観見の目付け


お医者さんと呼ばれている人はすべて、本音は名医と呼ばれたいのである。
ところが、お医者さんといっても、みんなが名医とはいえないのは事実。
その大きな違いはなんだろう。

 「感じる心の目(観)を強くしなさい」と
何百年も前にいった宮本武蔵先生がお医者様だったとしたら、今頃、もっともっと良い医者が溢れているはずなのである。

名医の条件として、経験などという言葉で濁されている部分。なかでも特に重要な点。
これこそ、「観見の目付け」でいわれていることなのである。

患者さんが話すこと、すべてが本当のこととは限らない。
検査では異常が見つからない時、大丈夫ですとするか、悪いはずだけど今回のデータには出ていないのでは?と、思うかは正反対である。

剣道ではどうか。

試合の対戦相手の小手が空いていた。
こんなことは実力伯仲の世界では有り得ない。
そこを打って出たら貴方の負けである。
相手の心の中を何も感じないまま行動したからである。

相手が一番望んでいること。これが解れば名選手。名医。と言われる可能性が高い。

可能性と言ったのは、実技能力というのが考慮されていないからである。