たまには3人で遊んでみる?

そんな彩子の誘いで、3人娘は馴染みの喫茶店にいた。

この店自慢のケーキセットを味わいながら、学校のことや部活の話題で盛り上がりつつ…

年頃の娘たちが集えば、最終的には「恋話」になるのは当然だろう。











「そうだ!あたしこのあいだ見ちゃったのね〜、と三井先輩。

学校の近くの公園で、一緒にブランコ乗ってた!しかもは三井先輩のひざの上…」

「ぶっ…」

「あーっ!ふいたー!!…汚いなぁ。はい、おしぼり」

「あぁ…ありがとう…」

























彩子の告発に、飲んでいた紅茶をふき出したのはであった。

「一緒にブランコ」

そう聞いての脳裏に浮かんだのは、並んでブランコに乗ると三井の姿。

これが普通の思考…だと思いたい。

なのにひざの上??

ありえない…











自分がふき出してしまった紅茶を拭くの横では、と彩子の会話が進む。













「でも、三井先輩もやるわよね〜。

口では綺麗なねーちゃんがどうのこうの言ってるけど、根は硬派だと思ってたのに。

と二人きりだとベタベタですか?」

「へへ。寿ね、あたしに甘いもん。最初は照れて嫌がるけど、結局はあたしの言いなり。あれでいてけっこう優しいの。

あたしはくっついていたいタイプだけど、今のところは満足させてもらってます。

手もつないでくれるし、抱っこもしてくれるし」

「やっだー!三井先輩ってそうなの??見えなーい!

絶対、主導権握りたいタイプだと思ってたのに…。」

「ほんと…。私もそう思ってたわ」

「ねー。こりゃいいこと聞いたわ」

「あはは。そのネタで、寿のことからかっちゃダメよ〜?」













とかなんとかいいながら、は次々と三井の知られざる顔を暴露してくれる。

デートの待ち合わせには、寝坊しない限り5分前には来る律義者だとか?

「ペア」にこだわって、携帯をと同じ機種の色違いに買い換えたとか?

エトセトラ・エトセトラ

三井寿・年上の彼氏としての威厳ゼロである













「あー、おっかしい。あんたたちの話聞くのって飽きないわ。」

「そう?こんなのでよかったらいつでもどうぞ」

「そうさせてもらうわ。…んじゃ、次はね」

「…私?」

「そ。前から聞きたかったのよ。と流川がどんなつき合いしてるのか」

「あ、それあたしも聞きたい!ってばあんまり教えてくれないんだもん。

今日こそは、すべてゲロってもらうからね!」

「どんなって…別に変わったことは…」

「もー!じれったいな〜。たちみたいなネタはないわけ?」

「…ネタ…」

「よし!じゃあ、一番最近のデートは?」











に恋愛を語らせるのは無理だと悟ったは、質問を尋問形式に切り替えた。

質問したはもちろん、彩子まで一緒になって身を乗り出してくる。











「そうね…あ、流川がうちにきた」

「「おお!!」」











あの流川がどんな顔して一人暮らしのの部屋に行ったのか…

と彩子のボルテージは一気に上がる。











「なんだー。二人ともちゃんとつき合ってるんじゃない。」

「ねー。楓を部屋に呼ぶなんて…さんもやりますなぁ」

「呼んでない。勝手に来たし」

「「………」」











ボルテージ急降下











「で、でも!なんかなかったわけ?楓と二人っきりで部屋にいてさ」

「そうそう。なんか…スキンシップしたとか!…流川からは想像できないけど…」

「んー…とねえ…。あぁ、ペディキュア塗ってくれた。けっこう上手に」

「…流川が?」

「楓が…ペディキュアですか…?」













あの流川が、あのでかい図体でちまちまとの足の爪を塗る姿…

も彩子も想像するのに時間がかかった。













「っへー!流川がそんなことするなんてちょっと不気味だけど…

なんか…なんかじゃない?」

「うんうん。男に化粧してもらうって…なんかやらしー!!映画みたい!」

「化粧って…」

「しかも足よ??あたしだってまだ寿に触らせてないのに!」

「で?で?…そのあとは?」













再びボルテージがあがったと彩子。

興奮もあらわにに詰め寄る。

二人がなにを期待しているのか…わからないさんではない。

が…











「ご期待にそえなくて残念だけど、何にもなかったわよ。

爪塗ってもらってるときも、勢いあまって私、流川のこと蹴飛ばしたし。

だいたい流川、うちにきてすぐ寝たもの。そういう雰囲気じゃなかったって」











すべてが真実ではないものの…の名にかけて、

すき焼きに負けたなんて口が裂けても言いたくない!













「なーんだ、つまんない。てっきりと楓はもうやっちゃったかと思ったのに」

「やっちゃったって……。そんなわけないでしょ」

たちってさ、けっこうドライよね?と三井先輩はつき合ってるってすぐにわかったけど、

と流川は言われるまで気づかなかったわ」

「そう?」

「それはあるね〜。学校じゃ二人ともぜんぜん話したりしないしさ。」

「だって…帰りは一緒だし、最近はメールもするようになったし?特別話したいこともないし」

「ふーん。そんなもんなのかしらね」













思い切りつまらなそうな顔をして、彩子は残っていたケーキをほおばる。

















「んー。まあはさ、楓のほうから告られたわけだし?

がいまいち楓に夢中じゃないのもわかるけどね」

「ね?はさ、流川のこと好きなの?」

「え…なんで?」

「だってそう見えないし」

「彩子…あんたって、聞きにくいことあっさり言うね…」

「だって気になるじゃない?だってそうでしょ?」

「そりゃそうだけど…」

「で?どうなのよ、

「うーん…の「三井先輩病」まではいかないかな?

まだ…よくわからないっていうのが本音。

だってあのコ、なに考えてるのかわからないときもあるしね〜。ちょっと微妙だわ」



















仕方のないことだとはいえ…ちょっと流川に同情してしまうと彩子…

そんな二人の頭には、同時に同じ疑問が湧き上がった。

それを口に出したのは彩子…



































「…そんなんで…なんで流川とつき合ってるわけ?」













































彩子は本当に不思議そうな、は少しだけ不安そうな様子でを見つめる。

だけどは、なぜそんなことを聞くのかというような表情で即座に答えた。

























































「流川が私のこと好きだからでしょ」









































も彩子も目が点…

そんなつもりはなかったが、ほかの女たちと同様…どうやら二人とも流川を特別視していたようだ。

流川は常に、「女に惚れられる側」だと…















「なんか…のろけられた気分ね…」

「あたしもそう思う…」

「そう?そんなつもりはないけど」





















そんなつもりはないと言いつつ…どこか不適な笑みを見せるさん…

彼女に適わないのは、流川くんだけではなかったようです。























「あーあ。こんな話してたら寿に会いたくなってきた〜」

「……あなたってほんとに、三井先輩のこと好きね」

「うん!」

「はいはい。ふう…独り者はつらいわ〜」

「あら、彩子も相手作ればいいじゃない」

「そうだよ〜!!宮城とはどうなの??」

「え!!なんでそこでアイツが出てくるのよ!」

「だって…ね〜、

「そうだ。、彩子にも協力してあげたら?」

「あ、いいよ〜。やるやる!」

「や、やめてー!!!」





















彼女たちのから騒ぎは、まだまだ続いたのでした…



















後書き

人物が3人以上出てくると、途端に書くのが難しくなる…
どれが誰の台詞なのか…書き分けるのって簡単じゃないですね。
かといって、それを説明しながら書くと読みにくい気がするし…
さんは比較的言葉づかいが丁寧なのでわかると思うけれど、
さんと彩子さん、キャラかぶってるしw

とりあえずの見分け方は「流川」の呼び方w
流川を「流川」と呼ぶのは彩子さん
「楓」と呼ぶのはさんです。


そこんとこよろしく…


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