著者 高田敞
特殊相対性理論では、光は慣性系では何物にも光速度で伝播する、ということになっています。これを光速度不変の原理といいます。
アインシュタインはこのことを、そうなのだからそうなのだ、といって、実際の証拠や理論は何も上げていません。
しかし、相対性理論家は、マイケルソンとモーリーの実験が、その証拠だといっています。
そこでこのことを考えてみます。
マイケルソンとモーリーの実験装置は地球上に固定されていました。したがって、この装置は、等速直線運動をしていないことになります。
理由はいうまでもなく、地球が、自転や、公転や、銀河の周りを回る運動を行っているからです。また、ケプラーの法則から、地球は太陽の周りを楕円運動しているから、速度を変化させているということも定説です。したがって、等速でも、直線運動でもありません。
以上のことからいえること
この実験が相対性理論家がいうように光速度普遍を実証する実験なら次のことがいえます。
{光は、加速運動をしているものにも、光速度不変である}
1、このことと、光時計を組み合わせて考えます。
光時計は、光速度不変の原理による時計です。その時計は、慣性系の中では、動いている部屋の中でも天井からの光は、まっすぐ床に落ち、反射した光は、まっすぐ、天井に上がるという理論でした。これを外の観測者から見ると、光は斜めに動いたように見える。このことが、動いているものは時間がゆっくり進む、という、特殊相対性理論の考え方になります。
そこで、マイケルソンとモーリーの実験装置はどうなるかを考えてみます。
この装置実験で、光は光速度普遍で進む、ということが実証されたと相対性理論家はいっているので、この装置にも光時計と同じように、光はまっすぐ進みまっすぐ反射するはずです。装置の観測者は、装置と同じ地球に乗って進んでいるので、光時計に乗っている観測者と同じ状態です。装置に直進する光は、それを観測している観測者にも直進して見えるはずです。そして、それを裏付ける結果だったということで、マイケルソンとモーリーの実験は特殊相対性理論の裏付けであるということになっています。ということは、光は回転するものにも、速度を変えているものにも、光速度不変であるということがいえるということです。
そこで、仮想実験をしてみます。
太陽から、地球上の観測装置に、ぴったり狙いを定めます。そして光を1分間放ちます。
8分後、その光は、観測装置にぴったり命中します。
〈注:銃で狙うときは、標的が動いていく先を狙って撃ちます。しかし、この光は、観測装置が8分後にあるだろうところを狙うのではなく、発射するときにある場所を狙います。光時計の原理です。光時計は、真下を狙います。光時計の床の鏡が動いていく先を斜めに狙うのではありません。同じ原理です〉
理由
光速度普遍の原理から、光は、光源の速度に影響されない。
マイケルソンとモーリーの実験から、光は、慣性系以外のものにも、光速度不変であるといえる。特に地球に対してはマイケルソンとモーリーの実験で証明されたことになっています。
疑問
光が発射されてから、光が実験装置に当たるまで〈8分後〉に、地球は、どれだけ動いたか
ア 自転速度
赤道上とすると、
460m×60×8=220800m
イ 公転速度
30km×60×8=14400km
ウ 銀河の回転
200km×60×8=96000km
エ 宇宙空間に対する速度
400km×60×8=192000km
地球は8分の間にこれだけ動いています。光はどうやって、この動きを察知したのでしょうか。
当たり始めてから、1分後に光が当たり終わるまでに。実験装置は動いています。宇宙空間に対してだけでも、2400kmです。光はこの距離を横滑りしながら命中し続けていることになります。しかも、複雑な回転を検出しながらです。
そのしくみは、なんなのでしょうか。
こんなことがおこるとは常識では考えられません。
銃で動いている的を狙うときは、その的の前方を狙って撃ちます。光は、今ある場所を狙います。不思議な現象です。
光速度不変は間違いです。どこが間違ったか。光は光源の速度に影響されない、ということから、観測者の速度にも影響されないと演繹したところが間違いなのです。
光速度は、ニュートンのいうように、絶対静止空間に対して一定速度なのです。エーテルに対してでも、観測者に対してでもありません。