「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙39
著者 高田敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
問題
{宇宙のビッグバンでは、空間自身が膨張するのです。}
考察
{空間自身が膨張する}の根拠は、遠い銀河の光ほど赤方偏移するということだけです。それだけで空間が膨張すると言い切れるほど物理学とは甘いものなのでしょうか。地球や太陽系で、空間が膨張するのを実証できたのでしょうか。できていないでしょう。太陽系ができてから、46億年間に、太陽系で起こったはずの空間膨張は、何一つ、痕跡さえ残していません。そして今も、毎日、毎時、毎秒、途切れることなく膨張しているだろうこの地球が占める空間や、太陽系が占める空間の膨張の現象や、それが、物質に与えるだろう影響の現象は何一つ観測されていません。
巨大な銀河や、銀河団をやすやすと動かす空間膨張が、ちっぽけな太陽系では何一つ仕事ができていないのはどういうわけでしょう。空間膨張は、観測が難しくなればなるほど現れ、観測が正確にできるところには片鱗さえ見せない、ということに一致するのはどうしてなのでしょう。
このことが示していることは、太陽系の空間は膨張していないということです。遠いところでは観測も正確にできないから、反論のしようもないということです。これから、観測技術が発達するにつれて、空間膨張の証拠は遠くに押しやられていくことでしょう。
最初のころ(ハッブルのころ)は、近くの銀河も赤方偏移しているから、膨張しているということでした。それがいつの間にか、銀河団の中は膨張していない、になり、遠い銀河団同士しか膨張していないことになってしまいました。空間膨張があるところは、どんどん遠くになっています。
もうひとつ、大切なことがあります。それは、空間が膨張するというなら、空間の膨張の仕組みを解き明かさなければならないのに、何一つ、それがなされていないことです。それどころか、手もつけていないということです。
だから、いまだに、空間とはなにか、空間の構造はどのようになっているか、空間はどのようなものでできているか、など、空間について何一つ分かっていません。今、空間はヒッグス場に占められているということで大騒ぎになっていますが、これは空間膨張とは関係ないようです。
もちろん、空間膨張の仕組みなど、解明する気もないようです。できないからです。それなのに「空間は膨張する」と決定しているのです。空間膨張の理論が何一つないのに、空間は膨張していると言い切れるほど、物理学は甘いものなのですね。
結論
言い切ればいいというものではありません。せめて、空間膨張の仕組みの少しくらい究明してからいうべきではないでしょうか。そしたら、空間膨張を、実験や、観測が正確にできる地球上で観測できることでしょう。それから言い切るべきです。今はまだ、空間膨張の仕組みについてなにひとつ、証拠も、理論もないのですから。ただ、「20世紀の天地創造」を信仰しているにすぎない気がします。
ビッグバン論は、ここまで書いてきたように究明されていないことだらけです。インフレーション、爆発の原理、空間の膨張の仕組み、時間が生まれた仕組み、この宇宙のすべてが顕微鏡でも見えない小さな空間から生まれた仕組み、ダークマター、ダークエネルギー等、わかってないことだらけです。そして、ニュートンまでの物理学がすべて完全に通用しない現象ばかりで成り立っています。分かっているのは遠い銀河の光ほど、赤方偏移するということと、宇宙背景放射のたった二つだけです。この二つも、手前みそな理屈でビッグバンの証拠だといっているにすぎないのは先に述べました。これで、完ぺきにビッグバンがあったといえるのでしょうか。たったこれだけで、だれもこの理論に賛成するのが当たり前で、反論を持つのはおかしいといえるほど、完ぺきに事実だと言い切れるのでしょうか。物理学とはそんな甘いものなのですか。医学なら絶対こんな証明では許してもらえませんよ。