剣道の始め方
●防具の選び方

初心者で初めての防具
 せっかく基本をしっかり身に付けたつもりでも、いざ防具をつけてしまうと正しく動けなくなるものです。
例えば、小手が堅いと竹刀を横から持つようになります。面が堅いと真っ直ぐ挙げることができなくなりま、右斜めに振りかぶるような悪癖がつきます。
竹刀を上手に握るようにする秘策  先輩の中で、とても上手な人の小手を譲り受けるのが理想。小手には使っていた人の竹刀の握り方の型が自然とついています。そう握り易いようになっています。特に左手首が上から握りやすいように型がついている場合、小手の筒の部分と頭の部分の境目が左手は逆「く」の字(右手はくの字)になっていて、真っ直ぐではないのです。また、左手は親指と人差し指、右手は親指と中指の先がくっつくように手の内がなっていれば最高の状態といえます。

 逆に途中で止めちゃったした人の小手は要注意です。同じ悪癖がつきます。それなら小手は新品がよいです。新品の場合、先生にしっかり小手の頭の部分を柔らかく揉んでもらって、筒の部分の紐の強さを調整してもらい、使いやすいようにしてから付けるくらいのことはしてほしいですね。
 
 初心者は竹刀の振り上げの時に面垂が邪魔になるんです。肩の部分が堅いのがよくないです。だから初めは中古がよいです。
 注意事項は「物見」の位置。面の前の部分には相手を見る位置が決まっています。面金の幅が一箇所だけ広くなっています。ここが眼の位置と合わない面はよくありません。また、下顎を乗せる位置から顎が全部前に出でしまうような大きすぎる面、頭の後ろが飛び出してしまう小さすぎる面は付けてはいけませんね。

 面は汗やにおいが気になるものです。でも、高級でないものは洗って大丈夫です。天気の良い日に洗剤とタワシや歯ブラシでゴシゴシ綺麗にして風通しのよい場所で短時間に乾かしましょう。
 

防具の新調
 小学生低学年用の防具は高学年では小さくなります。すぐに購入しないで、中学1年生あたりまで使える程度の大きさのものが大丈夫な体格になったころに新調するのが上手な買い方だと思います。
小学生上級 高学年になって購入する場合の注意点は次のようなものです。
  小手は手の内の張替え修理が可能なもの。新しいものより修理した方が使いやすいからです。
  胴は脇の下の保護が付いたもの。胴台はファイバー胴で十分です。
  垂は腹帯の部分が少し硬めのしっかりしたものが腰が安定します。
  面は自分の顔の大きさにあったものが上達の秘訣です。頭の大きさはそれ程成長しません。
 
中学生  中学生で新しく買う防具は、高校になっても稽古用として使える程度のものがよいです。高級なものはきりがありません。

 ミシン刺しと手刺しがありますが、まだ手刺しは必要ないです(買うとしたら小手くらい)。ミシンの縫い幅は4ミリが適当だと思います。5ミリでは柔らかすぎ3ミリでは中学生にはちょっと硬すぎると考えます。でも、すでに高校生並みの体格の場合は3ミリが良いです。
  小手は頭の部分が堅くできているもので、紺革(鹿皮)のもの。小手は二組必要になってきます。
  胴は中学生の場合、胸飾りがついたものが好まれるようです。胴台は「黒」が良いです。
  垂は飾り糸が何段がついたものが好まれるようで形がよいです。
  面は紺革で斜め刺しといって折り目を付けやすいものがよいです。

 中学生で部活動をする場合、防具が一組しかないと今まで通っていた道場と部活動の両立が大変になります。学校には3年間で使いきってしまう程度のものを置いて、道場用兼試合用の二組用意することが一番です。小学生卒業後、道場にいかない考えの人には関係の無い話です。
 
高校生  高校入学して剣道部に入る場合防具を一式購入する人が多いですね。高校の場合の特徴はなんといっても面です。突きという技の稽古が加わりますから、突き垂の部分のしっかりしたものを購入すべきです。また、防具もしっかり体を保護できる硬さをもったもの。ミシン刺しでは3ミリ、手刺しでは4.5ミリ(1分5厘という)が適していると思います。
 高校生以上になると、防具のこだわりも強いです。また重い防具を嫌がりますので、胴は竹の形に似せて作ったヤマト胴というものが良いと考えます。
 
一般  必要なものを単品で購入する場合が多くなりますね。例えば、胴を新調するとか、小手だけを新しく買うとかね。
 そこで重要なポイントがあります。それは飾りの部分です。
  面の突垂の部分を派手にすると、他の防具との調和が取れません。ここはシンプルの方がいいのです。
  もう一点。自分の糸の色を決めておくことです。紺とか赤とかね。そうすると色々な防具を組み合わせても違和感がないのです。
 

何処で防具を購入すればよいか?
大型店が近くにある場合は良いですね。あとは、道場や学校に出入りしているお店。通信販売です。
 
大型店  ちょっと足を運んでも交通費分くらいは絶対に易く購入が可能です。問題点は修理のときに素早くやってくれるかということです。お店によっては忙しい時期だと1〜2ヶ月かかるところもあります。
 
近所のお店  短期間に小手のなど修理をしてくれる利点があるので、お付き合いしていく価値が高いです。
大型スーパーで買うか地元の商店街で買うかという感覚です。つまり、ちょっと値段は高めだが人情味がある店ということです。
 自分のところで購入したものでなければ修理を受けないという人もいらっしゃるという噂もありますが、私にはそういう経験はありませんね。

 防具の職人さんの中には、飛び抜けて素晴らしいものをつくる人がいらっしゃいます。そいいう場合は自分のサイズに合わせて何年かかけて作ることにます。防具をご自身で作って販売もされている防具職人さん。これが本当の防具だと思います。

 100万、200万という防具に対する価値観はあってもなかなか買えません。この人にという想いで手間暇かけて作るわけですから。是非一組欲しいと言っても、お付き合いの深い人の防具しか作る時間がないとも聞きます。
 
出入りしている業者さん  道場や学校の指導者の先生とのお付き合いで、たいていの団体には防具屋さんが定期的に顔を出していると思います。個人で直接お店に行って購入するよりも値引きしてくださってるはずですよ。
 指導者とお店のお付き合いというものもありますから、一般的にはここで購入されているケースがほとんどではないでしょうか。
 
通信販売  体のサイズに合わない場合があります。防具の購入に関しては慎重さも必要です。ただ、小物類や剣道関連商品や本の購入には通販が便利です。納入時期を守ってくれるかどうかが鍵ですがね。

 安すぎる防具の落とし穴として、小手の頭から外国の新聞紙が出てきたり、革の部分が不良品だったりすることがあるようです。防具の購入は信頼できるお店が良いと考えます。