へんろ旅 34日目(晴れ)
54番延明寺 55番南光坊
(瀬戸内海を見ながら今治市まで約30キロ)
瀬戸の海 船点々と 春霞
太公望 春の海に 座りおり
(海は透き通っていて、泳いでいる魚がよく見えた。小さなふぐがたくさんいて、子供のころ、このふぐを釣っては、膨らませて、海に投げたのを思い出した。海に投げるとしばらく腹を上にしてぷかぷか浮いていて、そのうち、ぷしゅっとしぼむとぷくっともぐっていった。あのころの海がそのままあった。)
へんろ旅 35日目(晴れ)
56番泰山寺 57番栄福寺 58番仙遊寺 59番国分寺
(山と海とを行ったり来たりと32キロほど)
遥かなる 山に向かって 一歩踏み出す
こいのぼり ひばりの空を 翻る
遠き山 近き山 みな春霞
山鳩も ダンスしており 春の夕
(58番の登りがきつかった。59番から宿までの間で、かなり遠回りしたようで、いつまでも着かないからと
朝いっしょだった人を心配させた。道を尋ねた人はみな親切で、本当に助かった。それが遠回りの道だったとしても、それが、お大師さんのやり方なのだと思う。)
眠られぬ春の夜 遠い車の音 聞いている
旅の宿 眠れぬ夜の 幾夜かな
あと少し あと少しと 残りの旅の 日を数え
何度折っても 変わらぬ指を また数え
明日1日 今日までのよう 歩いていこう
窓少し 開けて夜風を 楽しみぬ
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