著者 高田敞
1 両理論の概要
ア アインシュタインの重力
空間が質量によって曲がる。その曲がりが重力である。
(よく使われるたとえ)
ゴムシートに鉄球を乗せるとへこむ。物はこのへこみに落ち込んでいく。これと同じように、三次元空間が曲がっている。物は空間の曲がりのために互いに近づく。これが重力であるという意見です。
光もこの空間の曲がりに沿って進む。
空間の曲がりは、曲がりではなくわれわれにとっては直線である。光は2点間の最短距離(直線)を通るので、曲がった空間では、空間の曲がりが最短距離(直線)だから、空間の曲がりに沿って進む。
(よく使われるたとえ)
地球表面を二次元表面と考える。その上に引いた直線は、グルッと一周して元に戻る。しかし、表面に居る生物(二次元生物)は、これを直線としてしか捉えられない。
4次元に曲がった空間に住む三次元生物(人間)には、空間の曲がりは感知できない。
(実際の例)
太陽の重力によってできた太陽近傍の空間の曲がりにより、星の光が曲がっているのが確認された。(これは二重に変な話であるが)
イ ニュートンの万有引力
質量のあるものは、質量のあるものを引きつける力がある。
この力は質量に比例し、距離の2乗に反比例する。
2 地球と、月の動きについて、この両理論を適用してみる。
ア アインシュタインの重力
月は、地球の重力によって曲がった空間のために、地球に落下していく。しかし、月は動いているので、地球に落下する前に、先へ進むので、地球をぐるぐる回る、というのが相対性理論である。
イ ニュートンの万有引力
月と地球は万有引力によって引き合っているので、互いに近づく。月は動いているので、地球にぶつかる前に先へ進むので、地球をぐるぐる回る。
3 光について考える
ア アインシュタインの重力
地球の質量により曲がった空間に沿って進む。しかし、地球の質量が小さいため、曲がりは小さすぎて観測できないので、光は観測上は直進と同じである。
イ ニュートンの万有引力
万有引力は質量のないものには作用しないので、質量のない光は直進する。
4 2と3を比べる
2のアでは、空間の曲がりで月が曲がって進んでいる。これは空間の曲がりが観測できるほど大きいということを示唆している。しかし、3のアでは、空間の曲がりは小さすぎることになっている。そうならば、月も曲がらずにまっすぐどこかへ飛んでいくはずである。大きな矛盾がある。
ニュートンの万有引力では、月は、地球の引力のため曲がるが、光は曲がらないのでまっすぐ進む。矛盾はない。
5 結論
アインシュタインの重力は空間の曲がりであるという理論では、月と地球の関係と、光と地球の関係を矛盾なく説明することはできない。
一方、ニュートンの万有引力では、ともに矛盾なく説明できる。すなわち、アインシュタインの、重力は、空間の曲がりで生じるという説は、間違っているといえる。
これに対して、空間の曲がりだけではうまく説明できないので、重力は、空間の曲がりと共に、引っ張る力、重力も生む、という考え方がある。空間の曲がりと、引っ張る力が半々(あるいは、7対3とか、割合は適当)であるというのである。では、空間の曲がりで起こった重力と、空間の曲がりでなく起こった重力はどのように違うのだろうか。なぜふたつの重力が存在するのだろうか。重力は空間の曲がりであるというのに、そうでない重力が存在するのは論理に矛盾がある。この考えは、単につじつま合わせにしか過ぎない、というところが真相だろう。
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