近 世 文 書 用 語 解 説
No.550 2002/6/1

  右図版は
  江戸後期の仙台城下
  大町芭蕉の辻。
  図版/熊耳耕年画
  「芭蕉の辻図」
  仙台市博物館蔵


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あ 行

相泥む(あいなじむ)
 うっかり早合点する。
上金(あげきん)
 金を藩に上納すること。
麻上下(あさかみしも)
麻織の上下で、江戸時代の武士の正装。戦国の略式礼装だった肩衣(かた ぎぬ)と袴の取り合わせが形式化したもの。
預地(あずかりち)
仙台藩の場合、仙台藩から保管を委任された藩の直轄地の こと。広義には「あずけち」とも読み、(1)無期限小作の場合、地主が 小作人に恩恵的に貸しておく土地の総称。(2)地割の結果、残地を名主が 預る場合の称。(3)預所とも言い、何らかの理由によって幕府がその直轄領 や大名領を他の大名に預ける場合の称。
跡職・跡式(あとしき)
家の相続。家系。跡目とも言う。江戸時代、先代死亡による 相続を跡目相続、隠居による場合を家督相続として区別した。
跡備(あとぞなえ)
 本陣後方の防備軍。
有合(ありあわせ)
 持ち合せ。たまたまそこにあること。
家元(いえもと)
 実家、里方。実方(さとかた)。
板判(いたばん)
 板製の鑑札。判紙に対して板判という。
壱紙・一紙(いっし)
 合計。まとめ。
入作(いりさく・にゅうさく)
他村の百姓が自村に入って耕作すること。逆に自村の者が 他村に入って耕作する場合は出作と言うが、単に入作という場合もある。
印符(いんぷ)(→割符)
受合(うけあい)
 「請合」とも書く。保証すること。
馬指・馬差(うまさし)
宿駅において問屋場の帳付役、検断の下にあって人馬継立(つぎたて)の指図をする者。 人夫も含まれるので人馬指(じんばさし)とも言う。
胡乱ヶ間敷もの(うろんがましきもの)
 怪しい者。
駅(うまや・えき)
 宿場のこと。人馬の継立、宿舎、食糧の提供をする所。
遠行(えんこう)
 遠出。死亡。
大肝入・大肝煎(おおきもいり)
一代官区に一人置かれ、代官の管轄下において、代官の 指図により管内の町場、村方の肝入(肝煎)・検断を支配し、行政・司法・ 警察を分掌した。郡域単位の有力者から選任される民間人で、上下の着用、 苗字帯刀が許された。
大前(おおまえ)
大高持・村役人・宿場・問屋・年寄などの名称。平百姓たる 小前に対して用いた言葉。
大道(おおみち)
36町で1里の距離概念(約4q)。6町1里(600b余) を小道、下道、坂東道などという。
御使番(おつかいばん)
 外交・接待・伝令等の重要職。
御直方(おなおしかた)
 財政立直し方。
御札場(おふだば)
 城下町あるいは宿場において高札を掲げて置く場所。
主立・重立(おもだち・しゅだち)
 仲間内で中心となる人、中心人物。
表(おもて)
 藩主の公務の場。私生活の場は「奥」または「入(いり)」。
表百姓(おもてびゃくしょう)
 検地によって登録された本百姓で、年貢・諸役を負担する農民。
御村渡世(おんむらとせい)
 村民の生活(生計)を立てるための仕事。

か 行

会所(かいしょ)
 町役人、村役人の事務所。代官所をも兼ねた。
抱地(かかえち)
諸士・家中・寺院山伏・町人などが、百姓の土地を譲り 受けたり、散田を耕作した場合に、その土地を抱地と言う。
帷子・帷(かたびら)
裏地をつけない衣装の総称。夏に着る下着としての単衣 (ひとえ)物。白帷・赤帷・染帷の種類があり、小袖の発達につれ、裏なしの 夏小袖も帷と呼び、湯帷から「ゆかた」を生じた。
徒組(かちぐみ)
徒歩で主君に扈従する士。領主が出行する時、先払または辻固めなど警固を する組衆。長を徒頭という。仙台藩の場合、しばしば評定所関係の役も勤めた。
下中(かちゅう)
「家中」の当字。仙台藩特有の宛字で、直臣、陪臣を問わず に用い、また家中の文字とも併用する。一時この文字を禁止したが効果が なかったという。
金山下代(かなやまげだい)
 金山本締の下にあって、鉱山経営の任に当る役。
軽尻・空尻(からじり)
本荷(ほんに)の半量20貫目(約75s)まで、また 荷無しの馬に旅人が乗る場合のこと(人1人と手回りの荷物なら5貫まで)。 本荷(ほんに)は馬一頭に積む荷物の重量で40貫、米なら2俵、約150s。 昭和30年代頃までこの貫目が通用していた。
貫文(かんもん)
仙台藩では年貢の上納高、藩士の知行高を銭の単位で表示 した。寛永21年1貫文(=1千文)は10石(生産高)と定めた。 高50貫文は500石に相当する。
擬作(ぎさく)
擬作高。(1)蔵米、扶持米。(2)知行高(取)の扶持。 名目は擬作のまま、実際は田や畑になっている例がある。
極帳(きめちょう)
 年貢小役を百姓に割付けた帳面のこと。
肝入・肝煎(きもいり)
村方役人で各村に一人、有力な百姓から任命された。 俗に言う庄屋・名主。年貢や様々な上納・戸籍・土木その他の村政を 総括する役職で、今日の村長のような村の代表者。年貢・諸役の割付・徴収、 人別帳・検地帳など村方帳簿の作成保管、百姓条目の徹底、土木普請の具申、 組頭以下の具申、村方所願書・届書の末書などその役目は多岐にわたり多忙 を極めた。
脚力(きゃくりょく)
 文書伝達の役人。飛脚。
給人(きゅうにん)
 給地(知行所)を与えられた平士以上の藩士のこと。
切支丹(きりしたん)
天文18年伝来したカソリックの称で、当初は天竺宗・ 南蛮宗・伴(判)天連宗(ばてれんしゅう)などと呼ばれ、のちに一般に キリシタン宗と称され、吉利支丹の文字を当てた。 5代将軍綱吉以来、その諱(いみな)を避けて支丹を用いるようになった。
切米(きりまい)
現金支給の俸禄。玄米支給の俸禄もあった。知行地を 与えられない下級家臣の例で、領主の米蔵から現米もしくは切手(切符)で 給与され、「蔵米取」とか「切米取」と呼ばれた。江戸後半に至り知行地 給与が形式化して、次第に一般化した。
切(きれ)
 金一両の四分の一。四拾切は拾両。
組頭・与頭(くみがしら)
百姓戸数のおよそ5戸に1名を置く。いわゆる5人組の頭で、 法令の伝達・田畑の耕作・年貢諸役の割付・犯罪の防止その他組内の一切の 事件を処理し、組内百姓の願書・届書に連署した。
組抜(格・並)(くみぬけ)
凡下(足軽以下)身分待遇。金品の献上、造作、労役、特技、 善行等によって特に功のあった庶民に与えられた。このほか落度等で士分 などから外された家臣や、特別の事情で百姓や町人に取り移った者へ救済措置 として与えられた。「其ノ身一生」と「永代(えいだい)」があった。 格・並は一ランク下位。
黒脛巾組(くろはばきぐみ)
伊達政宗の時代、天正13(1585)年ころ土豪の中から腕の たつ者を取立て、30人、50人を一組として諸所の案内に立たせ、様々な 工作に従事させたり、敵の忍びの者を探り出させた。黒の脚絆をはいていた のでこの名が付いた。
化粧料地(けしょうりょうち)
主に中世以降、武士間の婚姻の際に嫁の持参する田地・畑 ・山林を「化粧田」と呼んだことに始まり、女性がその権利を保持した。 支配層において妻女に独立一定の経済基盤を保証したもの。
下代(けだい)
 経理出納財用の役。一般的に給人の下役人。
検断(けんだん)
宿駅に置かれ、主として町場の行政、伝馬継立を分掌した。 大肝入の推挙により代官が任命した。肝入の配下にあって運送・逓信・宿泊 の世話等のほか士卒以外の軽犯罪や浮浪人の取締にあたり、肝入が置かれない 時はこれを兼務した。地方によって一様ではないが、町場の町毎に置かれた り、当初は家中から任命されたりした。
公・君(こう・くん)
一般に太守、君主に対する敬称。藩内においては藩主を指す が、家中(私)文書において藩内御一門当主を指す例があり、藩主との関係 では実子あるいは擬制上の公子にあたるので、本来の敬称は「君」が正しい。
公義(こうぎ)
公儀のこと。(1)朝廷・幕府のこと。(2)支藩、地方知行主 にとっての本藩のこと。
郡奉行(こおりぶぎょう)
出入司の支配下にあって郡務を総括する役。仙台領内の 4地域(南方・北方・中奥・奥)に1人ずつ置かれた。郡司ともいう。
御塩噌(ごえんそ)
 味噌の異称。塩と味噌のことにもいう。
沽却禿(こきゃくつぶれ)
破産して家財を売却した者、また競売に付されて破産した者。
御給所(ごきゅうしょ)
 藩士の知行地。
黒印状(こくいんじょう)
江戸時代、大名や旗本などが墨を用いた印判を押して発行 した文書。徳川幕府は朱印状の使用を将軍に限り、諸大名は黒印状のみに 限定した。黒印状を受けた土地を黒印地といい、年貢課役を免除された。 主に寺社領の寄進・安堵に用いられた。
石方(こくがた)
穀方。穀物、主として米について作付計画から検見(けんみ ・けみ)、収納、年貢、売買など全般的業務を担当したが、単独の業務では なく、村扱、蔵方、勘定方、買方役と必要に応じ連携して仕事を進めた。
小姓組(こしょうぐみ)
領主の身辺にあって種々の用を弁ずる組衆。長を小姓頭という。
五節句(ごせっく)
五つの式日のこと。それぞれ祝いの行事があり、特別の食事 をする風習。
人日(じんじつ)=1月7日、上巳(じょう し)=3月3日、端午(たんご)=5月5日、七夕=7月7日、 重陽(ちょうよう … 陽数の九を重ねる意、菊の節句)=9月9日。
五人組(ごにんぐみ)
村々の百姓、町々の地主、家主、武士に命じて作らせた 隣組組織。近隣の五戸を以て一組とし火災・盗賊・浮浪人・キリシタン宗徒 の取締、また婚姻・相続・出願・貸借などの立会と連判の義務、納税・犯罪 の連帯責任を負わせた。
小人(こびと)
正式には江戸幕府の職名。目付の下に属し、主に使い走り、 物品の運搬など雑用を役とした。高15俵・1人扶持が標準。室町時代、 小者と言われ、中間(ちゅうげん)の下位におかれたが、江戸時代になって その職分が認知された。
小昧・小前(こまえ)
 平百姓のこと。小作人、転じて細民。
小役人足(こやくにんそく)
 藩から課せられた公役に使用するため徴発された人々。
御用留(ごようどめ)
領主からの触書・廻状を書きとめた文書綴。村内からの 願・届・伺書を控えたものもある。村は廻状や触書を受取り、それを御用留 に控えた後、隣村へ回した。(『仙台郷土研究』通巻第213号)
江戸時代の名主・庄屋などの村方役人が、村政執行上必要な文書や諸事項を 書留めた帳簿。都市においては町役人が作成した。(中略)村方の御用留は 、領主や代官から下達された触書・廻状や達書・申渡書・差紙(さしがみ) などと、村方から上申した願・届書、近村役人との相互(交換)文書を控え として記録したもの。(『国史大辞典』)

さ 行

宰領・宰料・才料(さいりょう)
中世以降の運送業者。人馬を監督支配し、道中の一切の 責任を負った。夫領ともいう。江戸時代には流人の護送にもあたり、荷主から 一切の経費を込みで受取って任を果たした。そこから一般の監督者をも 宰領と呼んだ。
竿入・竿打(さおいれ・さおうち)
 検地のこと。竿で面積を測ったのでこのように言う。
竿答(さおごたえ)
検地を受けた意味で、その田畑の貢祖義務者・名義人と なること。
指紙(さしがみ)
 名指しで送る書状。
差引・指引(さしひき)
 差配、采配、統括。
撮当(さっとう)
察当。非違を糺すこと。(1)江戸時代、違法行為をとがめる こと。(2)人の行為に口出しすること。
士・侍(さむらい)
徒(かち)身分以上で、原則として儒者・医師・諸芸・諸職 を除き、合戦の際戦闘が義務づけられていた家臣。
三朔日(さんさくにち)
朔日(現代音は「さくじつ」)は一日の漢語的表現。
江戸時代における三つの朔日の式日を称す。正月元日=新年の賀儀、六月朔日 =氷室の節句、八月朔日=八朔の総登城。武家で太刀や馬を贈答し、 吉原で白無垢を着し、農家で新米を収穫し祝った。
散田(さんでん)
沽却禿(こきゃくつぶれ)・死亡・逃散・没収によって 耕作者が不在となった田畑。そのあとの処理法によって、元通りの祖を 納める本銘散田、年数を限る年数散田、祖額を入札させ高い方に耕作させる 散田立付、代百姓を立てるか一村領地とするかの散田並がある。
時刻(じこく)
江戸時代には定時法と不定時法の二つが使われていたが、 基本的に不定時法だった。
 (1)定時法  … 今日のように昼夜を24等分する方法。
 (2)不定時法 … 実生活上の便宜から、季節によって異なる日の長さを考慮して、 朝の日出、夕の日没を基準にしたもの。夏(夏至)の「明け六つ」は現在の 4時半頃、冬(冬至)の「明け六つ」は現在の6時半頃とした。夕方も同様 にずらした。したがって夏と冬では昼と夜の長さが異なり、昼夜各6分割の 一刻の長さも異なった。また昼は日の出から日没まで、夜は日没から日の出まで を意味し、一日の始まりは真夜中、つまり午前0時ではなく日の出をもって 開始し、次の日の出までが一日という日照基準の時刻法。「おやつ」 はこの昼の八つに食べた間食に発するという。
仙台の場合、城下は宮城野区日蓮宗孝勝寺の梵鐘によって、仙台城では 本丸下の太鼓部屋の太鼓によって時刻を報知した。基準となる時刻は腹時計 ではなく、香を焚く香時計によって計っていた。
 
昔の時刻 今の時刻(標準)
(暁・昼)九ツ時 午前12時 ・ 午後12時
(暁・昼)八ツ時 午前 2時 ・ 午後 2時
(暁・昼)七ツ時 午前 4時 ・ 午後 4時
(明け・暮れ)六ツ時 午前 6時 ・ 午後 6時
(朝・夜)五ツ時 午前 5時 ・ 午後 8時
(朝・夜)四ツ時 午前10時 ・ 午後10時

質物(しちもの・しちもつ)
 借金の抵当として預けおく質種(草)。
品(しな)
 理由、事情。落度、罪科。
品替百姓(しながわりひゃくしょう)
藩に勲功があったり、献金したり、あるいは名家の子孫で あった場合、特別な待遇を与えられていた百姓。
品々(しなじな)
品は理由・事情のことで、品々は「くさぐさ」とも読み、様々、 色々という意味。
指南(しなん)
 (1)指導育成。(2)案内、紹介。(3)身元保証人。
〆り役(しまりやく)
 締役。大肝入の下にあって犯人逮捕などに従事。一般に監視監督の役。
重器(じゅうき・ちょうき)
 宝物、貴重品。家伝の大切な品。
重代(じゅうだい)
 (1)代々。(2)重器に同じで、特に家伝の太刀をいう。
重判(じゅうばん)
 文書に花押を書き、さらに印章を押印すること。
戎服(じゅうふく)
 戦時に着る服。軍服。
宗門改帳(しゅうもんあらためちょう)
徳川幕府が寛永16年(1639)の鎖国令以後、全国民を いずれかの仏教宗派に所属させて檀徒と定め、所属寺院がキリスト教信者 でないことを証明した。仙台藩の場合、「高人数改帳」と称し、 毎年2月1日に作成された。(→人数改帳)
宿老(しゅくろう)
着座一番座の家柄をさす。代々家老となるべき家格で、 たとえ現職の家老でなくとも公式文書に連署する慣例があった。
出入司(しゅつにゅうづかさ)
 財政を司る役職。
受免(じゅめん)
 年貢の減免を受けること。
上巳(じょうし)
 五節句のひとつ、陰暦三月三日の桃の節句。五節句の項参照。
定御供(じょうおとも)
 藩主他行の際に供をする者。
承祖(しょうそ)
 相続の場合、祖父から子を飛び越して孫に相続させること。
諸色(しょしき)
諸種の品物・商品のこと。転じて物価のこと。また長崎貿易 において、いりこ、干し鮑など俵物に対し、昆布、スルメ、寒天、鰹節など を諸色と言った。
進退(しんだい)
 身代、家財。臣籍(身分・俸禄・屋敷等拝領一切)。
新田(しんでん)
寛永検地の時の田畑を本地とし、その後に開墾された農地を 新田と言う。中世以前の「墾田(こんでん)」に当る。
水旱損(すいかんそん)
 洪水とひでりによる被害。
制導役(せいどうやく)
大肝入の支配下にあって赤子養育のことを司った(赤子制導 役)。制導は、取締、管理のこと。
先格(せんかく)
 前々からのきまり。前例。
疝気(せんき)
 漢方医学で腹・腰などの痛む病気。
僉議(せんぎ)
 多人数による評議。衆議。
洗濯御暇(せんたくおいとま)
 身辺整理のための休暇。
僧俗(そうぞく)
 僧侶と俗人。
宗藩(そうはん)
支藩や、支藩でないが支藩を俗称した独立知行主にとって 本藩の意。
添人(そえにん)
表百姓に寄食する者。沽却禿(こきゃくつぶれ)などで破産 した百姓の家族や身体障害者が多い。

た 行

代数有之御百姓(だいすうこれあるおひゃくしょう)
 何代も続いた由緒ある百姓。
退転(たいてん)
 破産、断絶。
代百姓(だいひゃくしょう)
百姓が行方不明、死亡断絶、土地の売却により退転などした 場合、村において代りに立てる百姓。一般に身内の者を分出させたり、 他領他村の者でも、その家に奉公していたりした者をあてた。
高人数改帳(たかにんずうあらためちょう)
 (→人数改帳、宗門改帳)
高指引人(たかさしひきにん)
五貫文制が崩れ、抱地(買取などによって取得した農地)が 一般化すると、五貫文以上の抱地に一人の割合で置かれた経営・納税の 責任者。人頭(にんとう・本来はじんとう)として員数に数えられた。
反銭(たんせん)
 段銭。田地の反(段)別に課す臨時課税。
血忌(ちいみ)
 妻が出産した際の夫の忌み。家族も同じ。
地肝入(ぢきもいり)
知行を持つ侍から年貢の収納や知行地の管理を任された者。
知行(ちぎょう)
 土地で支給された俸禄。
牒(ちょう)
 帳に同じ。
長男・長女(ちょうなん・ちょうじょ)
人数改帳における老・長・童の年齢区分。長男は15才から 64才まで、長女は13才から59才まで。
帳面(ちょうめん)
知行高名書上帳、分限帳、侍帳、家列帳など氏名、身分、 俸禄、役名などの全部あるいは一部を記した台帳。脱落した場合は「御帳面外レ」という。
常式(つねしき)
 既定どおり、習慣どおり。定法・常道。
詰所(つめどころ)
仙台藩の大番士が仙台城に登城した時に詰めている所。 上から召出・虎之間・中之間・広間の順で、ここに詰めることのできる藩士 を詰所以上という。
手鎖(てぐさり)
 刑罰の一つ。現在の手錠のような鎖による緊縛。
手寄(てより)
 頼り、頼み。伝手(つて)、手づる。
寺請証文(てらうけしょうもん)
自分がその寺の檀徒であるということを証明してもらった 文書。はじめはキリシタン対策として行われたが、のちには身分証明書の 役割も果すようになった。
土貢(どうこう)
 (1)「どうにもこうにも」の宛字。(2)年貢。
当時(とうじ)
 現在。
御町同心(どうしん)
町奉行など町役(御町扱ーおんまちあつかい)の下役。 足軽組から任命し、町場の警察の任に当った。
同断(どうだん)
前と同じであること。同様。同じ事を列挙する場合、同、 同断、右同断などと記す。
統取考役(とうどりこうやく)
勘定奉行の直下にあって、統取は勘定所の統括者、 考役は出納の吟味・監査役またはそれらの長。概ね統取が考役を 兼務したが、江戸時代末期は分離して考役が統取の上位になり、出入司の 直接支配するところとなった。
童男・童女(どうなん・どうじょ)
人数改帳における老・長・童の年齢区分。童男は14才以下、 童女は12才以下。
床頭(とこがしら)
 足軽・小人の10人前後のグループの長。
取子(とりこ)
育児祈祷の一種で、赤子を一旦社寺などの門前に捨てて 神官や僧侶に拾って貰い、それを貰い返して育てること。霊験を得て逞しく 育つと信じられた。
取越金(とりこしきん)
 支給期日前に支給する給金。
取都(とりすべ)
 取締、統括。始末。
鳥見役(とりみやく)
藩主の鷹場など禁漁区で鳥の密猟を監視する役。地勢調査 を行うこともあった。

な 行

名請人(なうけにん)
検地帳に登録され、領主に把握された貢祖負担者。(→表百姓)
人数改帳(にんずうあらためちょう)
正しくは高人数改帳(たかにんずうあらためちょう)と言う。 人口のことを人別と言って人別帳と称し、宗門改めの役割もあったので 宗門帳とも言う。毎年2月1日現在で、宗門・持高・屋敷名、また家族の 名前・年齢が記され、戸籍原簿の役割を果した。(→宗門改帳)
人頭(にんとう・本来はじんとう)
戸主、表百姓と同じ。高持ち百姓、屋敷持ち百姓が人数改帳 の筆頭者になっている。(→表百姓)
除地(のぞきち)・除田(のきだ)
 年貢を免除された土地。
野場(のば)
山林に対する原野の意味。藩に使用料を払って利用する原野。 野場方はそれを管理する役人。
乗出(のりだし)
(1)出発。臨場。(2)元服。(3)大名の世嗣(長子)の 徳川将軍初謁見。このとき殿上において元服し、官位、偏諱(へんき)、 太刀拝領の例が多い。領国においても藩主と一門や重臣の世子との間で同様 の儀式が行われた。

は 行

倍合(ばいあわせ・ばいごう)
 貸金などにおいて利子を取って増やすこと。
陪臣(ばいしん)
藩主の直臣(じきしん)の家臣。仙台藩における陪臣の 身分関係;御徒通(おかちどおり)<御小姓(性)通(おこしょうどおり) <馬上通(ばしょうどおり)の順。御小姓(性)通以上が騎乗身分で、本藩の 平士(大番士)と同格とされた。直臣の本藩々士から「またもの」と蔑称され、 大半が微禄の半農半士であった。
「陪臣之格式(は)御一門衆之家中御小性通以上之侍(と)歩(かち)組 (は)奉公人(家臣)たるべき事。用人以上(は本藩の)虎之間侍格、用人已下 御小性通ハ中ノ間侍格(で)組付侍(本藩の徒士)格之上」(『寛政律聞書』)
端郷(はしごう)
 規模からみて一村として公認されない村。枝郷ともいう。
籏元組・旗本組(はたもとぐみ)
 藩主や独立知行主近侍の足軽組。
藩(はん)
江戸時代後期の大名領の俗称。学術的には「領」が正しい。 「藩」の正式呼称は、明治元年旧幕府領に府・県を置き、これに対して 旧大名領を「藩」と呼んだ時から明治4年の廃藩置県までの4年間だけ 使用されたに過ぎない。
番外(格・並)(ばんがい)
士分待遇。金品の献上、造作、労役、特技、善行等によって 特に功のあった士分に入らない家臣や庶民に与えられた。このほか落度等で 士分から外された家臣や、特別の事情で百姓や町人に取り移った者へ 救済措置として与えられた。「其ノ身一生」と「永代(えいだい)」があった。 格・並は一ランク下位。
判形(はんぎょう)
 書き判。または印形(いんぎょう)。
番代(ばんだい・ばんがわり)
 当主が長病、幼少の場合、親類などが代りに出仕すること。
疋(ひき)
 銭の単位。10文で1疋、百疋は1分、4分で1両、千疋は2両2分。
百姓前(ひゃくしょうまえ)
 検地のとき本百姓が竿答をした土地のこと。(→奉公人前)
武頭(ぶがしら)
足軽組・仲間組の長。物頭(ものがしら)とも言った。 足軽の長は別に足軽頭という。
不勝手(ふかって)
 (1)生活が困窮すること。(2)その業務が不得手なこと。
不行跡(ふぎょうせき)
 行状の良くないこと。
譜代・普代(ふだい)
(1)代々の家臣。葛西譜代、大崎譜代などと使う。 (2)世襲的な家臣の使用人のことで、下人・中間(ちゅうげん)・小作人 などをいう。内者(うちのもの)。借金を返済すれば自由になる質物奉公人 とは違い、世襲的に主家に隷属。
扶持米(ふちまい)
米で支給された俸禄。一人扶持分は一般に一日玄米五合 だが、仙台藩では六合余と見られている。
不念(ぶねん)
 ゆき届かないこと。
分限帳(ぶんげんちょう)
戦国時代以降、大名がつくった家臣の名簿。氏名、所領、 扶持高、役などが記載されている。著名なものに後北条氏(北条氏康)が 1559(永禄2)年に作成した小田原衆所領役帳がある。
部屋住(へやずみ)
嫡男のまだ家督を相続していない間の身分。また次男以下 で分家独立せず親や兄の家にある者。
法印(ほういん)
僧位の最高位。転じて僧一般を指す。また中世以降、僧に 準じて儒者・仏師・連歌師・医師・画師を指した名称。山伏・祈祷師をもいう。
奉公人前(ほうこうにんまえ)
仙台藩において農地は、蔵入地と給地に分れ、給地は 奉公人前と百姓前に分かれる。奉公人前は家中の士が名請けした土地のことで、 家中前とも言う。(→百姓前)
本石米(ほんごくまい)
 仙台藩が農民から買上げ、江戸に廻漕して販売した米。
本地(ほんち)
 本田地。寛永検地帳に登録された田畑のこと。
本馬(ほんま)・本荷(ほんに)
駄送の方法に本馬と軽尻(からじり・からっちり)があり、 本馬は40貫まで、米では2俵(150s)で一駄、お定賃銭で1里40文。 軽尻は本馬の半量を一駄とし、駄賃は本馬の三分の二。一般に乗尻馬という。 乗掛は人1人が乗って且つ20貫の荷がつけられ、賃銭は本荷と同じ。 このほかに人が荷物を担ぐ賃夫(ちんふ)があり、1人5貫目まで、 賃銭は本荷の半額、1里20文。

ま 行

町扱(まちあつかい)
 町奉行など町場の行政一般の監督者。(→村扱)
水帳(みずちょう)
 御図帳の宛字という。御検地帳などをいう。
冥加至極(みょうがしごく)
知らず知らずのうちに神仏の加護を受けて、このうえなく 幸運な状態にあること。
無足・無粟(むそく)
 手当を受けていないこと、俸禄のないこと。
無行衛(むゆくえ)
百姓が検地帳に記載された場所から何らかの事情で逃散し、 行方不明になること。また一般に行方不明になること。
室師(むろし)
 室(糀室など味噌原料)の技術者、専門家。
目代(もくだい)
 その職の代役として現地で執務をとる者。江戸時代には代官をいう。
持高(もちだか)
 年貢の基礎として所持する田畑屋敷の面積を貫文で表示した。
元方(もとかた)
 資本・元手を出す人。
素米(もとまい)
定量米。輸送などによる減損分を見込んだ付加米を含まない 当初の量の米。
物成(ものなり)
田畑の年貢のこと。本年貢は本途物成、雑税を小物成という。

ら 行

厄介(やっかい)
 当主に生活の世話を受けている者。無為徒食の「厄介者」。
山伏(やまぶし)
山中に生活して宗教的修行を積んだ者。法印、修験者とも 呼ばれる。
用人(ようにん)
武家においては、出納・雑事にあたった職名。また一門以下、 地方小領主の上級家臣の正式な役名で、普通は家老を指した。通常3人程度 おかれた。
余方(よかた)
 他の方、よその方。
横目(よこめ)
横目付の略。目付、徒目付の配下にあって、家臣や城中の 監察にあたる職。郡方横目は郡奉行の配下で農村支配にあたった。
寄付(よりつき)
 付人(つきびと)。

ら 行

乱舞(らんぶ)
 能楽のこと。
老男・老女(ろうなん・ろうじょ)
仙台藩の、人数改帳における老・長・童の年齢区分。 人数改帳の末尾に老・長・童の区別が記されている。老男は65才以上、 老女は60才以上。(宮城県史31・資料編)

わ 行

若老(わかどしより)
 若年寄・少老。奉行を補佐して庶政を司る。
輪中(わじゅう)
 仙台輪中とは仙台城下をいう。
綿噛(わだかみ・わたかみ)
肩上・肩噛・綿紙・綿咬のこと。鎧の胴を吊下げる両肩の 部分。古式具足は牛革を数枚重ねたもの、当世具足(室町時代末期以降)は 鉄製で、これに紐をつけ胴に結んで吊下げた。
割符(わりふ・わっぷ・さいふ)
(1)切符、為替。両替用の手形。印符ともいう。(2)判物(はんもつ)。 領主や他人名義の知行地から少しずつ割出して与えられた知行(目録)。
 
 ※出典/各市町村史など。
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