズがモリアーティー教授と滝に落ちた日。
 きっと新一は先にそっちを思いつくんだろうけど、今日は俺の大好きな新一君のお誕生日」
「あっ…」
「忘れてた?」
「ああ…」


 それ所では無かったというのもあるが、新一は余りそういう記念日に執着が無い。
 周りが祝ってくれて漸く気付く、というのが毎年のパターンだった。


「はい。お誕生日プレゼントv」


 にっこりと笑った快斗に差し出されたのは小さな小さな箱。
 快斗から身体を離し、それを受取ると新一はその箱をまじまじと見詰めた。

 小さな箱は綺麗な青い包装紙に包まれ、淡い水色の細いリボンが綺麗にかけられている。


「開けてもいいのか?」
「どうぞ、どうぞ」


 するっと細いリボンを解く。
 「ビリビリにしていいのに」と苦笑する快斗は置いておいて、丁寧に止められているセロハンテープを剥がして包装紙を取り去る。

 中から出てきたのは小さな黒い箱。
 ドキドキしながらその箱を開ければ―――出てきたのは綺麗な透明な石。
 その石をそっと人差し指と親指で持ち上げ、光へと翳してみた。

 綺麗にカットされたその石は光を受け、眩しい程の光を新一へと届けた。


「水、晶…?」
「そ、水晶。もしくはクリスタル・クォーツ。パワーストーンの中でも一番強いお守りって言われてる石」
「お守り…」
「うん。浄化作用の一番強い石なんだって」


 いつも危ない事ばかり、事件ばかり追いかけて。
 背負わなくて良い事も、感じなくて良い事も。
 全て受け入れてしまう人だから。

 彼を守ってくれる様に。
 彼を癒してくれる様に。


「新一を、守ってくれますようにって…思って、さ」
「快斗…」
「俺が新一を護れる時はいつだって、どうしたって俺は新一を護るよ。
 でも、どうしても……どうしても、俺が護れない時もあるかもしれない」


 大切で大切で堪らない人。
 大切に大切に護って抱き締めたい人。

 護れるなら何だってする。
 護れるなら死んだっていい。

 ただの甘い囁きではなく、本当に、切実にそう思う。

 けれど、もし彼が自分の居ない所で危険な目にあっていたら。
 けれど、もし彼が自分の居ない所で悲しい目にあっていたら。

 少しでいい。
 自分の代わりになんて言わない。
 本当に少しだけで良いから―――彼を守って欲しい。


「そんな時に、新一を守ってくれたら良いと思って…」
「それで…お守り…」
「そう。少しでも…新一が危険な目に合いませんように、って」


 大切そうに。
 愛おしそうに。

 新一はその透明な石を両手で包み込んだ。

 彼の想いと。
 彼の願いが籠められた石を。


「快斗…ありがとう……」


 ぎゅっと包み込んだその石が今まで自分の中にあった黒い思いさえ浄化してくれるようで。
 酷く心地良かった。


「でも、ごめんね…」
「ん…?」
「ソレ、今日買いに行ってたんだよ。新一が見たっていうアイツはクラスメイトで、そういう系詳しいからさ…。だから、店まで案内してもらったんだけど…」
「そっか…それで……」
「でも…それで、新一に辛い思いさせた…」


 辛そうに眉を寄せ、ぎゅーっと新一を抱き締めてきた快斗に新一は小さく苦笑する。


「新一…?」
「ったく、それならあんな下手な嘘吐くんじゃねえよ」
「ごめん。新一驚かせたくて…」
「ばーろー。充分驚いたよ」
「うっ…」


 ふにゅぅ…と途端にへこんでしまった快斗にもう一度小さく苦笑して。
 快斗の胸にすりっと頬を擦りつけた。


「さんきゅーな」
「新一…」
「お前、居てくれないと俺はもう駄目みたいだ…」


 きっと傷つけて傷つけて傷つけて。
 どれだけモノや自分を傷つけてもきっと悲しみは消せなくて。

 消えるのはきっと―――大切な人に優しく抱き締めてもらった時だけ。


「俺だってそうだよ。新一が居ないともう駄目だ…。生きてられないよ」
「お前それは流石に大袈裟…」
「大袈裟なんかじゃないよ。本当にそうだから。でも…新一がそんな風に言ってくれるって思わなかった…」
「悪かったな」
「ううん。普段意地っ張りな新一も可愛いからいいのv あ、勿論素直な新一も大好きだけどねvv」
「……褒められてる気がしない」
「そう?」


 くすくすと笑った快斗にむぅっと新一は形の良い眉を寄せて。
 ぎゅーっと思いっきり快斗の背に回した手に力を籠めた。


「ちょ、し、新一…! 苦しいってば!」
「るせー。笑うな!」
「はいはい。もー、可愛いな♪ 新一ってばv」
「煩い!!」


 ぎゅいぎゅいと締め付ける新一に快斗は涙まで浮かべて笑う。
 そして、新一の頭をよしよしと撫でた。


「ごめんね。本当に。でも、新一が俺の事信じてくれるって言って嬉しかった」
「…しょうがねーだろうが。信じるしか…俺には出来ないんだから」
「ありがとう。本当に…大好きだよ。新一」


 快斗は新一の肩をそっと掴むと自分との距離を少しだけ離し、じっと新一の瞳を覗き込んだ。


「ねえ、新一。俺も…もし新一が俺を嫌いだって言ったって、明日俺の事を忘れてしまったって……ずっとずっと愛し続けるからね」


 まるで誓いの言葉の様にそう言って。
 快斗はそっと新一の唇に口付けた。




















 貴方の生まれてきてくれた大切な日に誓うのは

 貴方をずっとずっと愛し続けるということ


















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