一日…センパイに会わなかった。

会ったからって別に話とかするわけじゃねーけど…

いつもは移動教室なんかで見かけんのに…今日は会わねぇーな…

別にいーけど…

どーせ部活になれば…センパイ見に来るし…。

































「…………」















もうすぐ部活…始まる。

なのに…センパイがいねぇ…

なんでだ?

は…もう来てるってのに…。











なんかすげー…気になってギャラリー見上げてたら…

彩子センパイに思いっきり背中叩かれた。





























…痛ぇ…































「流川!なにぼんやりしてんのよ?」

「…センパイは…?」

「先輩?…ああ、のこと?」

「…今日…見てねえ…」

「あれ、知らなかった?今日は、学校休んでるわよ。なんか…体調悪いんだって」

「………………」

















…休み…?

だからいねーのか…。

体調わりぃなんて…聞いてねぇ…



















「…用事デキタ。帰るっす」

「え…用事って…流川?!」

















彩子センパイが呼んでっけど…それどころじゃねぇ。

センパイが…ガッコー休んだ。

具合わりぃって…どんぐれぇ?

一人暮らしなのに…ビョウインとか…行ったのか?

















気がついたらセンパイの部屋の前でインターフォン鳴らしてた。

2回…3回…













ナンデ出ねぇ?

寝てんのか?

…起きらんねーぐれえ…具合わりぃ…?





















カギとか…持ってねーから、ドアの前で突っ立ってた。

けど試しにってドアノブ回せば…開いてるし…。

…無用心…。



















センパイの家ん中は…誰もいねーみてーにシンとしてた。

前に1回だけ来たことあるから…センパイの部屋…行ってみっか。

いちおうノックしたけど…返事はねぇ。

…気配は…ある…。















音とか…させねーようにドア開けてみたら

ベッドにセンパイが寝てた。

横向いて丸まって…青い顔して…



















「…センパイ…?」



















呼んでみたけど…センパイは起きねぇ。

ベッドに近寄って顔覗き込んでも…目…つむったまんま…。

全然動かねぇ























「…センパイ」

「……………」

「センパイ」

「………
…」



















よく寝てんだろーけど…すげー顔色わりぃ…

何回か…しつこく呼んだら、ちょっとだけ…動いた。



















「………………」

「………
かわ…?」





















ようやく…センパイが目ぇあけた。



























うつろな目とかバラバラの髪とか…なんかセンパイらしくねぇ…。





























「…流川…なんで…?」

「…具合わりぃって聞いた…彩子センパイに」

「彩子に?そっか…わざわざごめんね」

「どっかわりぃのか?」

「いや…ただの生理痛なんだけどさ…」

「……せーりつー…」

「…おなか痛いだけ」

「ビョウインは?」

「病気じゃないから。薬飲んで寝てた」

「…それで治んの?」

「ん。前からたまにあるからね。平気」

「…そーか…」

「…流川…?」























一気に気が抜けて…オレはセンパイが寝てるベッドに顔を伏せた。

































「…死ぬかと思った…」

「は?いくらなんでも…生理痛ぐらいじゃ死なないでしょう」

「…違う…オレが死にそーだった…」

「…なんで…?」

「…センパイ…すげー顔色わりぃし…呼んでもなかなか起きねぇーし…」

「………」

「…もう起きねぇかと思った…」

「……心配した…?」

「…シタ…」

























笑われっかもって思ったけど…センパイは黙ってた。

寝たまんまで…黙ってオレのアタマ…撫でてた。

そんでオレも…なんか眠くなった…

































「…オレも寝る。一緒に…」

「…本気ですか…」

こくり

「…まあいっか…。ほら、入っておいで」































センパイが場所空けてくれた。

なんかセンパイ…壁の方向いてっけど…まーいい。

























同じ布団に入って寝るのはハジメテだな…。

ちょっと…照れくせぇ…。





















腹いてぇらしーから…あんま強くはねーけど、オレは後ろからセンパイに抱きついた。

腰んとこ回した手で…ちょっとだけセンパイの腹…撫でてみる。

























「…え、ちょっと…なに?」

































お…センパイ…ちょっと縮まった…。



































「…まだいてぇ?」

「…あ、そういうことね。ん…痛いけど…でも…そうしてて?ちょっとは痛くないような気がする…」

「…おー…」

























ホントは…センパイの『せーりーつー』が治るまで撫でててやりてーけど…

なんかセンパイ…あったけーし…やらけーし…

…気持ちいぃ…



























一気にイシキが遠くなる…。



































ねみぃーのにはオレでも勝てねぇ。

たぶんオレのがセンパイより先に寝ちまうけど…

























起きたらまた、撫でてやるっす。























んじゃぁまぁ…





















…オヤスミ…











後書き

…コメディ…?



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