ここ数年頻出の介護ネタ。
けも先生の周囲でもそういう話題が多かったりするのだろうか。

基本は「日常に侵入する非日常」という例のパターンで、夫(主体・ツッコミ・日常)、妻(客体・ボケ・非日常)という役割分担になっている。

ただ、最終的に妻が日常に回帰するという構成になっていて、このあたり『専務の犬』におけるゴージャスの立ち位置に近い。
その意味で「妻の星瞳」は「ゴージャスの眉毛」と同様の「非日常の徴」であると言える。

また、物語のクライマックスにおいて「主客の逆転」が見られ、ボケ役の心情に踏み込んでいる点は新しい要素かもしれない。

今回はハッピーエンドと言えるだろうが、『義理のバカンス』で見られた「言葉以前のカタルシスによる相互理解」でもなく、『おやじグラフィティ』における「言葉による相互理解」に近いのだが、それが「主客逆転」によって一度ひっくりかえされているため、なんとも奇妙な読後感になっている。

しかし、一番よかったキャラはじーさんだなぁ(笑)

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