●道場の選び方 |
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1)入会する前に何から始めるが良いでしょうか? |
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まずは、実際にいくつかの団体を見学してみることをお勧めします。通える範囲に複数の団体が必ずあります。そこで道場の雰囲気や指導者、父兄の様子を感じて子供にあった場所を探して下さい。
市内大会等を観戦されるのも得策です。たとえ剣道を知らない保護者や子供であっても魅力のある団体かそうでないかは試合を見れば一番分かると思います。今始めたとして数年後の姿が想像できます。
しかしながら、試合で勝ち上がっていく団体がお子さんに合うというものでもありません。始めたい目的もそれぞれ違うと思います。勝ち負けだけでなく、子供たちやご父兄の眼や表情を見たり、剣道をしていない時間のすごし方などもご覧になって判断されるのが良いと思います。
殆どの団体はホームページがないのが現状です。実際に足を運んでまず情報収集から始められたらどうでしょうか。
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開始時期 |
剣道を始める時期としては、小学校3年生以下のほうが理想的だと思ってはいます。それ以降では早く始めた子になかなか試合では追いつけないからという理由です。しかし、剣道を永く続けていく上では開始時期のハンディは無くなります。中学や高校から始めた人の中からも日本のトップ選手が存在します。始めるのが遅すぎたということは無いようです。
一般的には、男子では3年間、女子では2年間くらいは経験年数がないと試合で勝ちあがるのはなかなか難しいでしょうか。でも、剣道は競争ではありません。今までの自分より進歩できたかどうかが大切です。古(いにしえ)を稽(かんがえる)と書いて「稽古」と言います。
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幼稚園児 |
幼稚園児を受け付けてくれる道場は少ないですが、年長ならお遊び程度から始められると考えます。あまり早くからあせって始めなくても、小学校へ入学して少し落ち着いたころが適当ではないかと思います。 |
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2)皆さんの剣道を始める動機はなんでしょう? |
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剣道を始めるきっかけというのが必ずあるでしょう。これは意外と大事なことなんです。始めた動機というものが継続に大きく関わってくるからです。必ず壁や障害にぶつかります。さて、その時にどう対処していくかです。お父さんお母さんの決断でお子さんの剣道も終わりになる場合がほとんどです。
ここでは、留意点をあげておきます。内容はネガティブですが、参考にされた上でポジティブに活用していただきたいです。
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「剣道で心と身体を鍛えたい」 |
おそらくお父さんお母さんのお考えで始める場合だと思います。生活レベルも高い家庭に育っている子が多いのも特徴です。ご両親も「何か身になるものをやらせたい」という漠然としたものの中から剣道を選んでおられる場合と「日本伝統文化の武道としてどうしても剣道を」と選択されている場合に大別できると思います。
親が経験者でない場合、お子さんの勉学と剣道の比重の変化を調節していくということは難しいです。折角始めた剣道も、受験になれば塾優先剣道中止、社会に出れば仕事オンリーになってしまう人が多いようですが、剣道は長時間やるものではなく、生活の一部として自分を磨く時間なんだということを忘れないでほしいものです。
一度中断されても自分のお子さんがきっかけになり、一緒に剣道を再開する場合があります。今度は剣道の魅力を十分に堪能できると思います。一度止めたことにより、自分の勝負に対する未練はもうありませんね。その中で行う剣道は自分のための剣道になります。そうなると今までと違う世界なんですね。お子様にもよき理解者としてまた剣道の先輩としていいパートナーになれるのではないでしょうか。
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「お兄ちゃんがやっているから」 |
兄弟で始める場合は非常に成功例が多いようです。応援も家族単位ですから絆も深まります。兄弟の能力を比べないこと。この点に注意すればいいですね。
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「仲の良い友達が始めたから」 |
案外多いパターンで、学校の部活動も同じ理由が多いです。同級生の場合、始めるのが一緒で止める時も一緒が多いです。いつも一緒に行動して同じことをやるという感覚です。群集心理でしょうかね。スポーツのひとつとしての剣道で終わる可能性が高いですが、これも上記の場合と同じで、将来自分が親の立場になったり、身体を動かしたくなった時に今度は自分の意思で剣道を再開する人はいます。
友達の親に勧められてという場合も多いようです。親の心理として、自分の子供より高い能力があると思う子は誘わないものです。この子だったらうちの子も負けないという場合に誘いが来るわけですから、2〜3歳年下が誘いやすいようですね。同級生で誘われたらちょっと考えてみましょう。
ただ、何気に入部したクラブでも、素晴らしい指導者にめぐり合う場合もあります。
学校の部活動の場合、剣道を専門とする教師は高校に勤務を希望する場合が多いです。中学校の部活動は多少経験しただけの先生が顧問を担当する場合も多く、学校による指導者の格差は歴然です。剣道は見て覚え肌で感じて上達するものです。防具を付けない指導者や間違いだらけのお手本だったら辛いですね。学校や地域によっては外部から指導者を導入し成功している場合もありますが、責任という問題点もあります。今後地域社会と密着した活動へと変化させていこうとする動きはありますが、まだまだ試験段階にもありません。
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「たまたま近所に剣道教室があった」 |
何かの縁かも知れません。ひとつ体験してみてはいかがでしょうか。
でも、自分に合わなかったからといって風評はいけません。結局自分に何らかの形ではね返ってきます。
近くということは、近所のお友達も一緒という場合が多いですが、優良な道場は学区に関係なく多少離れた地区から通ってくる子が多いのも特徴です。
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「学校はあまり好きじゃない、何か習い事を身に付けたい」 |
学校は嫌いでも剣道が好きという子供たちの多くは、学校や家庭を含めた自分を取り巻く環境の中で、剣道が自分に合っていると考えているようです。自分が一番活き活きとしていられる場所になる可能性が高く剣道も永く継続する子が多いです。止める子はすぐに止めますが、続ける子は剣道大好きになっていくようです。
問題点はひとつあります。他の世界が好きではないということは、どちらかというと不器用だったり人付き合いが下手だったりします。道場では自分のことをみんなが理解してくれても、環境は将来大きく変わるものです。今後、剣道を楽しく継続できることを優先できるような進学を考えてあげることが必要だと思います。
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「お父さんが剣道の先生だから」
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小・中・高校生で活躍している子の中には、2世3世選手が多いことは事実です。初めから頭角を現す場合もありますが、多くは地道な努力を重ねて少しずつ力をつけてきた子供たちです。先生の子供といっても運動能力や体格まで同級生の中で優れているとは限りません。継続することの重要性とそのすべを親が体験から知っていることの強みがあります。反面、大先生の子供は剣道を止めるというジンクスのようなものもあります。親があまりにも偉大すぎると色々な理由で別の世界に行く者も多いということでしょうか。
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「剣道の漫画、ドラマ、テレビ放送を見て興味をもった」 |
昭和40年代後半から50年代にかけて剣道ブームという時代がありました。テレビでも森田健作のおれは男だ!が大人気で、少し前のサッカーブームと似た状態になりました。しかし、戦後剣道が禁止されていたこともあり、指導者の絶対的不足により、小学校卒業と同時に剣道を続けられない子が続出。他の競技へと流れていったようです。その後、剣道人口は下降の一途をたどります。現在は心の教育が見直されてきたこともあり、多少の増加がありますが、少子化の影響があります。
剣道は柔道のようなスポーツ化を嫌い、オリンピックに不参加の意思表示があったり、勝敗の判断が素人にはわかりにくく、テレビ放送でで取り上げられる機会は少ないです。剣道を始める動機としてメディアの影響は少ないですが、かっこいいから始めるというのは大きな動機付けになりますね。
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3)道場・剣友会・スポーツ少年団など名前の違いがありますが、何が違うのでしょう? |
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個人道場、警察署、地域密着型の剣友会、学校開放施設の剣友会など剣道教室といってもその団体の運営の特徴というものがあります。
全国の強豪といわれる団体のほとんどは個人道場か地域密着型の剣友会です。現在、日本を代表する選手達の多くは、少年時代こういった道場から巣立ち、その後立派な指導者と仲間の環境の中でさらに努力を重ねた人が多いです。
将来、剣道で進学や生計をたてていこうと初めから考えてる子供はいないと思いますが、専門家として考えているなら指導者の選択が必須です。
会費や月謝に関しては、どこの団体にせよ、数千円で高額ではありません。学校開放施設の剣友会や地域がバックアップしている団体ではほとんど無料の団体も多く存在します。対外活動や試合遠征の多い団体では、交通費や宿泊費というものが個人負担となりますので、多少経済的な余裕のある家庭であることも入会の条件としてあげられると考えます。
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個人道場 |
館長の指導方針がしっかり体系づけられています。道場に入門ということは、館長の方針に従うということが絶対条件ですね。館長は、元警察師範、元教員、医師、会社経営者など職業は多種多様です。その考え方や剣風には独特の個性が剣友会に比べて強く存在します。
個人道場には、道場の月謝で館長が生計を立てている場合と、館長は他に職業を持っていて剣道はボランティアの場合があります。
前者の場合、門下生の数も沢山必要となりますし月謝は割高ですがそれでも学習塾に比べれば数分の1です。どの団体も積極的な対外試合活動や募集活動も活発で試合成績も毎年常に安定しているのが特徴です。進学や就職活動もバックアップしてくれる反面、門下生が多いということは、激しい競争が子供たちも父兄間にも存在するということになります。
後者の場合、門下生の確保という面をクリアできている年は活気があります。門下生の数は館長が目の届く範囲の人数というのが理想ですが、小規模の団体が多いので試合成績にムラがあることがあります。しかし、指導方針が確立されていますので、たとえ低迷した年があってもすぐに復活してくる場合が多いです。
試合活動に関しては対外試合は一切しないという道場まで様々ですが、全ては館長の方針ということになります。私財を投げ出して指導をされている剣道家は結構沢山いらっしゃいます。
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警察署 |
警察署には地域の青少年健全育成事業や非行防止活動の一環として、少年部の剣道教室を開催しているところが沢山あります。充実しているところから指導者が日替わりのところまで、一概に警察の道場といっても団体によってかなり違いがあります。
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地域密着型 |
地域が活動の援助をしている団体があります。会長から指導部、保護者会を含めた会計監査など、しっかり確立された優良団体も多く、遠征にも公費でバスの活用や公共施設の利用など経費面でも工夫がされているのも特徴です。一般的に伝統のあるところは優秀ですが、人事のゴタゴタなどで一度組織が分裂してしまうと再生にはかなりの時間を要するようです。
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学校開放型 |
学校開放型の場合、設立者やそのお弟子さんが代表者の場合は個人道場と雰囲気は似ています。
会員数も多種多様です。父母会の力が指導者よりも強く介入したり、子供が入会している期間だけ指導者になるような団体もあります。入退会や掛け持ち所属もわりと自由なところが多いです。
人間関係などはトップにたつ人の力量で差があるようで注意が必要です。
稽古日は他の種目との割り振り調整がありますから、週1〜2回という稽古日数だけとなると小学生高学年では少し物足りないでしょう。週に3回〜4回稽古できる環境が良いと思います。
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学校部活動 |
ごく少数になりますが、小学校の開放という形ではなく、学校の教員が水泳や陸上などと一緒に剣道部を立ち上げているところがあります。楽しく活動できそうですね。
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4)道場を変わりたい場合は? |
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道場を引越しという理由以外で移籍する場合、今までの先生や他の仲間達との関係がうまくいかなくなるものです。しかし、自分が他の道場へ移籍を希望するのなら早めに決断をするべきだとも思います。この場合、今まで教わってきた先生方や仲間達に失礼の無いように上手に退会されることが第一です。
「三年待っても師を選べ」という言葉も有名です。
ただし、小学生高学年で主力選手が強豪道場へ引き抜き的移籍をすると後味がとても悪くなります。この場合は小学校卒業を待ってからの移籍にするとか、それなりの義理も通すことが望まれます。
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掛け持ち入会 |
原則禁止の道場が殆どでしょう。しかし、稽古回数の少ない団体では、試合出場などの所属優先順位をしっかりすれば両方での入会を認めてくれる指導者もいます。館長の方針に従うのが礼儀です。
出稽古というのは掛け持ち入会とはまた別ものです。責任者へ事前に報告すれば他の団体で稽古することは一般的には問題ありません。内緒は礼を欠きます。出稽古先ではそちらの流儀に従うのことが大切です。
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