特殊相対性理論と事実とが正反対であることについての考察

 著者 高田敞


1 特殊相対性理論の主張

@ 相対性原理

A 光速度不変の原理

B 速度によって時間が伸び縮みする

C 速度によって空間が伸び縮みする。


2 考察

上記の原理が実際の現象に現れているかを検討する。

(1) 相対性原理

 この宇宙には絶対静止の物質がないから、動いている方は決められない。

Aという物体から見るとBが動いている。Bという物体から見るとAが動いている。どちらが動いているか決められない。

という主張。

 反例

 アインシュタインは、列車と軌道はどちらが動いているか決められないと言ったが、実際は動いている方は列車であると決められる。

列車が動く場合の運動エネルギーと、軌道が動く時の運動エネルギーは大きく異なる。列車の車輪の回転で軌道を動かすにはエネルギーが足りない。軌道が動くことは地球が動くことだから、列車のエンジンでは地球を動かすエネルギーが足りない。

列車のエンジンの出力と列車の移動の為の運動エネルギーは一致するが、列車のエンジンの出力と地球が動く運動エネルギーは一致しないから、動いている方は列車だと特定できる。

又、列車の車輪が回転しても、今まで、太陽と地球、月と地球の位置関係が変化したという観測はなされていない。ということは、列車の車輪が回転して地球が時速80kmで動くとなると、月や太陽も時速80kmで動くことになる。列車のエンジンのエネルギーが太陽を動かすとするとエネルギーが足りないし、列車のエンジンのエネルギーがどのように太陽まで伝達したか説明しなければならない。地球が動けば地球の万有引力で引っ張ることができるのはせいぜい月くらいである。太陽を列車の速度と同じ時速80kmで引きずることはできない。万有引力の法則にもエネルギー不変速にも反する。列車が時速80kmで走ることと、地球や太陽が時速80km動くことが同じであるということは、運動エネルギー、および運動法則から考えてありえない現象である。アインシュタインの挙げた、列車と軌道はどちらが動くか決められない、は間違いであると言える。

 道路を走る車が動くのか、道路が動くのかも、動く方は決まっているといえる。同じように、道路が動く時、地球が動き、太陽が動く。車のエンジンの出力は車の運動エネルギーに一致し、地球や太陽が動くとした場合の運動エネルギーとは大きく異なる。動いているのは車であると特定できる。

成田空港から飛び立った飛行機がニューヨークへ着いた。これはあり得る。しかし、成田空港で飛行機に乗ったら、ニューヨークが、上下しながらこちらにやってきた、というのはあり得ない。

私が足を交互に動かしたら、東京駅が時速4kmでやってきて、新幹線が私の前に横付けになった、ということにはならない。私が足を前後に動かす力では東京駅は動かない。歩いているのは私であると特定できる。

振り子時計を見てみよう。振り子が動いている。しかし、相対性原理だと、振り子から見ると時計が動いていることになる。時計は柱に固定されているから、柱が左右にカチコチ動く。柱は家に固定されているから、家がカチコチ動く。家は地面に固定されているから、地面がカチコチ揺れる。すると地球がカチコチ揺れる。月がカチコチ揺れる。太陽がカチコチ揺れる。銀河系がカチコチ揺れる。宇宙全体がカチコチ揺れる。柱時計の振子を動かすバネはすごい力持ちになる。こんなことは起こっていない。エネルギー不変則からも不可能だ。動いているのは振り子の方だと決めることができる。

カチコチから見てみよう。音だから空気が振動して空気中を伝わっていく。振動している空気分子から見てみよう。空気分子は止まって、地球が振動する。

時計のバネに地球を振動させる運動エネルギーはない。動いているのは、空気分子だと特定できる。

そのほか、すべてのことは、動いている方を変えると、地球が動き、太陽が動き銀河系が動くことになる。それは全宇宙が動くことになる。エネルギー不変速に完全に反している。

また、太陽と、地球では、地球が太陽の周りを回っている。地動説だ。これは観測で確認されている。又、ニュートンの万有引力の法則で理論も解明されている。

ところが、相対性原理で地球から見ると、太陽が地球の周りを回っていることになる。天動説は証明されていない。太陽が動くという理論も相対性原理だけである。地球が止まると、全宇宙の星が地球を回らなくてはならなくなる。1万光年先の星が1日で地球を一周するのである。銀河系の回転の中心が地球になるというのである。そして、銀河系は1日で地球を一周するというのである。よくこんな理論を科学者が信じていること。

実際の現象は動きは決まっている。地球と太陽の重心の周りを、それぞれが回転している。共に動いている。これがケプラーの理論だ。相対性理論のように、Aから見るとAが止まりBが動き、Bから見るとBが止まりAが動くというようなオールオアナッシングではない。

 月と、地球も同じである。二つの重心のまわりを共に回転している。月から見たら、月の周りを地球が回転しているというわけではない。

 加速器を見てみよう。加速器の中を、陽子が光速に近い速度で飛んでいる。その陽子から見てみよう。陽子は止まり、加速器が光速に近い速度で回転する。加速器は地球に固定されている。地球が光速で回転する。地球は遠心力で粉々に吹き飛ぶだろう。もちろん太陽系も高速で回転する。太陽との距離を考えると、光速の、数百倍で回転する。太陽系は吹き飛ぶだろう。銀河も回転する。光速の数億倍の速度になるだろう。銀河系は吹き飛ぶだろう。

 ところが、加速器は稼働しているのに地球も太陽系も安泰である。動いているのは陽子の方だけだといえる。

動いている方が決まらない実例は現実には存在しない。あるのは思考実験という空想の中だけである。机上の空論である。事実と相いれないアインシュタインの相対性原理は間違っているといえる。

 

相対性原理の理由は、この世界に絶対静止の物体が存在しないから、絶対的な動きは測れない、ということである。相対的な動きしか測れないというのだ。

しかし、光は、真空中で30万km/秒とアインシュタインもいっている。真空中では一定の速度であるということである。一定速度のものがあるということは、そこを基準にしてすべての速度が測れるということである。次に述べるように、現在ではそこから地球の絶対速度が測れている。

アインシュタインは、絶対静止の物質から、棒何個分で測るしかないと個体に固守したが、今は、個体がなくても測れるのである。このことから、相対性原理はその根拠も間違っているといえる。

 

(2)光速度不変の原理

光は何物にも光速度である。

マイケルソン・モーリーの実験がその証明である。

という主張。

反例

 佐藤勝彦氏はその著書「宇宙論の飽くなき野望」の中で「宇宙は光に満ちあふれています。3Kの光(フォトン)の粒があるその中を、私たちの銀河はある方向に向かって突っ走っています。」と述べている。その速度はおよそ、600km/秒であると述べている。

 これは、アメリカの観測衛星が、宇宙背景放射を観測した結果である。

 衛星で全天の宇宙背景放射を観測したら、地球の進行方向から来る光は青方変異しており、後方から来る光は赤方変異していた、という結果から宇宙背景放射に対する地球の速度を出したということだ。

 マイケルソン・モーリーの実験は、どの方向から来る光も地球の動きによって光の波は変異しないという実験だった。しかし、現代の科学の粋を集めたアメリカの人工衛星は、地球の動きによる光の変異を観測している。これは、時期が違う2機の人工衛星で観測されているから、検証もされたと言える。マイケルソン・モーリーの実験は間違いだと言える。

 また、マイケルソン・モーリーの実験そのものも、人により、24時間周期の変異がみられる、という人もいる。検証実験も、正しいという結果が出たというのや、間違いであるという結果が出たとういうのや様々であり決定していない。相対性原理支持者は決定しているといっているが、それはアインシュタイン教信者の弁であるから、公平性に欠ける可能性が十分ある。彼らは不利なことは一切見ないし、無視するのである。(注1)

よって、アインシュタインの光速度不変の原理は間違いであるという証明がなされたといえる。

注1;相対論者は、水星の軌道はケプラーの法則だけでは説明できない。相対性理論にぴったりの動きだ。だから、相対性理論の証明がなされた、と言っている。しかし、太陽が楕円球であったらケプラーの理論でぴったり合う、という主張には無視を決め込んでいる。中には、昔、相対論を信用するあまり、つい、楕円球であると証明してみな!それができていないからだめだ、と言った人もいたが、最近、太陽は楕円球である、という観測結果が発表されている。観測を待つまでもなく、太陽は自転しているのだから、楕円球になるのが自然の成り行きである。相対論者といえども物理学者なんだからそれくらいの予想はつくのだろう。だから、相対論者は無視を決め込むしかなかったのだろう。今ではそんな問題など存在しないふりをしている)

 

(3)速度によって時間が伸び縮みする

反例

 小柴氏の観測したニュートリノは、マゼラン星雲で発生した超新星で発生した。 超新星は、先にニュートリノが出て、その後光が出るという。「ようこそニュートリノ天体物理学へ」で小柴昌俊氏は「われわれのニュートリノ信号から可視光での爆発視認までの経過時間は、外向き衝撃波が青色巨星半径を通過する時間と同じでした。」と述べている。

このことは、超新星を出発した時の、ニュートリノと、光の時間差が、そのまま、地球で観測したニュートリノと光の時間差であったということである。このことから、超新星のニュートリノと、光は同速度で地球まで飛んできたことが分かる。ニュートリノの速度は光速であるということになる。

 その超新星は17万光年先の大マジェラン星雲で起こったということだ。大マジェラン星雲から17万光年の距離を、17万年かかって、ニュートリノは地球に到達した。17万光年を光速でやってくると、17万年かかる。距離÷速度=時間である。高等数学ではなく、相対論でもなく、小学生が習う算数でぴったり合う。なんの不思議があるのか、という方に、相対論を思い出してもらいたい。相対論は、普通の速度では今までの物理学で近似値が出るのでいい、しかし、速度が光速に近くなると相対論効果が顕著に表れるので、相対論で計算しなくてはならないといっている。ニュートリノは光速なのだから、算数で計算しては、大きな誤差が出るはずだ。ところが、算数で計算してぴったりのままなのだ。

 そこで、アインシュタインの特殊相対性理論から見てみよう。

アインシュタインの特殊相対性理論では、速度によって時間に遅速があり、光速では時間が止まる、ということだ。すると、光速のニュートリノは時間が止まっていることになる。時間が止まるとどうなるか。光速は1秒で30万km進む。しかし、いかに光速が速くても、0秒では0mしか進めない。ニュートリノは、時間が止まった途端その場で止まるしかなくなるはずだ。地球には永久にやってこれないはずだ。それが算数の計算どおりに地球にやってきている。ニュートリノは光速でも時間が止まっていないといえる。それどころか、ほんの少しも遅くなっていない。少しでも遅くなると、17万年の間に光に追い抜かれてしまうからだ。すなわち、速度は、時間をほんの少しも遅くしないといえる。その実例である。

 

 反対に、速度によって時間が遅くなったり、早くなったりする現象は観測されているのだろうか。

ナビの人工衛星がその証明であるという科学者たちがいる。(注;これは重力も関係しているが)

検討してみよう。

ナビの人工衛星の時間が相対論効果により地球より早くなると相対論者は主張している。

ナビの人工衛星の時間が地球より早くなると、必然的に人工衛星は地球を置いて1時間未来とか、23時間未来とか、100時間未来とかにどんどん進んでいってしまう。未来からの電波を、現在で受け取って車が走っているという奇妙なことになってしまう。そこで、相対論者はナビの時計を遅くして、地球の時計と同じ速度にして時間を合わせているといっている。それは可能だろうか。

時計はタイムマシーンではない。相対論効果で進む時間を時計で合わせることはできないはずだ。

時計は、針の進む速度を変えることはできるが本当の時間を変えることはできない。我が家の時計はそうだ。いくら針の進む速度を早くしても遅くしても、それで実際の時間が早くなったり遅くなったりはしない。家が過去に行ったり、未来に行ったりはしない。私の知っている時計はみんなそうだ。時計の指す時刻は変えられても、実際の時間を変えることはできない。ナビの人工衛星の時計を地球の時計の時刻に合わせることはできるかもしれない。しかし、その時計がどんなに素晴らしく精巧でも、ナビの人工衛星の本当の時間が早くなったり遅くなったりすることはない。相対論効果で、ナビの人工衛星の時間(時計の針ではない)が早くなり未来に進むとしたら、それを、時計を遅くしたからといって、ナビの人工衛星の本当の時間を地球の本当の時間と同じ速度にすることはできないはずだ。科学者がそんなことも知らないのだ。いや、相対性理論学者は時計の針で本当の時間が動かせると思っている。アインシュタインもそうだし、ガモフもそうだし,ナビの時計を合わせて時間があったと喜んでいる学者たちもそうだし、それを見て、相対論の証明になったともろ手を挙げている学者たちもそうだ。相対論者には、時計の針=相対論効果であるようだ。要するに、特殊相対性理論とは、時計の針を指で動かすのと同じことなのだ。

相対論効果は、時計の針だけが早くなったり遅くなったりすると考えているようだ。そのことを考えてみよう。

高速で飛ぶロケットの時計の針の進む速度が速度によって遅くなる、とする。針の動きが遅くなるということは、ロケットと一緒に飛んでいる時計本体の動きも遅くなるはずだ。その時計のついているロケットの壁の動きも遅くなり、ロケットも遅くなるということのはずだ。ロケットが相対論効果で遅くなると、その分相対論効果で時間の進み方が早くなる、時間の進み方が早くなると、ロケットは速くなる。ロケットが速くなると、時間の進み方が遅くなる。時間の進み方が遅くなるとロケットが遅くなる。すると、と千日手のように、ロケットは速くなったり遅くなったりめまぐるしく変化しなくてはならなくなる。ややこしいことは無視に限る、ということだ。で、相対論に必要な時計の針だけが速度を変えるとしたのだろう。時計の針が遅くなるということは時間が遅くなるということだとしたのだろう。時計の針の進み方が遅くなったからといって本当の時間の進み方が遅くなるということではないのに、みんなころっと騙されて。だから、時計の針を指で合わせると、本当の時刻も合うという錯覚に落ちいっている。試しに、家の時計の針をグルグルと回してみてごらん。相対論が正しいなら未来に行けるよ。家がタイムマシーンに早変わりだ。

特殊相対性理論とはせいぜいそんな程度のものだ。時間は時計の針である、だ。時間はそんなものでいいのだろうか。相対論者に問いたい。

ナビの人工衛星の時間が早く進んだとしよう。人工衛星は未来に進んでいく。時計を合わせても、タイムマシーンではないから、合うのは時計の針だけで、人工衛星そのものの時間は未来へ進んでいくはずだ。今まで、未来からの電波を受信して、ラジオを聞いたり、テレビを見たりした人はいない。何故ナビの人工衛星だけ、未来にありながら、現在に電波を送ることができるのか証明しなくてはならないはずだ。

事実はこの地球上にあるものは、みんな現在の時刻にある。未来のものも、過去のものも存在しない。縄文時代の、竪穴住居が現在見えたら、現在そこにあるビルはどうなるのだろう。未来のものが現在見えたら、その同じ場所にあるはずの現在のものは見えなくなることになる。たとえ空気分子1個だって、過去の物質が来て押しのけることはできないはずだ。

ナビの人工衛星が現在の地球上空にあるのは、人工衛星の時計を遅くしたからというのは上に書いたように間違いである。ナビの人工衛星が、今見えるということはナビの人工衛星の本当の時間が地球時間と同速度で進んでいるということの証明だ。

今、多くの人工衛星が地球を回っている。相対論効果でそれらの人工衛星の時間は地球より早く進んでいるはずだ。するとすべての人工衛星は地球より未来に進んでいることになる。ところが、その多くが、時計で時間を遅らせていることはない。それでも人工衛星は現在の地球上空にある。また、壊れてしまった人工衛星や、ロケットの残骸も地球を回っている。時計はないか止まっている。それでも、それらは現在の地球の上空にある。同一時刻であるということだ。時計を合わせようが合わせまいが関係なく地球時刻の今現在の瞬間にあるのである。時計など合わさなくても大丈夫な例だ。

速度によって時間は伸び縮みしない、と考えるしかない。アインシュタインは間違っているといえる。

(4) 速度によって空間が伸び縮みする。

 先ほどの小柴氏の観測したニュートリノを考える。ニュートリノは光速で地球にやってきた。特殊相対論によると、光速では空間は無限に縮むということだ。すると、ニュートリノの空間は無限に縮んだはずだ。

 すると、超新星から光速で飛び出たニュートリノと地球との間は空間が無限に縮み0mになるはずだ。ニュートリノは飛び出た途端に地球に着いてしまう。超新星から出るニュートリノをそのまま受けることになる。17万光年離れているから、ニュートリノの量が薄まっている。光と同じように距離の2乗に反比例して薄まるから地球は安全である。ニュートリノがいかに少ししか反応しないといっても、超新星のすぐそばで直接受けたら地球は吹き飛ぶだろう。

 地球が何事もなかったということは、ニュートリノは、17万光年の距離を17万年かかって地球にやってきたということだ。距離は1cmも縮んでいない。特殊相対性理論を否定する事実だ。

結論

このように、特殊相対性理論を否定する事実はいっぱいある。しかし、特殊相対性理論を肯定する事実はこの宇宙には存在しない。ということは特殊相対性理論が間違っているということである。