「高校剣道における鍔競り合いの抜本的改善」に関するQ&A

<注>:平成20年4月10日の全国高体連剣道専門部からの伝達文書を参考として、剣幸会道場で伝達用に編集したものである
状況 審判
Q1 お互いに分かれて鍔競り合いを解消しようとしたが、「剣先が触れない位置」まで間合いが切れていないのに打突した。

鍔競り合いの解消は剣先が触れない位置まで間合いが切れたところとする。その途中での技は有効打にしない。
        <これが前提である>
上記の処理 直ちに「止め」をかけて試合を中断させる。
この場合は反則としないで開始線にもどし試合を再開させる。
剣先が触れない位置まで間合いが切れる前に、攻め始めたり、上段をとる。 同上
この打突に対して応じて技を出す 判定の対象としない
繰り返された場合 試合者に対し「鍔競り合いを正しく解消するよう」に説明をする
Q2 お互いに分かれて鍔競り合いを解消しようとしたが、「剣先が触れない位置」まで間合いが切れる前に、剣先を開いたり下げたりした。

分かれる場合は、相手の剣先や竹刀を制しつつ気を抜かずに間合いを切ることを前庭とする。
潔く間合いを切る場合 そのまま流す
間合いが切れたか否かを曖昧にさせるような行為 「公明正大に試合をしない」という理由で反則にする。
Q3 お互いに鍔競り合いを解消しようとして分かれたが、双方の引く距離に大きな違いがある。

お互いに間合いを切ることが前庭であるので、一方が間合いを切ろうとしなければその選手を反則とする。
分かれ方に問題のある場合 その時点ですぐに「止め、合議」として反則か否かを判断する。
<次の打突の前に「止め」>
「止め」をかける間もなく打突した場合 打突と同時に「止め」、反則。
Q4 正しい鍔競り合いを10秒間保障しているが、一方が10秒経たずに相手の剣先や竹刀を制しつつ間をとって分かれようとした。
鍔競り合いを解消するため一方が分かれようとした場合、お互いに間合いを切って潔く分かれることが前庭である。 体を寄せることで間合いをつめ、自ら間合いを切ろうとしない 反則。
お互いに間合いを切る途中で止まったり、竹刀を捲いて竹刀落しを狙う行為 反則。
「正しい鍔競り合い」からまさに分かれようとする瞬間 有効になり得る。
Q5 「正しい鍔競り合いの形」からを鍔競り合いを解消するため、相手を崩すなどで、一方的かつ瞬間的に相手が間合いを切った場合、剣先が触れない位置まで間合いが切れなくともそこを追い込んで打突することは反則となるか?
「一方的かつ瞬間的な分かれ方」と
「相手の剣先や竹刀を制しつつ間をとってお互いに呼吸を合わせての分かれ方」
は区別する必要がある。
追い込んで打突する 反則にならない。有効になり得る。
ただ追い込んで間合いをつめて、かつ10秒を超える場合 時間空費の反則。
Q6 接触後、「正しい鍔競り合いの形」に入ろうとせず、すぐに分かれようと間合いを切る行為。
「正しい鍔競り合いの形」に入るまで、勢いや流れで様々な動きが生じることはありえる。 そのまま分かれる そのまま流す
一方的に間合いを切ってさがろうとするところを攻めて打突する 反則にならない。有効になり得る。
「正しい鍔競り合いの形」に入ろうともしないまま10秒経過 この状態を長引かせている方を時間空費の反則
Q7 正しい鍔競り合いから一方が引き技を出した。これに対し追い込んで技を出す。
引き技を出した相手に対し、追い込んで打突する行為は何ら問題にならない。 上記の処理 有効になり得る。
追い込んで来た打突に対する応じ技 あり得る。
Q8 鍔競り合いから引き技を出し、直ぐ前に出て打突する技は有効となるのか。
引き技を出した場合は剣先が触れない位置でなかったとしても解消とみなす。引く距離や時間で決められるものではない。 引き技に続く次の技 あり得る。
一本にする意思がなく時間かせぎのような引き技 時間空費の反則か否かを見極める

記述内容に疑問点がある場合はご連絡下さい<福島>