桜 特 集 ・ 2013

今年、南信州の一本桜を追いかけました。何時もの年より早かったのに、
運よく新しい一本桜を撮ることができました。それらを紹介します。



舞 台 櫻
        (4月5日)

これは、わが村のシンボル、小生の通った小学校の校門の脇にあり、その頃から
なじみ深い桜です。特集に欠かすことができません。今年も美しく咲きました。





中央手前が、舞台桜、その向こうが石塚桜です。ほぼ中央、空に突き出した
森は、後に紹介する飯沼・諏訪神社です。左下に飯沼石段桜が見えます。



善勝寺のしだれ桜      (4月4日

 これは我が菩提寺、龍臥山善勝寺(真宗大谷派)の境内にあります。
(所在・飯田市伝馬町)
飯田市は昭和22年4月20日、昼ごろ市街地の南端で発生した火災が、
折からのフェーン現象の強い南風にあおられ、10時間にわたって燃え
続け、市街地の大半を焼く尽くしました。善勝寺は火元の北側で約1km
位離れていましたが、燃え広がる火勢の進路に当たっていたため例外
なく全焼しました。その焼跡に下清内路(現阿智村)の檀家の人が植え
て呉れたものだそうです。植えた時の大きさは定かではありませんが、
約65年経ってこのような大木になりました。近くの寺の樹齢推定300年
には及びませんが、いずれ成長して名木になることでしょう。下清内路に
は黒船桜という名木がありますが、その子桜ではないかということです。
ただこの桜は後に紹介する飯田市の桜名所、大宮桜並木に接している
ため、一本桜としては余り目立たないのが残念です。








高松・薬師堂の桜     (4月5日)

 かって善勝寺がこの地にあり、天正年間[1573−1592)に現在地に移りましたが、
当時の薬師堂が残され、現在、曹洞宗医王山正命寺となってその境内にあります。
樹齢推定400年、目通り3.7m、樹高9mの古木です





大宮桜並木     (4月4日)

飯田の大火の復興計画で市街地を南北に分断する形で設けられた
広幅員の防災道路の中央に植えられた桜並木です。
この道路は、市のほぼ中央を流れる谷川を挟んで、
南側は有名なリンゴ並木、北側はこの桜並木です。



桜並木の南端にある人形劇の町を象徴するカラクリ時計です。
午後3時を告げています






桜丸御殿 ・夫婦櫻      (4月4日)


かって飯田城の桜丸御殿址(現在は長野県飯田合同庁舎)に残された
桜で、一本に見えますが、がエドヒガンとシダレザクラが合体したものです。
樹齢推定400年、根元周囲8.2m、樹高12m
飯田城は、1600年代の初め、脇坂氏が藩主となり、現在まで残る名桜を
植えるなど、飯田の文化の基盤を作ったと云われています。1672(寛文12)
からは、堀氏が藩主となり1871(明治4)まで12代にわたって続きました。
桜丸御殿は堀氏の時代、若殿御殿、隠居所として利用していたようです。



根元部分、手前がエドヒガン、向う側がシダレ


シダレ部分


これは昨年撮ったものですが、エドヒガンとシダレの違いが良く分かります。
今年は10日ほど早く咲きました


飯田城址に唯一残された桜丸御門(赤門)で、1754(宝暦4)に堀氏時代に
建てられ、赤いベンガラ(現在はペンキ)で塗られていたことから赤門と呼ば
れています。門の脇に番所があり、屋根の鬼瓦には堀氏の家紋「丸に向梅」
が付いているようです。       奥の建物は長野県飯田合同庁舎です。



飯田市美術館前の桜です。



飯 沼 石 段 桜        (4月5日)


奥に見える石段の上には、飯沼諏訪神社(1394・応永4年創建)があり、
石段は1888(明治21)道路工事に伴い、村人総出で築造されたものです。
その時、この石段の両脇には桜が植えられ、約120年経って見事な景色と
なりました。この石段は300余段あり、近くの高校運動部の良きトレーニング
場所となっています。








杵原学校の枝垂れ桜      (4月4日

杵原学校(旧山本村中学校)は、昭和24年に木造校舎として建築されました。
山本村は1957(昭和32)飯田市と合併、1985(昭和60)中学校の統合で廃校
となりました。木造校舎ということで、2007(平成7)吉永小百合主演の映画
「母べえ」のロケに使われました。
この校舎が建築された時の写真にはこの桜は写っていませんので樹齢は、
善勝寺の桜と同じ位かと思います。










くよとのシダレ桜       (4月5日)


供養塔があることでこの名がつきました。供養塔は室町時代の戦いによるもの
とか、桜の木の下の道は、江戸時代の旧遠州街道だったので、旅人や馬などを
供養したものではないかと推測されています。
推定樹齢約300年余、胸高周囲3.8m、樹高15mです。







おたちふの桜      (4月5日)


この桜は、桜特集’09に載せてありますが、通りかかったら福岡ナンバーの車が止まって
いたので、尋ねたところ、一本桜を撮影しながらご夫婦で東北まで行くとのこでした。
一本桜の一覧表を持っていて、開花に合わなくて撮り残した樹をチェックされていました。



氏乗分教場跡のシダレ桜        (4月5日)


この桜は、1909(明治42)氏乗分教場の入学記念に植えられたものです。
1958(昭和33)に分教場は廃校になりましたが、残された桜は毎年きれい
な花を咲かせていますが、この時は標高が高いため未だ3分咲きでした。
この桜は、多弁(半八重)のベニシダレで濃紅色の花を咲かせます。
その片鱗は見ることができました。樹齢は約100年ですが、目通り幹囲3.3m、
樹高22m、垂れ下がる枝が5mにもなる大木です。(喬木村氏乗)
飯田市から三遠南信道路、矢筈トンネルへ行く途中にあります。







弘法様の名号碑          (4月4・6日)


この石碑は、弘法様の真筆と伝えられ、1819(文政2)に建立されたと
伝えられています。石碑の高さは2.7m、毎年4月21日が供養の日として
弘法様のお祭りが続けられているようです。桜はまだ小さいですが、毎年
紅色の美しい花を咲かせます。やがて名木になることでしょう。
阿智村の国道153号に沿った飯田市との境界近いところにあります。







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