ハッブルの法則の説明の矛盾

 アンチビッグバン論08年分
著者 高田敞
2011年12月20日記

1 遠い銀河ほど赤方偏移している理由の矛盾

(1) ビッグバン理論による赤方偏移の理由

   @ 銀河が後退しているのでそのために起こるドップラー効果による。

A 宇宙空間が膨張しているために、光が引き伸ばされ波長が伸びて、赤方偏移する。

(2) 考察

ア @かAか

  この2説のどちらを取り上げるかは本(著者)によって違っている。

  赤方偏移の原因が空間膨張なら、@,A共に起こっていると考えられる。

  空間膨張のために星が離れていくことで起こる後退速度による赤方偏移と、空間膨張によって光が引き伸ばされることによる赤方偏移が重なっているはずである。すると実際の後退速度は観測される赤方偏移の半分くらいになるはずである。

  するとハッブル定数は遅くなることになる。

イ 証明されているか 

  @の後退速度によるドプラー効果は、近くの星の動きなどで実際に証明されている。

 しかし、Aは推論だけで、実際の証明はない。空間膨張によって光が引き伸ばされる原理はちゃんとした理論もないので今のところ仮説にもなっていない。

ウ @の起こる理由(ビッグバン理論)

 空間が膨張しているから、遠い銀河ほど後退速度が速くなる。

疑問点

@ 空間が膨張すると銀河を押すことができるという説であるが、空間が物質を押す仕組みが解明されていない。それを解明しようともしていない。

A 太陽も空間膨張によって押されていることになっているが、その動きは実測されていない。(はるかに遠い銀河の光が赤方偏移しているから、というのであるが、それは遠い銀河の光の赤方偏移が観測されただけで、太陽が空間膨張によって動いているという実測ではない)

B 空間が太陽のどこにどのように働きかけて、遠い銀河に対して太陽をどの方角にどれだけの速度で動かしているのか不明である。

C 地球も、空間膨張によって動いているはずだが、空間膨張がどのように地球に作用しているかは不明である。またそのような現象は何一つ観測されていない。

D 月においても同様である。

E 空間膨張は証明されていない。

・ 空間とは何かが分かっていない。

・ 空間膨張の仕組みが分かっていない。

・ 空間を膨張させるエネルギーが分かっていない。

 (どのようなエネルギーが、空間のどこに、あるいは何にどのように作用すると、空間は膨張するのかが何一つわかっていない。暗黒エネルギーといわれているが、それも、なにひとつ分かっていない架空のエネルギーである)

・ 空間膨張は観測でも、実験でも、実際には確認されていない。

 一番観測が正確にできる地球では、空間膨張の直接の観測も、空間膨張による間接的現象も観測されていない。

・ 空間膨張について何一つ研究されていない。

ウ Aの空間膨張によって光が伸びる

空間膨張のために光が引き伸ばされ波長が伸びて、赤方偏移する。

考察

a 空間膨張は、3次元で膨張していることになっている。

  波長だけ伸びているということだから、光は前後方向にだけ引き伸ばされている。縦方向や、横方向には、引き伸ばされていない。なぜ縦方向や、横方向に引き伸ばされないかの理由がない。

  おそらく、理論に都合がいいことだけ取り上げて、他は無視しているからであろう。

  なんにしろ縦と横に引き伸ばされない理由と証明が必要であるのにそれがないのは理論ではない。

b エネルギーはどこに消えたか

  光の波長が伸びたということは、エネルギーが減少したということである。エネルギー不変の法則から、エネルギーは消えてはならないことになっている。すると、減った分のエネルギーはどこかに移動したということになる。ところが、このエネルギーの行き先は不明である。誰もこのことに言及しない。説明しようがないから無視しているのである。

結論

 空間膨張は、現代物理学では何一つ究明されていない事柄である。

 

 2 赤方偏移の他の理由

 銀河から出た光は、宇宙空間の水素分子や原子、その他の様々な原子に衝突している。これは、銀河からのスペクトルの暗線によって証明されている。何千万光年、何億光年も、光が飛べば、衝突する原子や分子は、限りなく多いはずである。

 この衝突によって、光のエネルギーが失われることによって、光が赤方偏移していると考えられる。このエネルギーの損失は、光が飛ぶ距離に比例していると考えられる。遠い銀河ほど赤方偏移が大きいことと一致する。(鏡張りの部屋に光を一瞬照射すると、光は反射していつまでも明るいかというと、一瞬で消える。光が鏡に当たってエネルギーを、鏡に奪われるからである。可視光がエネルギーを奪われて、赤外線になりマイクロ波になり可視光でなくなるからである。赤方偏移である。

3 結論

 以上のように、空間膨張は謎以外の何物でもない

 そのために暗黒エネルギーなるものを考え出したが、そのエネルギーも謎以外に何もない。謎が更なる謎を生んでいるというのがビッグバン宇宙論である。謎のエネルギーも、謎の空間も、現在解明されている物理学の入り込む余地はない。神の力が大いに入り込む余地があるだけである。喜んでいるのはキリスト教会だけである。

 そのてん、赤方偏移の原因が、光と物質の衝突による、光エネルギーの減少とすると、現在わかっている物理学だけで十分説明がつくことになる。謎も、ダークエネルギーも、もちろん神の必要もまったくなくなる。

 問題は、宇宙がいつ、どのように始まったかということの回答はなくなることである。しかし、それはビッグバン以前の宇宙はいつ始まったかということが解決されないのと同じことである。急いては事を仕損じるである。

 科学に神は必要ないのである。