重力レンズのはてな     
著者 高田敞
本当に重力レンズ?
 重力レンズってなに?

 重力レンズというのは、アインシュタイン氏が予言したことだそうです。重力によって空間が曲がると光はそのために曲げられ、レンズと同じ現象が見られるはずだというのです。
 二つの星が、視線方向(自分が見ている直線方向)に重なっていると、後ろの星の光が前の星の重力によって曲げられてリングのようになって見えるだろうという予言です。アインシュタインリングというそうです。ぴったり重なっている星などないからそんなことはないだろうとアインシュタイン氏は可能性だけをいったそうです。ここにも彼の、用意周到なところが現れています。理論は正しい、しかし、その現象は現実には観測されないだろうと予防線を張るわけです。だから、現実には観測されなくても、そのことで、理論が間違っているとはいえない、というわけです。
 でも、彼の予想に反し、現実にその現象がかなり発見されてしまいました。そして、このことが重力が空間を曲げることの証拠にもなり、相対論の正しさを証明する事例ともなっているのです。
 でも「ちょっと待て、本当にそうなの?」と、疑問を呈するわけです。「空間七不思議」のてまえもありますしね。 

03年12月1日著者 高田敞

重力レンズの証拠とその検証1
ダークマターのあとがき
宇宙考目次