生徒さんに新しい曲を渡す時は、曲のイメージを伝える事に時間をかけ、慎重に導入する事が大切かなと感じています。お話や説明による曲に対するイメージ作りや、私の演奏やCDなどの耳から得る音楽的な情報、そしてリズム打ちや歌唱などさまざまな下準備を経て、ようやく片手の演奏を一緒に始めたいと思っているのです。
イメージなしでいきなり曲を渡した場合に比べると、より音楽的で素敵な曲に仕上がるように思います。一度、違うイメージや間違った情報が生徒さんにインプットされてしまうと、それを後から修正するのは大変な事で時間もかかり、生徒さんに大きな負担がかかる事は違いありません。
また、イメージなしで弾き始めると、ただ音符を追っかけるのに必死になり、音楽的な表現どころではなくなってしまいます。うまく弾けなくても、最初の最初から音楽的なイメージをもった上で音を出せるように。。。。つまり、静かなやわらかい曲なのか、強くて情熱的な曲なのかといった事を表現する。そのためのイメージ作戦です。まぁ一応こんなふうに考えてはいますが、実際はいつもうまくいくとは限りません。(笑)
それにこの作戦は時間がかかりますから、教則本もあまり進んでいないように見える事もあります.。「お友達があの曲を弾いているのだから、うちの子にも…」「何才になったからこれ位のレベルの曲は弾いて欲しい」「うちの子には有名な曲を弾かせたい」と、親御さんは思われるかもしれませんね。
でも大事な事は、教則本が進む事や難しい曲が弾けるようになる事ではなく、リズム感、音感、鑑賞能力などを身につけ、いかに、いつまでも音楽が楽しめるようになるかとか、音楽から受け取るメッセージをいかに素敵に表現できるようになるか、といった目に見えない力を養う事ではないでしょうか。たとえ教則本が進まなくても、確実に生徒さんは成長されていますから、進度などはさほど気にしなくても良いのではないかと思っています。
このイメージ作戦は幼稚園や小学生には一番よい方法だと感じていますが、年齢が進むにつれ、楽語など専門的な言葉で説明しても、自分でそれなりにイメージ出来るように発展させていければと思います。
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