「「「「(ぉっ)かれっしたぁぁぁ!!!!!!」」」」








 午後7時

 ようやく本日の部活も終わりを告げた。





 


 部員たちは明日の練習試合に持っていくボールや荷物をまとめるために動き出し

 それに指示を出している部長以外のスタメンたちは、明日に向けて自主練に励む。







 宮城と桜木は入り口側のコートでフェイクの練習をしていて

 ステージ側のコートでは流川と三井がシュート練習をしていた。








 「チッ」









 それまで順調に3ポイントを決めていた三井がシュートを外し、

 そのボールが流川の足下へ転がってきた。








 「…集中力、足りないんじゃないっすか」

 「うるせー」








 流川のそばまでボールを取りに来た三井。 

 シュートを外した原因を言い当てられ、むっとした顔つきになる。








 「…あのよー…」








 拾い上げたボールを軽く突きながら、三井が口を開いた。








 「お前…あの娘と知り合いなんか?…」









 先ほどと流川が話していたのを、三井は見ていたのだ。

 実は同盟を結んでいたとは知らない三井に

 二人の姿はなにやら楽しげに話していたように見えて…

   







 「幼なじみッス」

 「ほー…」








 流川がシュートを放つと

 ボールはリングに当たることなくネットに吸い込まれた。








 「…気になるんすか?アイツのこと」

 「ん?まーな。顔も可愛いしスタイルもいい。最高にいい女じゃん?」








 ニッと笑った三井は、自分もボールを放った。


 今度は決まる。








 「あーいうのタイプなんすか?」








 流川は内心思っていた。

 『あんなのよりその友達のほうがよっぽどいい女だ』

 …と。










 「彼女…毎日練習見に来てるけど…誰かお目当てでもいるのか?」








 ちょっと決まり悪そうな表情で、三井がつぶやいた。

 流川は黙って三井を指さす。








 「は?…オレ…?」



 コクリ







 「…てめー…オレを担いでんじゃねーだろうな」

 「違う。アイツがそう言ってた」

 「…そ、そうか…なんだ…オレか…」








 突然のことでどう反応していいかわからない様子の三井。

 にやけているような戸惑っているような、奇妙な表情だ。








 『やれやれ』








 これでへの『協力』は終わったと判断した流川。

 未だに一人でぶつぶつ言い続けている三井を尻目に

 明日の練習試合に向けて、流川は黙々とシュート練習を重ねるのであった。










  後書き
 
   流川の『協力』バージョンでした。
   さんと同じ方法なのは、一真の力不足です・・・
   でも、一真的にはこれでいいかないーとも思います。
   さんとさんは何でも包み隠さず話せる親友って感じで書きたかったし、
   流川の場合は・・・流川に協力なんか頼んだら、すぐにバラされそうじゃないですか?
      
   これで第一部の終了です。
   人間関係(誰が誰を好きで・・・)が
   書きたかったんです。実はw
   二部はもう少し・・・ドリームっぽくなる予定です。
   あくまで少しですが・・・・。
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