幼少年指導

 子供にとって、虫歯治療も剣道教室も初めての時は不安なものです。これは、どんなことをされるのか知らないから怖いのす。
 しかし、この知らないことを少しずつ頭で理解し、克服できていくと大きな自信になっていきます。できた時は誉めてもらえる。ますます自我の目覚めが進んでいきます。
 ここを失敗すると急に難しくなります。心を開いてもらえなくなります。そうすると全てが強制になりますから剣道も必ず嫌になります。歯医者を嫌がる子と一緒です。診療室には行くけど固まってしまいます。

 私は、一番底辺の剣道の先生。すなわち、子供の初心者の剣道指導なんかは、歯医者さんが一番上手いのではと思っています。特に小児歯科医です。小児科医ではありません。なぜなら、医科と違って歯科には、体は元気な子供がくるからで、今痛く無いのに少しつらいことに挑戦するというところが同じなんです。

 歯医者さんで、治療が一人でできる年齢は、満3歳すぎということになっています。これは、話が理解できる最低年齢であるからです。幼稚園では年少ということです。

 3歳を過ぎれば、できる子は何でもできていきますが、6〜7歳になってもできない子は何もできないのです。保護者の依存度で、子供の自立の度合いが違うからであります。

 次に、小児歯科の基本術式「Tell Show Do法」を当てはめた剣道指導法についてお話します。

 体験したことのないもの、知らないものを眼の前にした場合、親は、もう甘えの対象にしかありません。剣道も歯科治療も一人で立ち向かわなければなりません。従って親の入室は禁忌ということになります。まずは、子供から離れて下さい。

 ここで一人になった子と先生とのお話が始まります。
「この人は自分に危害を与えない」という気持ちができれば、話を聞いてくれるはずです。

 話を聞いたら、今度は話をしたものを見せる。触る。使ってみる。ここまでできたら誉めてあげます。

 今日はここまで。次ができそうでも焦らない。ここで一度目の自信が生まれるわけですから。