昇段審査会学科問題と解答例 <剣幸会道場 福島孝幸>

  引用・参考文献
1.幼少年剣道指導要項 (全日本剣道連盟)
2.社会体育指導員養成講習会テキスト (全日本剣道連盟)
3.剣道講習会資料 (全日本剣道連盟)
4.段位合格のすべて (剣道時代編集部編)
5.詳細剣道段位審査四段〜八段 高段者への道 (剣道時代編集部編)
6.剣道学科審査の問題例と解答例 (全日本剣道連盟)

●剣道で礼儀を大切にする理由について (私見)
 「礼」は相手に対して不愉快な想いをさせないように細かい心づかいをするというのがその基本的な考え方である。
 剣道は、相手を実際に打たせてもらい、また自分の弱いところを打たれることによって上達していくのである。自分の研鑽に協力してくれる相手を尊重し、また指導してくれる先生、修行の場である道場に対し、さらには自分を現在の環境におくことのできる全てのものに対しての感謝の気持ちが「礼」として表されてなければならない。

●竹刀を大切にする理由について (私見)
 竹刀に限らず、剣道具は自分の心を磨き育ててくれるものである。感謝の気持ちを込めて大切に扱う。竹刀は命をも守る「刀」として、勿論、相手を打突する道具でもあるので、怪我などさせないように十分な手入れをすることも相手に対する礼儀である。

●剣道における間合いについて <全日本剣道連盟の講習会資料原文のまま>
 「間合」とは、自分と相手との距離(空間的)である。
(1)「一足一刀の間合」とは剣道の基本の間合で、1歩踏み込めば相手を打突できる距離であり、1歩退がれば相手の攻撃をかわすことのできる距離である
(2)「遠い間合」(遠間)とは、相手との距離が「一足一刀の間合」より遠い間合で、相手が打ち込んできてもとどかないが自分の攻撃もとどかない距離で、試合などで知らない相手の動きを見る場合などに用いられる。
(3)「近い間合」(近間)とは、相手との距離が「一足一刀の間合」より近い間合で、相手の打ちが容易にとどくかわりに相手の攻撃もとどく距離である。

●稽古に入る前の注意事項を挙げなさい (自分の考えを書けばよいと思います)
 自分の体調を把握して、健康な状態であること。
 十分な準備運動をして、怪我の防止に努める。
 竹刀の手入れをして、相手に怪我をさせないよう十分な配慮をする。
 上座、下座を把握し、上位のものに失礼の無いように上下関係も把握しておくべきである。

●有効打突について説明しなさい <剣道学科審査の問題例と解答例 (全日本剣道連盟)原文のまま>
 有効打突は、剣道試合・審判規則第12条に、
 充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるもの、と規定されている。このような諸条件を満たした一本が有効打突となる。言いかえれば、気剣体一致の打突である。
 有効な打突は理合と残心からなっており、理合を要素と要件に分けると、
  要素には、間合・機会・体さばき・手のうちの作用・強さと冴えが含まれる。
  要件には、姿勢・気勢(発生)・打突部位・竹刀の打突部・刃筋が含まれる。
 残心は、打突後の身構え・気構えである。

●稽古の種類について
 基本稽古(切り返し、約束稽古、打ち込み稽古、掛り稽古)
 互角稽古
 引き立て稽古
 試合稽古
 ひとり稽古
 見取り稽古
 特別稽古(寒稽古・暑中稽古)
  <それぞれについて簡単な説明を書けばよい>

●懸かり稽古の必要性について (注:全剣連の文献では掛り稽古と記述されることが多いようです)
 技術と心肺機能の向上を図る最も大切な稽古法であり、気力や体力を練り上げるのに大変良い。
 <など、その他のことも肉付けして自分で考えて書けると思います>

●剣道における四戒について
 驚懼疑惑のこと(詳細は略)

●しかけ技、応じ技の種類について
  しかけていく技:一本打ちの技(面・小手・胴・突き)、払い技、二・三段の技、出ばな技、引き技、かつぎ技、捲き技
  応じていく技  :すり上げ技、返し技、打ち落とし技、抜き技

●日本剣道形の重要性について <「剣道形の必要性と効果」について述べなさい>
 @礼儀作法、落ち着いた態度が身につく
 A姿勢が正しくなる
 B相手の気持ちや動きをよみとることができる
 C動作が機敏になる
 D技術上の悪癖をなおすことができる
 E間合を熟知することができる
 F気合、気迫が錬れる
 G剣の理合を会得できる
 H気品や風格、気位が備わる
 I打突が正確になり残心が会得できるとつの

●全剣連制定の「剣道の理念および剣道修錬の心構え」について述べなさい <昭和50年3月20日制定>
 「剣道の理念」 (←目的でもある)
  剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である
 「剣道修錬の心構え」
  剣道を正しく真剣に学び
  心身を錬磨して旺盛なる気力を養い
  剣道の特性を通じて礼節をとうとび
  信義を重んじ誠を尽して
  常に自己の修養に努め
  以って国家社会を愛して
  広く人類の平和繁栄に
  寄与せんとするものである

●「三殺法」について述べなさい
 剣を殺す:相手の刀を自由に使わせない。
 技(業)を殺す:先手先手と攻め、相手に技を仕掛ける余裕を与えない。
 気を殺す:相手の起こり頭を押さえ、常に相手の先を取り除き、相手の気を圧倒する。

●「打突の好機」について述べなさい <剣道学科審査の問題例と解答例 (全日本剣道連盟)原文のまま>
 打突の好機は基本的には次のとおりである。
(1)相手の動作の起こり頭(出ばな)
(2)技の尽きたところ(動作や技がおわったところ)
(3)居ついたところ(身心の緊張がゆるんだ瞬間、気持ちで圧倒されたとき)
(4)引きはな(退がるところ)
(5)受け止めたところ(受け止めたところ以外に隙が生じる)
(6)息を深く吸うところ(息を吸うときは、相手の動作が止まる)

●「切り返しの目的」を述べなさい <剣道学科審査の問題例と解答例 (全日本剣道連盟)より抜粋>
 切り返しは、正面打ちと連続左右面打ちを組み合わせ、基本動作を総合的に練習するためのものである。切り返しのなかで、姿勢と構え、打ちの刃筋や手の内の作用、足さばき、間合のとり方、呼吸法、さらに強靭な体力や旺盛な気力を養い、気剣体一致の打突の修得を目的とする。また、準備運動や整理運動として活用実施することにより、身体の調整を行うことができる。

●日本剣道形で使われている「五つの構え」について書きなさい
 日本剣道形の太刀の構えは、
(1)中段の構え
(2)上段の構え
(3)下段の構え
(4)八相の構え
(5)脇構え
<それぞれについて説明は書いてください>