種類と症状         


脳下垂体腺腫にはホルモンを過剰に作ってしまうタイプ(ホルモン産生型の腺腫)と、ホルモンを作らないタイプ(ホルモン非分泌性腺腫)があります。



[ホルモン産生型腺腫]

○プロラクチン産生腺腫:

下垂体腺腫の4割を占める。女性に多い。女性では無月経と乳汁分泌、男性の場合は、性欲低下やインポテンツがみられる。大きくなると視野障害が出現することもある。女性のほうが早期に発見されやすく、1cm以下の小さな腫瘍のことも多く、女性不妊症の原因のひとつ。

○成長ホルモン産生腫瘍:

下垂体腺腫の2割を占める。男性に多く、成人で発症すると末端肥大症となる。長期間続くと、糖尿病とそれに伴う高血圧などの血管病変を合併しやすくなる。

○副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫(クッシング病):

稀な腺腫。若年から中年の女性に多く、手足に比べて胸・腹が太る中心性肥満が特徴。高い割合で高血圧や糖尿病を合併し、精神症状が出ることもある。



[ホルモン非分泌性腺腫]

ホルモンを作らない腺腫の場合は、肥大した腫瘍が視神経を圧迫するなどの視力視野障害や、ホルモン分泌障害の症状を来たします。



ホルモンを作るタイプか作らないタイプかに関わらず、腫瘍そのものが大きくなって起こる圧迫症状には次のようなものがあります。

○下垂体ホルモン産生障害(汎下垂体機能不全):

女性では無月経ないし不規則月経、男性ではインポテンツや性欲が低下し、体毛も薄くなる。また、疲れやすくスタミナ不足となる。さらに、強い肉体的ショックが生じた際にショック状態からなかなか回復できないこともある。抗利尿ホルモンが不足すると、薄い尿が多量に出る症状(尿崩症)がおきる。

○視力・視野の障害:

腫瘍が上方に拡大すると、すぐ上にある視神経交叉部を圧迫し始める。まず、両目の上外側から見えにくくなり、さらに進行すると両目の外側半分が見えなくなってきて、両耳側半盲と呼ばれる典型的な症状となる。

○頭痛:

頭痛もしばしば発症する。







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