職人の技 かるた遊びのための札は、一組200枚。ひらがなで 下の句がしるされた取り札、美しい絵柄の読み札を、 昔からの技法を守って作りつづけているのが弊社 です。 大正10年の創業以来、良質の和紙と専用の糊を 使い、手作業で製作しています。 かるた作りにはいくつかの工程がありますが、最 初は「きじはり」。多色刷りしたおもて紙を一度濡 らしてから、澱粉のりで台紙に貼りあわせます。貼 り合わせた生地を乾燥・加工したのち、かるたの寸 法に裁断するのが「おおだち」です。 さらに高級な品では、金箔や銀箔を用いた裏貼紙を貼りつけます。裏貼紙は、色すき和紙に ドウサ(ニカワ)液を刷毛で塗り、均一にきれいに振りおとして作られます(「はくふり」 という。)そして、この裏貼紙に一枚一枚、澱粉のりをつけ、裏側から包むように貼りあげる のです。この最も熟練の技が求められる工程を「へりかえし」といいます。やわらかい和 紙はキズがつきやすく、また気温・湿度などでのりの濃度も細かく調整しなければなりません。 のりを置く刷毛さばきひとつもおろそかにはできず、熟練者でも一組200枚を貼りあげるのに 1時間以上かかるといいます。 また、一組のかるたを必ず一人の職人が仕上げます。これは微妙に異なる「手」の加減をそろ えるためで、できあがった200枚の札を重ねるとわずかの隙間もなくぴしっと積み上がります。 柔軟かつ強靭な和紙の力と、それを生かしきる職人のていねいな仕事は各地の百貨店で開催さ れる「京都店」などで実演させて頂いています。 |
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美しい日本語と文化のために 古典文学に触れる機会が減ってきている現代、百人一首は気軽に和歌に接することができる大切な 文化といえるのではないでしょうか。王朝和歌の歴史をたどるきっかけともなる百人一首。かるた遊び の為に句を覚え、なじみのない言い回しに出会ったら、古語辞典や解説書で調べてみる。日本語の奥 の深さに気付くよい機会になるかもしれません。 そんなときにおすすめしたいのが、練習用の朗読CD付のセットです。 いにしえの人々がそうであったように、朗々と詠みあげられる言の葉 (ことのは)の響きを聴くと、文字を見ながら黙読するときとは違う美し さを感じることが出来ます。楽しくかるた遊びをしながら、言葉に対する 豊かな感性を磨くことができる・・・子どもたちはもとより、気ぜわしい毎 日を送っている大人にも、こんなゆったりとした時間が必要なのかもし れません。 弊社の「小倉百人一首」は、毎年一月三日に京都・八坂神社で行わ れる『かるた始め式』でも使われ、その仕上がりの美しさから、かつ ては嫁入り道具のひとつに数えられていたというのもうなずける話しです。気軽に使える練習用から始 めて、やがては芸術品ともいえる手漉き和紙を用いた最高級のかるたを手にする・・・そんな夢の第一 歩を、今度のお正月からはじめてみませんか。 |
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