喫茶店の実情─Calling for Destiny 番外編─



 ──これは『パジャマでお邪魔☆特別編』である『─Calling for Destiny─』に登場するオリジナルキャラクター、朔良と楓についての説明を含めた小話である(笑)。


 まずはキャラクター紹介から…(え? そこからなの?)


 黒羽 快斗となにやら似たような感性(?)を持っている少女(…)朔良。

 フルネームを水原 朔良。
 誕生日:11月23日。血液型:B型。 身長:162cm。

 見た目は可愛らしい女の子。ただし中身は男(笑)。
 なんで女装をしているのかというと……

「折角可愛い格好が似合うのに、着ないのは勿体無いでしょ?」

 …とのことι

 実際は職業柄、その身元の発覚を恐れての処置。
 現在20歳。良くも悪くも名の通ったハッカー(笑)。
 彼(女)の手にかかれば世の中の全ての情報を操る事が可能…。

 かつらはソバージュのロング(色は茶色)。
 明るく元気な性格だが、実は一番ナニを考えているのか解らない奴でもある。



 そして、その朔良と行動を共にしている少女・楓。

 フルネームは哀川 楓。
 誕生日:1月1日。血液型:A型。身長:155cm。

 長い髪を後ろでみつあみにして束ねている。髪の色は黒。
 アメリカの大学を14歳で卒業している18歳。
 左の横髪と後髪に、自身の発明品である緋色の紐を結んでいる。

 何やら謎を多く持った少女。
 彼女の持つ謎が、これからの物語の要となっていく…




 普段、朔良と楓は都内某所にある喫茶店『CAT』にいる…。


「まーすたぁ…」

 指定席であるカウンターの真ん中に座り、朔良が退屈そうに呟いた。
 その隣に、楓の姿はない…

「…なんだよ」

 厨房で煙草を吸いながら返事を返す男。

 彼がこの店のマスター。
 本名:社 悠樹。年令:不祥(但し、朔良は検索済み/笑)。
 彼に対しての詳細で明らかになっているのは、このマスターが無類の猫好き…だと言うこと。
 店の名前も、そのへんから付いたらしい…(朔良・談)


「ひ〜ぃま〜ぁ」
「…今日は平和だしなぁ…」

 朔良の呟きにマスターも些か退屈そう。


 ──実はこの喫茶店。

 ちょっと複雑な場所にあり、周囲には廃墟ビル。
 近くには何やら怪しげな骨董品屋や薬屋やら…
 店の裏にある塀の向こうはとあるチームの集会所となっている。

 …つまり、治安が悪い、と。


「そう言えば、今日は静かだねぇ。いつも煩いアレは?」

 マスターの言葉に、朔良は今気が付いた様に問い尋ねた。

「今日は隣街とイザコザ」
「あれま…ι」

 あっさりと答えるマスターに思わず苦笑いの朔良。
 このマスターも昔はこの辺りを仕切っていた御方。

 今だにマスターの権力は絶大ι


「それより楓ちゃん、今日はどーした?」

 いつもなら着かず離れず傍にいる朔良が、今日は1人でいるのだ。
 普段の状況を知っている悠樹からすれば、これは異常な事で…

 そう思い尋ねたのだが、

「…マスターってほんと、哀が好きだよねぇ…」

と、言う…的外れな答えが朔良から返って来る。

「ちょっと待てっ! オレの質問に答えてねぇだろっ!!」
「あら? でも好きでしょ?」
「お前の言い方は別意味含んでるだろι」
「……ばれたぁ?」
「わからいでか!!」

 ニヤニヤ笑みを浮かべる朔良にカウンターを叩きつつ言いきる悠樹。
 …この2人にとっては、これも毎日交わされるやり取りである(爆)。


「…で。本当にどうした?」

 少々乱れた息を整え、本題に戻る悠樹。
 そんな悠樹に、朔良も飲みかけだったアイスコーヒーを一口流し入れ、

「ああ、別に何もないよ? マスターが心配してるような事は、まだ何も起きてないから」

 そう、安心させるように答えた。

「今日はただ、バイト先の都合で楓だけシフト入っちゃったンだ」
「…雑貨屋か?」
「交代の時間は過ぎてるから、もうすぐ来るンじゃないかな?」
「は? 1人でか?」
「ンな事する訳ないでしょ? 司馬が送ってくれるってさ」

 朔良と楓がアルバイトをする雑貨屋。
 本来なら、2人はいつも同じシフト・同じ勤務体制でアルバイトをしているのだが…今日だけは都合があり変則状態。
 この雑貨屋に勤める、他の従業員の1人が──仲杜 司馬。


「そういや、“急な仕事が入った”とか言ってたもんなぁ…」
「そ。私達には直接関係ないンだけど…お店の方がね。だから仕方なく」

 …そして。
 この雑貨屋には『裏家業』が存在する。
 朔良と楓がそれをすることはないが、雑貨屋でアルバイトをする際に、一通りの事情は説明を受けている。

 多額の依頼金と引き換えに、秘密裏に処理を行う『掃除屋』。

 行う「掃除」は人から情報まで様々で…朔良と楓、2人以外の従業員は、全てそのメンバーである。
 その為、ごく稀に今日みたいなシフトを急に組まされる時があるのだ…


 ──そんなことを言っていると、店の扉がカウベルを鳴らし開く。

「…こんにちわ」

 入ってくると同時に聞こえた声に、朔良がいち早く反応し、

「お帰り、哀♪」

と、声をかけた。

「ただいま…」
「オレにはなしかよι」
「……司馬もさんきゅー」
「思いっきり付けたしだし(泣)」

 店内に入り着ていた上着を脱ぐ楓に、悠樹が注文を取る。
 いつも通りのものに軽く「了解」と答えていると、残った2人が漫才のようなコント(…)と始める。

 ……これも、雑貨屋では常にある事(笑)。

「ったく。確かに送ったぞ?」
「おうよ! ありがとね、司馬」
「…司馬サン、ありがとうございました」
「ああ、気にすんなって。んぢゃ、またな!」

 諦め半分に呟き、司馬は店内に入る事無く帰っていく。
 彼もこれから『仕事』があるのだろう…


 帰っていった司馬を見送り、楓はカウンターに座る朔良の隣りに腰掛ける。
 そして…

「…見つけたかもしれない」

と、呟いた。
 その声に、朔良はもとより悠樹の動きも止まる。

「ほんと…?」
「まだ不確定だけど…該当しそうな人がいる」

 朔良からの聞き返しにゆっくりと頷くと、楓は鞄の中からノートパソコンを取り出し開く。
 静かに起動し始めたそれは、通常のものに比べて…音が聞こえない。

 …楓自らの手で作った特注品のパソコン。

 悠樹の手から注文したホットコーヒーが渡される。
 それと同時に起動の終えたパソコンを操作していく楓…


 ──楓は、生まれた時からある運命を背負っている。
 そしてその運命のかけらを、この国の誰かが持っている。


 それを見付けだし、ある組織からその人物を守らなくてはいけないのだ…。

 それが、楓の役目であり責任。

 …争いに巻き込んでしまった…せめてもの償い──


「でも哀? 見つけたら…どうするの?」

 楓の事情を偶然にも知ることになった朔良と悠樹。
 2人は、拒んだ楓を押しきってその争いを押さえる為に協力している。

「…話すよ。全部……何もかも」
「信じてもらえなくても?」
「信じてもらえなくても」

 たとえ信じられない話でも…それが真実だから…


「禁断の箱・パンドラを、あの人達に開けさせる訳にはいかないから…」






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いよいよ始動し始めましたねvv(妖笑)これからが更に楽しみなのです☆

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