この本は、いまだ謎に満ちた銀河の進化について述べています。なぜ謎に満ちているのかを考えたところ。ビッグバン宇宙論が根底にあるからではないかと考えられます。
なぜなら、ビッグバン理論によると、宇宙は140億年前にできたということです。したがって、銀河も、銀河団も、宇宙の大規模構造も、140億年で今の状態にならないといけないからです。この巨大な構造が140億年で出来上がるには、奇跡に近いことが起こらなくてはならないからです。だから、謎が謎を呼び、謎の力や 謎の物質が登場することになるのではないかと考えられます。
そこで、ビッグバン宇宙が間違っている、あるいは、大幅に時間が修正されるとしたら、どうなるかを考えて見ました。
そこで最初に、ビッグバン宇宙論について反論を述べ、次に、ビッグバン宇宙がなければどのような銀河進化が考えられるかを考えました。
以下に述べることは今信じられているインフレーションビッグバン宇宙論からすると間違った考え方です。しかし、インフレーションビッグバン宇宙論というのも、今まで培われてきた物理学からはまるっきりかけ離れています。インフレーションビッグバン宇宙論からすると、今の物理学は何も分かっていないということになるわけでしょうが、どちらが何も分かっていないかは、まだ決着がついていません。決着がついているという人はたくさんいますが、それはみんなインフレーションビッグバン宇宙論の人たちです。自分たちが正しいと。本当にそうでしょうか。その人たちに聞きたいものです。以下のことにひとつでも明確な答えを出せるでしょうか、と。
宇宙誕生40万歳のときの光が今地球に届いたということです。
基本設定2 地球の場所
インフレーションビッグバン宇宙が40万歳のとき地球はどこにあったかというと、現在地球がある、この場所ではありません。また、地球は45億年前にできたのだから、そのときはなかった、というのも間違っています。ビッグバン宇宙論では、今ある宇宙の全てはその火の球の中にすでにあったことになっています。したがって地球もその中にあったことになります。もちろん、今の形とは違って、陽子の形でばらばらに散らばっていました。でも、いま地球を形作っている全ての物質はひとつ残らずその火の玉の中にあったはずです。形の違う地球です。
以下の論は、このことが根幹です。
宇宙の晴れ上がりが起こったときから、光は光速度で直進しているということです。だから、同じところにあった、数十億年後地球になる陽子(形の違う地球)はやはり光速度で飛び続けなければ、晴れ上がりのときに出た光に置いてけぼりを食らう羽目になるはずです。
ところが、少なくとも45億年前に地球の形に固まったときから地球は秒速数百kmに速度が落ちてしまっています。その後、45億年の間、晴れ上がりの光は光速で飛び続けているのですから、地球は、その光にすっかり置いてけぼりを食らっているはずです。すなわち、背景放射の光は、地球からでは見えないはずです。
時速100kmの車に時速10kmの自転車が置いてけぼりを食らって、あっという間に自動車が見えなくなるのと同じです。
地球上で、宇宙空間に向けて1時間サーチライトをつけるとします。
すぐ傍で見ている人は、1時間たったら消えるのを確認できます。
1光年離れた宇宙船でこのサーチライトの光を見るとします。地球上で点灯してから、1年後その光は見え始めます。そして、それから1時間したら、見えなくなります。なぜなら、サーチライトの光が全て通り過ぎてしまったからです。
その光は、10年後10光年離れた宇宙船に到達します。でもそこにとどまってはいません。やはり1時間したら消えます。光がすべて通り過ぎてしまうからです。
では、宇宙背景放射はどうでしょう。宇宙背景放射の継続時間はどれくらいあったのでしょう。それについて言及しているものはありません。仮に1万年続いたとします。すると、背景放射の場所から1光年離れたところにいる観測者(それは、宇宙の外になるが)は1年後、背景放射を見始めて、1万年たったら見えなくなるはずです。140億光年離れたところにいる観測者(いつ、背景放射の光を追い越してここに来たのかわからないが)は140億年後、背景放射の光を見始めて、それから1万年たったら、消えてしまうはずです。光がすべて通り過ぎてしまうからです。
なぜ直進して地球を通り過ぎていくはずの光がいつまでも見えているのでしょう。不思議なことです。背景放射は特別な光で今の物理学ではわからない性質を持っているのでしょうか。
火の玉から始まった宇宙が、40万年後晴れ上がったとすると、そのときの光は、地球(まだ陽子の段階にまでしか進化していないが)に対して全天から降り注いだことでしょう。しかし、その後は通り過ぎてしまって見えなくなってしまったはずです。一番後の光は、そのとき一番遠いところから地球に向かっていた光です。火の玉の直径が1億光年あったとすると、地球と一番遠い光は最大でも1億光年だから、地球が動かない場合は1億年後通り過ぎて行きます。地球が光速の半分の速度で逃げているときは、それでも2億年で通り過ぎていきます。一度通り過ぎた光は鏡で反射でもさせない限り、もどってくることはありません。その最後の光が通り過ぎていった後は、すべての晴れ上がりの光は地球から遠ざかる方向に飛び続けているはずです。140億年たった今も。おそらく、地球から140億光年先を地球から離れるように飛んでいることでしょう。ところが、いまも、背景放射は、地球に向かって飛んで来続けているといいます。背景放射は、なぜ全天から地球に向かって飛んでくることができるのでしょう。不思議なことです。
ビッグバン宇宙論が出る前には、宇宙の塵が出す光が観測されたら、マイクロ波で見られるだろうと、何人かの研究者が幾種類かのアプローチで提案していました。その温度はどれも大体約3k弱です。
この考えは科学的に否定されたのでしょうか。それともビッグバン論にじゃまだから無視しているのでしょうか。そんなことはないとは思いますが、もし後の理由なら、それは科学ではありません。そして、背景放射が、塵の出す光ではないという科学的根拠は今のところ見かけません。背景放射が晴れ上がりの光であるというためには絶対科学的に否定しなければならないことなのですから、どのビッグバン説を書いた本にも載っていなければならないはずなのに決して載っていません。それどころか、宇宙塵説を載せている本もありません。ビッグバン論者は、後の説、「無視」を決め込んでいるとしか思えません。私が目にできる、図書館にある、すなわち一般読者用の本だからでしょうか。専門書ではちゃんと書いてある。そうであればいいのですが。
宇宙の晴れ上がりのとき、地球はその中にあったことは先に書きました。すると、そのときの光の中には、地球になる物質(違う形の地球)の出す光が混ざっているということになります。
ということは、今、われわれは、140億年前の地球も見ているということになります。
10年前地球があった場所に望遠鏡を向けても10年前の地球を見ることはできません。2億年前地球があった場所に望遠鏡を向けても地球を見ることはできません。もちろん45億年前の地球も、100億年前の地球もです。当たり前のことです。それを見るためには光より速い速度で飛んで行って、昔の地球が出した光に追いつかなくてはなりません。では、どうして140億年前のまだ卵だったころの地球なら見ることができるのでしょうか。140億年前に地球が出した光にわれわれは追いついたのでしょうか。今までの物理学では説明できないことです。その仕組みはどうなっているのでしょうか。不思議なことです。
このように、宇宙背景放射が、140億年前の光が今地球に届いたという現象であるというのは、地球上で起こる普通の現象から考えると、不可能なことのような気がします。ひょっとして、地球だけは特別で、インフレーションビッグバンの中で生まれたのではなく、45億年前、ここにポンと出現したと考えているのではないでしょうか。いえ、それすら考えていないのでしょう。ただたんに、遠くを見ることは過去を見ることだから、というわけなのでしょう。でもどんな高性能な望遠鏡でも自分の過去だけは見ることはできません。タイムマシーンでもなければ。
見られる過去は非常に限られているのです。今地球に到着した光だけなのです。270万年前のアンドロメダは見られても、300万年前のアンドロメダも、100万年前のアンドロメダもどんなにがんばっても見られないのです。100億年は超えて存在しているだろうアンドロメダの見られる時間帯はただの一瞬だけなのです。後は決して見られないのです。
宇宙背景放射が、もし、宇宙の塵が出す光なら、塵が宇宙にある限り、地球に降り注いでいるから、いつまでも消えることもないし、つねに全天から降り注ぐし、光と競争して地球が先回りする必要もないし、自分の過去を見るという不思議もないから、こちらのほうが常識的には何の問題もなくつじつまが合うような気がします。
宇宙の組成は以下のごとくであるという。
宇宙定数75% 物質25%
物質の6分の5が暗黒物質 通常の物質は6分の1
すなわち、バリオンの寄与は4パーセント未知なエネルギーと物質は96パーセント
(図3.3)によると、暗黒物質は銀河を包み込むように広がっている。外側に行くに連れ密度は徐々に下がる、ということである。また、「銀河の形成と進化の過程で暗黒物質は決定的な役割を果たしている」とある。
このことから、銀河の中にも暗黒物質は大量に存在することがわかる。
太陽系も銀河系の一員であるから、太陽系内部にも暗黒物質が存在しなければならないはずである。もし普通の比率であるとするなら、通常の物質の5倍あるはずであるから、太陽系には太陽に等しい質量の5倍の暗黒物質が存在しなくてはならない。もちろん地球の5個分とか、木星の5個分とか、惑星の5倍の質量分の暗黒物質とかもなくてはならないはずである。
ところがこれは存在しない。
いや存在するが、電磁波と相互作用しないから観測できないだけだ、というのは、小学生には通用しても、中学生以上には無理は理由付けだ。なぜなら、暗黒物質は重力を持っているという。すると、木星1個分の質量でも太陽系に存在すれば惑星の軌道はそれなり大きく変化するはずである。太陽5個分となったらどのように変化することか。ところが今の太陽系の惑星の軌道は、通常の物質だけの万有引力で計算してぴったり合う。すなわち、他の引力元は存在しないか、あったとしてもほんの微量に過ぎないということである。
それでも太陽5個分の引力元があるというなら、ケプラーとニュートンが間違っているということになる。
ということは何らかの理由で太陽系から暗黒物質だけが消えたと考えるしかない。
その理由を考えてみる。今までこのことを考えた人がいないようだから。
通常の物質は熱を放射冷却で下げることができるので、収縮することができる。しかし、暗黒物質は電磁波を出さないということから放射冷却がないので温度が下がらないので収縮できないらしい。ということは通常の物質のように熱による運動をするなにかであるらしい。
だから、太陽系でふつうの物質は収縮し、太陽や惑星などになれたが暗黒物質は太陽や惑星のように固まることがなかったと考えられる。
としても、暗黒物質が太陽系になくなる理由にはならない。星間ガスのように漂っているはずである。それもかなりの量。ただ、通常の物質との比率は他の場所とは変わっている、といえなくもない。
太陽は、分子雲の中で、他の星といっしょに生まれ、その後、ばらばらになり今あるところまで移動してきたといわれている。その間宇宙空間を旅してきた。
すると、その間にも、宇宙空間にある暗黒物質を万有引力で引き寄せながら移動してきたと考えられる。
また、太陽が生まれたとき、集まっていたが、星になれなかった通常の分子雲は、太陽の紫外線で吹き飛ばされたという。星になる分子雲より吹き飛ばされる分子雲のほうが多量であるという。その現場も観測されている。しかし、集まっていた暗黒物質のほうは、電磁波とは相互作用しないから、紫外線ばかりでなく他の電磁波にも吹き飛ばされることはないと思われる。
この2点から、太陽系にも暗黒物質はかなりの量なくてはならないはずである。少なくとも太陽の1個分とか2個分くらいはあってもよさそうである。
ところが、木星1個分もないのである。
宇宙はどこでも同じであるという法則に反し、太陽系は、ほかの場所では普通の物質の5倍もあるのに、ひとかけらの暗黒物質もない特殊な場になっている。
系外惑星においても、運動からの惑星の質量を計算するとき、系外惑星系にあるはずの暗黒物質の重力を計算に入れていない。
また、恒星ができるときも、暗黒物質の重力は計算に入れていないようである。
通常の物質の5倍も存在するのに、太陽系や惑星系には存在しないのはなぜなのだろう。もちろん地球上でもその存在が観測されたことはない。私の周りに空気はふつうにあるのに、それの数倍はあるはずの暗黒物質がなぜ存在しないのか。ビッグバン論者はこの理由を調べる必要がある。
宇宙の晴れ上がりのころの宇宙は、地球大気ほどの密度だと書いてある。
すると、このときその5倍の密度で暗黒物質も存在したと推測される。
(1) 疑問
地球大気くらいの密度があれば、空間膨張の力より、重力のほうが勝って、通常の物質は膨張できなくなるはずである。それに暗黒物質の重力が加わったら物質は膨張するのが不可能になるはずである。すると、宇宙の物質が広がったということは、少なくとも初期の宇宙は、空間膨張の力だけではなく、他の力によって膨張していたということになる。その力はどこから出てどこに消えたのか、空間膨張との関係はどうなっているのかハッブル定数だけでは宇宙は語れないということになる。
(2) 推測
暗黒物質は何かということを考えなければならない。
(図3.3)の暗黒物質の絵は、通常の物質からできているハローと酷似している。
また、(図4.5)のかみのけ座銀河団のX線画像(通常の物質の像)も銀河団の暗黒物質の想像図に酷似している。
このことから、暗黒物質と通常の物質の構造はそっくり同じであることが伺える。しっかり混ざり合っているのであろうか。太陽系や地球上では存在の影すらないのにである。
では、暗黒物質は何かと考えると、中性水素であると考えたらどうだろう。これなら太陽系にもふつうに存在する。恒星ができたとき収縮していた中性水素は先ほど書いたように、できたての星の紫外線で吹き飛ばされてしまう。したがって、太陽系でも少なくはなっているが存在はする。また、銀河の中や、ハローにも存在するのが観測されている。それは、外に行くほど薄くなり、やがて、地球の水素のために観測の限界を超える。しかし、それでも、なくならずに広がっているということだ。
外側に行くにしたがって薄くなっても、体積は外に行くにしたがって3乗倍で増えるから、質量はそんなには一気に少なくはならないことになる。
銀河団にもおそらく電離していない中性水素はふつうに存在するはずである。なぜなら、銀河系と、アンドロメダ銀河のハローは、中世水素に関して、薄くなりながらもつながっているという考え方もあるのである。宇宙では全ての水素は電離しているという観測が載っていたが、銀河の中には分子雲がふつうに存在するし、上に書いたようにハローにもあるのが観測されているという本もあった。地球にあり、太陽にあり、銀河系にあり、アンドロメダ銀河にあるなら、銀河団にあっても不思議ではない。なぜなら宇宙はどこも同じであるという説もあるのだから。
ふつうの物質が見えないのは、観測技術がまだいたらないからではないのだろうか。それとも、信じている考え方に不都合なことは無意識に排除するという人間の性かも。私がそうだからといって、ほかの人にも摘要するのは変だが。
斥力であるといわれている。
この斥力も、太陽系では観測されていない。惑星の運動にも、準惑星にも彗星の運動にもなにひとつ影響を与えていないことから、この力は太陽系には存在しないことがわかる。もちろん地球上でも観測されていない。
もしあったとしても、この銀河団さえ軽々と動かす巨大な力は、なぜか私の髪の毛一筋動かすことはできないようだから、地球上ではまるで取るに足りない力であるのだろう。
また、今の物理学では、この世界は、4つの力で構成されているといわれている。この5つ目の力はまだ認定されていない。
やはり、太陽系は特殊な場になる。宇宙の75%にもなるのになぜ太陽系には存在しないのか、宇宙定数があるという人たちはその理由を調べ説明しなければならない。
暗黒物質も、暗黒エネルギーも、観測が正確にできるところには存在しないが、不正確なところには存在する現象である。また、どちらも謎のエネルギーであり、謎の物質である。謎であるという以外何一つわかっていないのである。
これは、かつて、火星に運河を見たのとよく似た現象である。
再考を要することであると思う。
1 宇宙空間に漂うガスに全体にまだら模様ができる。
2 その大きな模様とともに、部分的にも濃淡ができる
3 濃いところが、小さな銀河の元になり、星が形成されていく。
4 それが宇宙のいたるところに現れる。
5 最初の小さな不規則銀河ができる
6 不規則銀河は、さらに周りのガスを引き寄せて成長する。
7 不規則銀河は、回転を始める。それとともにさらに、周りのガスを引き込む。
8 渦の腕ができ始め、渦巻銀河ができる。
9 渦はだんだんきつく巻きつく
10 この間新たな小さな不規則銀河も次々にできていく
11 銀河の中には衝突するものができてくる。
12 複数個以上の衝突した銀河は、楕円銀河になっていく。
13 この間、同時に宇宙全体の物質の濃淡も変化し、濃いところは周りから物質を引き寄せさらに濃くなり、薄いところは物質を奪い去られさらに薄くなっていく。グレートウォールやボイドに代表される、宇宙大規模構造ができてくる。
14 楕円銀河はその後どうなるかは私には分からない。エントロピーの増大から、やがて何らかの形で、拡散していくのではないだろうか。楕円銀河内のランダムな星の動きから、星の衝突や、あるいは互いの重力で振りとばしたりして。ひょっとしてアインシュタインが間違っていたら、中性子星や、ブラックホールが、ガンマー線バーストを起こして、電磁波や、素粒子にもどって宇宙空間に散らばっていくのかもしれない。エントロピーの増大が普遍的であるなら、物質は何らかの形で、ばらばらになっていくはずだからその可能性はなくはない。
楕円銀河の星が古いのは、銀河の進化の最後の姿だからである。楕円銀河の星は、最初不規則銀河の星として生まれ、渦巻銀河になり、衝突して楕円銀河になった。そのためには非常に長い年月が必要になる。そのため、銀河全体が年老い、星も古い星ばかりになる。
銀河のバルジの星が古いのは、最初に集まってできた不規則銀河の部分であるためである。それが宇宙空間から、物質を集め、新たに加わった物質がディスクの部分になったからである。
球状星団は過去に衝突した極小銀河である。としたらどうだろう。
様々な要因があるとしても、基本的にはこの形ではないだろうか。
銀河群には渦巻銀河や、不規則銀河が多く、銀河団には、楕円銀河やSO銀河が多いのは、銀河の群れは局所銀河群から、だんだん大きくなりやがて大きな銀河団になると考えると説明がつく。
銀河団になるまでには周りの銀河や銀河群と引き付けあい、集合するので長い時間が必要だから、銀河も古くなり、みんな楕円やSO銀河になる。小さな銀河群はまだできてから少しの時間しかたっていないから少しの銀河しか集まっていないので、みんな若い銀河になる。
また、銀河の込んでいるところには早期形や明るい銀河の割合が高く、そうでないところには晩期形や暗い銀河の割合が高くなるのも同じことがいえそうである。たくさんの銀河を集めるにはそれなりに多くの時間が必要で、そうでないところは、銀河ができてからまだ時間がたっておらず、まだ少ししか集まっていないということである。
銀河の集まっているところは、長い時間がかかって集まったのであるから、銀河も古く、また、周りの物質を多く引き寄せているので大きな銀河になっており、まばらな場所は、まだ引力で多くの銀河を集める時間が足りないので、銀河も小さく若い晩期方の銀河が多くなるということになる。
上記の仮説の問題点は、これでは、宇宙年齢が140億年ではとても時間が足りないということだ。
たとえば次のことを考えてみる
(1) 複数個以上の衝突した銀河は、楕円銀河になっていく。
銀河の衝突はかなりの数観測されているようだ。衝突中のもの、衝突して通り過ぎたもの、衝突が終わって、ひとつの銀河になったものなど様々な状態の銀河が観測されている。アンドロメダ銀河も中心が二つあり、かつて衝突した二つの銀河の中心だろうという見解を見たことがある。
このことを考えてみる。
ふたつの渦巻銀河が衝突する。そのためにはどれくらいの時間が要るだろう。
まず、渦巻銀河ができなくてはならない。大きな渦巻銀河は先ほどの仮説のように小さく始まって、膨大な空間から物質を集めながら成長していく。それにはかなりの時間がかかるはずだ。また、ふたつの銀河はそれぞれに大きな領域から物質を集める必要があるから、それぞれに最初はかなり遠く離れていなければならない。
遠く離れたふたつの銀河が近づき衝突する。これにもかなりの時間が要る。そしてすれ違う。一度離れて、また引き付けあって、衝突する。これを 何回か繰り返して、やがてひとつの銀河にまとまる。行ったり来たりだからこれにもかなりの時間がいる。
現実に衝突してひとつになった銀河が観測されているから、実際に宇宙開闢からこれまでに、(しかも遠い銀河は何億年か前までに)これが終わっている。
140億年で、この銀河生成、衝突、合体は可能なのだろうか。ひじょうに疑問である。
そこで、宇宙年齢が間違っていると考えたらどうだろう。
ビッグバン宇宙論の根拠は、遠い銀河の光ほど赤方偏移が大きいということだけである。いまのところ科学的に少しは耐ええる根拠はそれだけだろう。(宇宙背景放射は証拠にはならない理由は述べた)
このことから、空間が膨張しているという考え方が出てきたが、空間が膨張するというのは本当だろうか。
(1) 空間膨張への疑問点
@ 地球上や、太陽系では空間膨張は直接観測されていない。
同様に、地球上や太陽系では、空間膨張から起こりうるだろう現象も何一つ現れていない。
B 空間膨張は何が膨張するのか理論がない。
C 空間膨張のエネルギーは何か。
理論も無く。実際のエネルギーも特定されていない。
D 地球から見ると全ての銀河はその距離に比例して遠ざかっているということから、地球のある場所でも空間が膨張していることになる。地球があるところの空間が膨張すると、それが、1万光年先や1億光年先の空間を押しやる力の一部になっていることになっている。
ア 1万光年先の空間にどのような方法で地球周辺の空間膨張の力を伝えるのだろうか。
イ 空間は何もない。空間膨張を伝達するものは何なのだろうか。
ウ 伝達速度はどれくらいなのだろうか。
エ 物質の膨張のときは、押し合いへしあいになって、鉄道線路などが曲がってしまう現象が起こる。空間ではそのようなことはないのだろうか。
オ 遠い銀河になると秒速数千kmで遠ざかるという。その間の空間膨張が、しっかり伝達される仕組みはどうなっているのだろうか。(風船はほぼ均一に膨らませることができる。しかし、地球ほどの大きさの風船を均一に膨らませるのは不可能である。宇宙を均一に膨らませる力の伝達方法はあるのだろうか)
E 空間膨張が物質を動かす仕組みは?
F 銀河団を均一に同じ方向に押しやる仕組みは?
このように、空間膨張と一言で片付けているけれど、空間膨張は観測もされていない。どちらかというと地球上や太陽系では、空間膨張は存在しないということのほうが観測結果である。
その上、空間とは何かとか空間膨張は何がどのように膨張するのとかの理論も確定できるものは何一つ存在しない。今までわかっている物理学では謎以外に何も無いのである。
ビッグバン宇宙論の根拠は、赤方偏移と、キリスト教の神の一言、「光あれ」のたった2点だけなのである。
その結果生まれてきたビッグバン宇宙論は、今の物理学では何一つ説明できないこの空間膨張だけでなく、始まりは仮設にしか過ぎないし、インフレーションは物理学では説明不能な現象であり、謎の、ブラックエネルギーと謎の暗黒物質も実際に観測も説明もできていない。このほかにも、様々な不可解な現象を肯定するしかないのがこの宇宙論である。
このように、ビッグバン宇宙論は、骨格も肉付けも、ずべて、今の物理学では説明も、証明もできないことだけでできているのである。だから次から次に奇想天外なことがでてくるのではないだろうか。天動説の、周点円のほうが、まだましであるかもしれないくらいである。
赤方偏移を後退速度と考えたことが間違いとしたら、空間膨張も間違いになる。光が宇宙空間を10億年も飛んだら、その間の電離水素や中性水素、あるいは塵で光のエネルギーが減じることはないのだろうか。こちらなら、ふつうの物理学で証明できる可能性ははるかに高いと思われる。10億年といえば、アメーバーが人間にまで進化できるほど長い時間である。その膨大な時間の間、様々な物質や、電磁波の中を光は飛び続けるのである。地球上ではアメーバーから人間に変質するのに、光は何一つ変質しないで飛び続けられると考えるほうが変なのではないだろうか。アインシュタインの、「光は絶対」であるという信仰に影響されすぎてはいないだろうか。
もし、物質を通過することで光が振動数を下げるとするなら、今の物理学では説明できないことばかりで構築されているビッグバン宇宙論ではなく、ふつうの物理学で十分説明できる宇宙論ができるのではないだろうか。私はやがてそちらのほうになっていくと思う。
もちろん「光あれ」のほうは、科学ではないので言及はしない。